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□むしろ周りの被害が甚大
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土曜日の午前中。

立海大附属中等部のテニス部。そんな平凡なところで、事件は起こっていた。


「皆、おはようさん!!」


テニス部に響いた挨拶の声。聞きなれた声に先に居た他の部員達は声をかけようとして、……沈黙した。


「あ、えと…、仁王だよね??」


幸村がおずおずと声をかける。


「当たり前じゃ。何驚いとるん??」


驚くのも無理はない。
今の仁王は眼鏡をかけていた。
しかも、鼻眼鏡。



しかしここで、さらに驚くことになった。


「皆、おはようさん!!」


挨拶の声。仁王の後ろの扉に現れたのは仁王。

仁王が二人になってしまった。


「おまんは誰じゃ?」

「俺は仁王雅治。おまんこそ誰じゃ?」

「俺も仁王雅治ぜよ。」


俺が本物だ、偽者だなどと言っている二人を尻目に、困惑している。

すると、普通の仁王が鼻眼鏡仁王の鼻眼鏡を取った。すかさずブン太ガ髪をぐしゃぐしゃにした。


そこに現れたのは、柳生。


「柳生!?」


皆が驚いた声を出す。


「・・・・・・・・・。」
柳生は無言。



「幸村。柳生、風邪ひいとる。」

仁王が言ったとたん、柳生が仁王の方に倒れこんでくる。

柳生を支えた仁王は、

「そういえば、風邪引いた柳生は変装癖があったのう…。」

と、つぶやいた。


柳生を送ってくるから部活遅れる、と一言いって仁王に頷きしか返せなかった幸村。


二人が出て行った後には、どっと疲れた部員達が残されたのであった。





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