Main

□ハートの海賊団
1ページ/1ページ

ハートの海賊団の朝はこの男の一言で始まる。


「起きろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


ハートの海賊団ペンギンである。朝一番に起きる彼はいつもみんなを起こす。だけど一人一人起こすのは彼とて難しい…。
なのでこうして朝から怒鳴っているのだ。


「ふぁ〜〜〜、おはようさん。」
「お早う、ペンギン」


クルー達が起き出してきた。一気に船内が騒がしくなる。大抵はこれで起きだす。しかし、これで起きない奴らもいる。


(やれやれ・・・・・・。)
ペンギンはため息をしながら寝室に入った。


なにせクルー達がみんなで寝るのだから寝室はでかい。その部屋の真ん中を陣取り、未だにスヤスヤ眠る奴がいる。


「起きろ、ベポ」


ペンギンはユサユサとその体を揺する。するとウ〜ンと唸りゴソゴソとベポと呼ばれるクルーが這い出てきた。


「アイアイ!お早うペンギン!!」
「ああ、おはよう。早く支度して顔洗え。その顔だと船長にびっくりされるぞ。」


ペンギンはそう言いベポの白い頭を優しくなでた。



白い頭??



そう…、何を隠そうベポは白熊である。喋れるし二足歩行も出来る。このグランドラインでは少し珍しい…。

ペンギンはベポを起こすと更に奥に進んだ。目指す先にはもう一人、寝坊助常習犯いた。


彼の事を話しておこう。
彼の名はキャスケット。みんなには"キャス"と呼ばれる。この船のクルーの一人だ。

薄茶色の髪を肩に掛かるか掛からない所まで伸ばし、いつもお気に入りのサングラスをかけている。
彼はペンギンやベポより後に海賊団に入ってきた。
何か理由があるのか未だにペンギン直々に起こされているという訳だ…。


「キャス、いい加減起きろ。朝だ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」zzz zzz 熟睡しているのだろう、返事がない。

「キャスケット…。」


ペンギンはため息をつきながら一端寝室を出た。
調理場まで行き、コックに氷水を作ってもらう。
そして、冷たい氷水の中に片手を突っ込んだ!!!

何秒間かそのまま。やがてペンギンが片手を取り出した。少し赤い・・・手が冷えてる証拠である。そして、そのままキャスケットが眠る寝室へ戻る。
寝室に戻ったペンギンは、キャスケットの布団の前にしゃがみ込む。
布団をめくり、何をするかと思いきや、体温で暖かくなっているその足首を ガシッと音が出るくらいわしづかんだ。


「冷たーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

熟睡していたキャスケットは飛び起きる。

「キャス、いい加減起きろ」

「起きます起きます起きます、だからその手放してくれ!!」


ペンギンが手を放すと、キャスケットは半泣きで布団から出てきた。そしてクルー達お揃いのコートを着る。枕の傍に置いていたサングラスをかけ、大きな欠伸をし、ニシシッと笑った。

「おっはよう!ペンギン!!」
「・・・・・・おはよう。」

これで二人起こした。あと一人。その人の顔を思い浮かべ、ペンギンは苦笑する。今日は起きているか、寝ているか。緩む顔に気合いを入れ船長室のドアをノックした。

コンコン”
「失礼します、船長って…今日は起きていたか。」

「ん?ああペンギンか。おはよう。」

「おはよう船長。」


最後の寝坊助常習犯はハートの海賊団船長、トラファルガー・ローである。

彼の事も紹介することにしよう。

トラファルガー・ロー
その首に2億の賞金が賭けられている。

深い青の瞳と髪を持ち、その眼の下の隈が特徴的だ。
お気に入りの帽子を被り、クルー達が全員コートなのに対して、彼はパーカーを着ている。


「船長、みんな待っている。キッチンに行こう。」
「ああ、そうだな。」




ハートの海賊団の朝は、毎朝こんな感じだ。





(みんな、おはよう)       END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ