■幼馴染だってば!■

□『フラグ』立つ
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「アハハハハハハハ!!」
「ちょっ!お前!」

目の前で大爆笑する滝ノ上(通称たっつあん)の頭上に勢い良くチョップを喰らわすが、奴の笑いは収まらない。
「クッ…クク…ククッ!」と、伏せながらも堪え笑いを零す目の前の男に追加のチョップを落とす。

酒も程良く回り始めた、いつものメンバー・いつもの居酒屋で行われている席にて、例の話が持ち上がったのだ。
同じ町内会に身を置く面々の元へ俺と花子の結婚うんぬんの話が伝わったのは、あの日から僅か2日足らずの事。
あの日想像した恐ろしい状況に違わず、タッグを組んだ両母親達の手に(お喋りに)掛かり、あっという間の出来事だった…。
オバちゃん達の伝達網というのは本当に恐ろしい…と、身を以て経験する事になるとは…。

新しい煙草に火を点け、深く嘆息すると「でも相手が花子っていうのは悪く無いんじゃない?」と笑顔で零す嶋田の発言に、眉間の皺をキツく寄せた。

「……」
「だって花子、そこそこ可愛いし」
「……まぁ…」
「そうそう!昔からのダチだけあって、気心も知れてるしな〜!」

…気楽に言ってくれるぜ…と返し、俺は煙草の灰を灰皿へと落とす。

「…だからだろ…」

だから女として見れねーんだろうが、と言うと二人は何故かびっくりしたような顔をした。
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