■近くて遠くて■
□脱・好き嫌い
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『…健司め…』
朝の事を思い出し,復讐に燃える女がここに一人…。
『出来たー!!』
にっこりと微笑み,作った料理をキッチンから居間の机の上へと運ぶ。
ピーンポーン…
タイミング良くなったチャイムの音に,パタパタと玄関へ向かう。
「た…ただいま…」
『ふふっ…健司,おかえりなさい!』
「お…おぉ!」
朝の事を思い出し,身構えていた健司は拍子抜けする…。
目の前の花子は,機嫌良さそうに笑っていた。
『…んっ!?健司,どうしたの?』
「…い,いや…何でもない!」
…そうだよな…25歳にもなって,17歳のいたいけな高校生に,あれくらいの事で本気で怒る大人はいないよな!
そう思い,居間に一歩踏み込んだ健司は…
固まった…。