■幼馴染だってば!■

□変化した“気持ち”
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『…繋心、いいかも…』
「でしょ?でしょ??」

なんて現金な人間だろうか…。
母に「こんなに花子好みの腹筋をしてて、趣味に理解ある人なんて他にいないわよ〜?」ともう一度念押しをされて、俄然その気になってしまった私。

ちなみに、うっすら繋心とキスやそれ以上の行為をする事を想像してみたら、難なくいけそうだ。
余りにも抵抗を感じ無さ過ぎて、自分で自分にびっくりする。
ほんの一時で幼馴染から、意識する異性へと繋心をレベルアップさせた私は、さて今後どうするか…を頭の中で捻り始めた。

繋心の中で私は「恋愛対象外」の同志である事は間違い。
それを恋愛対象へと格上げさせる方法などすぐに思い浮かぶ訳もなく、とりあえず私の色よい言葉を受けた母が大人しくなったので、自室へと足を向けた。
部屋の扉を閉めたタイミングで、お尻のポケットに放り込んでいた携帯が振動するのを感じる。
取り出してみると、嶋田マートの跡取りである幼馴染の誠からメールが届いていた。


―繋心と結婚するって本当?


…おいおい、どんだけ早いスピードで繋心と私の事が広がってるんだ!?と頭を一瞬抱えるが、ふと…この幼馴染に繋心との事を協力して貰えないだろうか、という考えが頭を過ぎった。


『…んーと、“どうだろう?繋心にその気は無いんじゃないかな?”、っと…』

送信!とボタンを押してからベッドへと歩を進め、横になって軽く伸びをしていると、ほんのわずかな時間を置いてすぐに件の彼から返事が返ってきた。


―あ、花子はその気、あるんだ!繋心はちょっと押せば大丈夫だと思う。花子ならいける!!


さすがこちらも幼馴染。
私の返信から、私に繋心との結婚に対しての異議が無い事を瞬時に察している。


―明後日の飲み会で繋心をからかう予定だから、便乗しておいで!笑


誠からのこの返信に思わず吹き出してしまった。
誠、結構Sだからなぁ〜。
楽しそうに繋心をからかう誠を容易に想像しながら私は緩く目を閉じた。


『………押したらいけそうに見えてるのかぁ…』


私と繋心を近くで見ていた彼のこの返信に何だか少しの嬉しさを覚えてしまう。
幼馴染の彼にとって、別に私達二人が色恋沙汰になるのは「全くなし」という訳では無いようだ。

思わずニマニマしてしまう口元を枕に押し付けて隠し、私は2日後に開催される飲み会に思いを馳せるのだった。







→つづく
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