03/14の日記

15:01
第94話 「真月の危機!暗躍者ベクターの襲撃」(アニメ:遊戯王ZEXALII)
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 その晩、遊馬は町外れのコンビナート群の中を走っていた。


 夕食時に遊馬のDゲイザーが真月のSOS信号を受信したからだ。



 発信元を特定した遊馬は急いで駆け出し、何度も真月を呼びかけていた。



遊馬「おい真月!おい!!」


真月『早く!早く来てくれ遊馬!!ぐあああああああ!!!』


 ノイズに混じった真月の叫び声が聞こえる。遊馬の前では冷静で物静かな彼が、大声で叫んでいるという事は、相当にヤバい状況なことくらい遊馬にも容易に想像がついた。


遊馬「真月!? 待ってろよー!!」


 バチバチと電撃が走るような音と共に途切れる通信。


 走るスピードを上げ、コンテナに囲まれた迷路の角を曲がった遊馬は、そこで深紅色のあの空間を目にした。


遊馬「これは――――――!!」


 バリアンズ・スフィア・フィールド。バリアンが遊馬たちのナンバーズを狙う時に本来の力を発揮するために作り出す擬似空間。その中心で膝を苦しそうに付いている真月を遊馬は見つけた。


遊馬「真月!!」


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真月「来てくれたか!遊馬巡査!!」

遊馬「あぁ!――――だが…コイツは……」




 真月と向かい合ったもう一人の男。このフィールドを展開した張本人が真月のちょうど反対側に立っていた。


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 遊馬の視線が真月から相手に移る。フードで全身を覆った男は背格好しかわからない。体躯はアリトやミザエルと同じぐらいに見える。炎のような蝶の羽のような不思議なデュエルディスクを左手に抱え、仮面で隠した顔から禍々しい眼光が遊馬と重なった。


『邪魔が入ったな。勝負はお預けだ。 フフフフフ―――――――。』


 まるで遊馬が来るのを想定していたのか、それとももうデュエルに見切りを付けていたのか、男は無表情の仮面の下で笑いながら、異次元空間の中へ身体を埋めて消えていった。


真月「待て!ベクター!!」


 真月が呼び止めた時には、バリアンズ・スフィア・フィールドの消滅が始まっていた。突如コンテナの山の中にできた異空間は、パタパタとカードが飛び散るように1枚1枚その空間を中空に霧散させる。


遊馬「おい!真月!」


 遊馬はゆっくりと地上に降りてきた真月に呼びかけた。


遊馬「真月!おい、大丈夫か?おい!」

真月「あぁ……」


 緊張が一気に解けたのか、真月は全身の力が抜けたようにその場で膝をついた。


遊馬「あいつは一体……。」

真月「奴は、我々が長年追ってきた最も凶悪なバリアン、ベクターだ」

遊馬「ベクター?」

真月「遊馬巡査、ワタシは奴の後を追う。ワタシのいない間、この世界の平和は頼んだぞ」


 本当の上司であるかのような真月の物言いにも少しずつ慣れてきた遊馬は、条件反射で敬礼をしながら答えた。


遊馬「はっ!真月警部!」


 すると真月は、ポケットの中からいくつかのカードを取り出して遊馬に差し出した。


真月「このカードをキミに預ける。」

遊馬「え――――?」

真月「きっとキミの力になってくれるだろう……。」

遊馬「5枚も……」


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 真月からカードを受け取る遊馬。渡されたのは4枚のモンスターと1枚の魔法カード。どれもテキストが長くてその場では何に使うのかわからない。


遊馬「これも……バリアンのカード?」


 もしやと思って遊馬は訪ねてみた。モンスターの名前にバリアンの「V」が刻まれていたのだ。


真月「―――。」


 真月はその問いに黙って頷く。


真月「わかっているとは思うが、そのカードの事もアストラルには秘密にしていてくれたまえ、いいね?」


 念を押すように真月は遊馬に言った。まるでそれが一番の重要事項であるかのような物言いだ。


遊馬「あぁ…。でも真月、もうそろそろアストラルのやつには言ってもいいんじゃ――――」


 先日のカップルデュエルで「RUM」を遊馬が使った時、アストラルは驚きを超えて怯えているように遊馬には見えた。あの時、ギラグから奪ったと嘘をついた遊馬は、今でもその時の罪悪感を感じていた。


真月「だめだ!今、ワタシの正体がバレたらアストラルを危険な目にあわせてしまうことになるんだ!」

遊馬「アストラルを―――――――!」

真月「必ず、全てを話す時が来る……。それまではワタシを信じてくれ。」


 無意識に遊馬は、王の鍵を握り締めた。冷たい金属の感触に確かな鼓動を感じる。


遊馬「わかったであります!真月警部!」

真月「頼んだぞ、遊馬巡査!」


 そう言って真月はベクターと同じように異次元の中へ消えていった。あとに残った遊馬は、消えていく異次元への扉と5枚のカードを見つめていた。










 突如現れた5人目のバリアン・ベクター。真月が追っていたというその凶悪な本性が、遊馬とアストラルを引き裂こうとする!!
























第94話「真月の危機!暗躍者ベクターの襲撃」








ミザエル『九十九遊馬に敗れ、人間界で深い傷を負ったアリトとギラグ…。未だ目を覚まそうとしない……。』


 遊馬たちが住む人間界、アストラルがやってきたアストラル世界。そして、その2つを狙う影の異世界・バリアン世界。

 遊馬のナンバーズを狙って幾度も攻めてきたアリトとギラグ、しかし二人は遊馬に敗北し未だに意識を取り戻せないまま眠っていた。


ドルべ『ミザエル、こうなったら我ら二人で決着を―――――』

『ハハハハハハハ!!!』

ドルベ『―――!?』

ミザエル『――――。』


ベクター『どぉしたぁ?湿気た面並べて、懺悔でもしようってか?』


 二人の先にある玉座らしき所に、先ほどまで真月と戦っていたベクターが現れた。笑いを堪えているかのような、震えた声で二人を見下ろしている。


ベクター『フフフフフフフフ。このベクター様が聞いてやろうか?』


ミザエル『お前は―――!』

ドルベ『ベクター。』


ベクター『あーあー、ザマぁねえなー。力及ばずなんの結果も残せませんでしたー!許してくださいってかー!?ハハハハハハハ!!!』


 不協和音のように不気味に響く笑い声が辺りを支配する。ベクターは水晶のような結晶体の中で眠る二人を嘲笑いながら、さも楽しそうに言う。


ベクター『許してやるよ!!!!アハハハハハハハハハハハ!!!!』


ミザエル『―――――!!!』


 その一言は、アリトとギラグの戦いを間近で見てきたミザエルには耐え難い侮辱だった。思わずその左手がベクターに向けられる。


ドルベ『―――――――。』


 ミザエルの手がベクターの仮面を叩き割ろうとした刹那、ドルベが既のところでミザエルの腕を掴んで止めた。


ドルべ『やめろミザエル。』


ミザエル『くっ――――――!!!!』


ベクター『ヒヒヒヒヒ』


ドルべ『今は我々が争っている場合ではない。』


ミザエル『――――――次は止めない』


 歯を食いしばるように言いながら、ミザエルはベクターに向けた拳を下げた。


ベクター『そりゃどうも』


ドルベ『ベクター、相変わらずきまぐれに現れるな。 Dr.フェイカーとトロンを利用し、アストラル世界を潰す君の計画。だが遊馬とアストラルに阻まれてしまった……。失敗の責任も取らず、どこへ雲隠れしていた?』


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ベクター『へっ!失敗なんかじゃねぇ。これも計画の内よ。遊馬、アストラル、カイト、凌牙。奴ら4人を一気に叩く最終決戦のな!万に一つのしくじりもねぇ…! お前らも賭けろ!!この俺に全てを!!』

ミザエル『誰が貴様の策など――――!!!』


 ベクターの物言いに怒りがこみ上げるミザエル。しかし、それをドルベが静止する。


ドルべ『わかった。ただし、二度と勝手な真似はするなよ。もしまたそのようなことがあれば、このワタシが―――――!!』


 ミザエルの気持ちを受け取ったのか、今度はドルベがぎゅっと拳を握り締めた。それを聞いていたのかいないのか、ベクターは両手を広げて一層大声で雄叫びを上げるように笑った。


ベクター『ヒヒヒヒヒヒヒヒ―――――!!!さぁ!!よからぬ事を始めようじゃあないか!!!!』






















 真っ青な空。ぼんやりと浮かぶ太陽。そこに、真月から受け取った5枚のカードを重ねる遊馬。改めてテキストを読み返してみたが、その効果は「ZW」と同じ、「ホープ」を強化するカード達だった。


遊馬「真月から貰ったこのカードとホープレイVがあれば、まさに無敵だぜ…!よっしゃ!早速このカードでバリアン退治――――っと!?」

小鳥「なあにハリキってるのよ?」

遊馬「うぉあ!?こ、小鳥!?」

キャッシー「ワタシ達にナイショで」

鉄男「何コソコソしてんだよ」

委員長「トドのつまり遊馬くんは」

徳之助「隠し事はできないウラ!」

遊馬「ああぅ……」



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 とは言ったものの、小鳥たちに本当の事は言えず、ベクターという新たなバリアンが現れたところだけを誤魔化しながら説明した。その結果、遊馬は放課後、ベクター探しをするハメになってしまった。



鉄男「おーい!出てこーい!」

徳之助「バリアンどこウラかー!」

キャッシー「バリアンなんてワタシがキャット!倒しちゃうんだから!」

遊馬「ったく、何でコイツら連れてパトロールしなきゃなんないんだよ…」

小鳥「みんな遊馬の力になりたいんだよ」

遊馬「あのなぁ……」

小鳥「――!」


 遊馬が忠告しようとすると、小鳥が空の一点で目を止めた。


小鳥「あれ、何かしら?」


 ぱっと小鳥が指した場所は何も無い空だった。いや、何も無いハズだ。だけど何かがいた。野球漫画で出てくるような燃えるボールのような物体。しかし、それは野球ボールからボーリングのボールになり次第にスイカ大からさらにタイヤのようにどんどん大きくなっていく。


遊馬「え―――――!!!?」


 しかし、決してそれが大きくなっていたのではなく、燃える物体は隕石のような物凄いスピードでこちらに向かって落ちてきていた。


遊馬「うおわああああああああ!!!!?」


 直撃。身を逸らした瞬間、人の丈ほどもある燃える球は地面にぶつからずにそのままふわりと軌道を変えて遊馬を掠り、そのまま近場の建物に突っ込んだ。


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遊馬「な、なんだありゃあ……」


 爆音と共に建物の壁が抜け、反対側から勢いを全く失わないまま炎球が飛び出してきた。


そのままその先にあるビルも抜け、建物にどんどん大穴を開けながら、橋の中央の広場にいた遊馬達の目の前に球は落下した。


「うわあああああああああああ!!!!」




遊馬「小鳥――――!大丈夫か、みんな!!!」


 白煙上がる中、爆風に巻き込まれてしまった一同。


鉄男「あぁ――――」

徳之助「大丈夫ウラ……」


アストラル『何事だ遊馬!』


 外の騒ぎを聞きつけて、アストラルが鍵から姿を現す。周りには穴の空いたビルやマンション。地面は一部大きく抉れ、広場の中央にはクレーターが出来ていた。


遊馬「あぁ、それが―――――」


『ヒャハハハハハハハハハハアハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!』


遊馬「――――!?」

アストラル『―――――!!』


 寄生にも似た笑い声が辺りを包んだ。仮面の下から笑っているハズなのに、その声は妙に耳元に響く。


アストラル『お前は―――――!!』


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 クレーターの中心でふわりと浮かぶ影。一目見てアストラルは状況を理解した。


ベクター『我が名はベクター。バリアン最強の戦士だぁ!』

遊馬「ベクターってあの―――――!」


 昨日の真月の言葉が遊馬の頭に過ぎった。凶悪なバリアン・ベクター。


ベクター『九十九遊馬ぁ!アストラル!貴様ら諸共この世界をぶっ潰しに来たぜぇ!!』


遊馬「なんだとぉ!!」

アストラル『遊馬!みんなを!』


遊馬「あぁ!みんな、逃げろ!」


小鳥「うん!」



ベクター『ヒャハハハハハ!!バリアンズ・スフィア・フィールド展開!!!』


 禍々しい空間が辺りを包む。擬似的にバリアン世界を再現する空間。


小鳥「遊馬―――――!」


ベクター『ウ――――フフフフフフフ!!お前らとデュエルするのは久しぶりだなぁ…!』

遊馬「何が久しぶりだ!?オレはお前のことなんか知らね―――」

ベクター『忘れちまったのかよぉ!!!Dr.フェイカーの身体を奪って、お前達と楽しぃぃデュエルをしたじゃねぇか!!』


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遊馬「―――――じゃあ、お前がDr.フェイカーを操っていた……」

アストラル『バリアンだと言うのか…!?』


 その昔、ハルトに力を与えアストラル世界を攻撃し、Dr.フェイカーを操りナンバーズを回収させる。強大な力と引き換えにアストラル世界崩壊を目論んだ首謀者こそ、ベクター本人だと言うのだ。


ベクター『覚えていてくれて光栄だぜぇ!!全てを徹底的に叩き潰してやる!!アストラル世界だけじゃねぇ!この世界も、全てなぁ!!!』


遊馬「何――――!」

アストラル『この世界までも……』

遊馬「ふざけるな!!お前の好きにさせてたまるか!!」




「デュエルディスク、セット!!」


「Dゲイザー、セット!!」



ベクター『さぁ!よからぬことを始めようじゃあないか!!!』


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『「デュエル!!!」』



ベクター『先攻は俺が貰うぜぇ!俺のターン、ドロー!』


○『俺は《アンブラル・グール》を召喚!!』


《アンブラル・グール》
☆4/闇属性/悪魔族/ATK1800/DEF 0
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードの攻撃力を0にし、手札から攻撃力0の「アンブラル」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。


○『そして《アンブラル・グール》の効果発動!!このモンスターの攻撃力をゼロにすることで、手札から攻撃力0の「アンブラル」モンスターを特殊召喚することができる!!』


《アンブラル・グール》
ATK1800→0


『来い!!《アンブラル・アンフォーム》!!』


《アンブラル・アンフォーム》
☆4/闇属性/悪魔族/ATK 0/DEF 0
このカードの攻撃によってこのカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキから「アンブラル」と名のついたモンスター2体を特殊召喚できる。「アンブラル・アンフォーム」の効果は1ターンに1度しか使用できない。


アストラル『来るぞ、遊馬!』

遊馬「――――!」



○『俺は、レベル4の《アンブラル・グール》と《アンブラル・アンフォーム》でオーバーレイ!!!』


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『2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!』


『来い!《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》!!!!』


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《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》
ランク4/闇属性/昆虫族・エクシーズ/ATK2500/DEF 800
闇属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、このカード以外の自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、選択したカードはカードの効果では破壊されない。フィールド上のこのカードが破壊された場合、代わりに選択した自分のカード1枚を墓地へ送る事ができる。



遊馬「早速ナンバーズのお出ましかよ――!」

アストラル『マスター・キ−・ビートル……』


○『さぁらに俺は、永続魔法《魔導の封印櫃》を発動。このカードは相手のデッキからカードを1枚選択し、封印櫃に納める。』


《魔導の封印櫃》
永続魔法
相手のデッキからカード1枚を選択して発動できる。選択したカードをこのカードの下に置く。その後、相手のデッキをシャッフルする。このカードがフィールド上から離れた時、そのターンのエンドフェイズ時に、選択したカードを相手の手札に加える。


遊馬「何!?」


ベクター『フ。九十九遊馬、お前が我らバリアンのカードを持っていることは知っている。』


アストラル『――――――。』

遊馬「――!」


○『俺は貴様の“リミテッド・バリアンズ・フォース”のカードを封印する!!!』


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遊馬「リミテッド・バリアンズ・フォースが!!?」


アストラル『ランクアップを封じられた!?』

遊馬「これじゃあ、ホープレイVが……」


○『さぁいくぞ!!マスター・キー・ビートルの効果発動!!オーバーレイユニットを1つ使い、フィールドにあるカードを1枚選び、敵のあらゆる破壊効果からそのカードを守る!!俺は《魔導の封印櫃》を選択!!』


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遊馬「く――――。リミテッド・バリアンズ・フォースをがんじがらめにしやがって―――――!!」


アストラル『それほどまでに、ヤツもあのカードを恐れているということか。』

○『俺はカードを1枚伏せてターンエンド!』


ベクター『あのカードさえ無ければ、お前達に勝目は無いぜぇ?ヒャーーーハハハハハッハハハハハッハハハッハハハッハハ!!!!!』




小鳥「―――――遊馬」


ベクター『あれれぇ?どうしたぁ?さぁ、来いよぉ?』


遊馬「――――、オレのターン、ドロー!!」


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●「オレは、《ガガガマジシャン》を召喚!!」


《ガガガマジシャン》
☆4/闇属性/魔法使い族/ATK1500/DEF1000
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動する事ができる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルとなる。
(アニメ効果)


●「さらに魔法カード《ガガガウィンド》を発動!!手札のガガガモンスター1体のレベルを1つ上げて、特殊召喚する!!」


《ガガガウィンド》
通常魔法
「ガガガ」と名のついたモンスター1体を手札から特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルを1つ上げる。


●「来い、《ガガガガール》!!!」


《ガガガガール》
☆3/闇属性/魔法使い族/ATK1000/DEF800
このカードがこのカード以外の「ガガガ」と名のついたモンスターと共にエクシーズ召喚の素材となった時、相手フィールド上に存在するモンスターエクシーズ1体の元々の攻撃力を0にする事ができる。
(※アニメ効果)


《ガガガガール》
☆3→4


徳之助「遊馬も来たウラ!」

キャッシー「喉が鳴る〜!」

小鳥「いっけー!遊馬!!」



●「オレは、レベル4の《ガガガマジシャン》と《ガガガガール》でオーバーレイ!!!」


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「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」


●「出てよ!!《No.39 希望皇ホープ》!!!」


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《No.39 希望皇ホープ》
ランク4/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF2000
レベル4モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
(※アニメ効果)



ベクター『「RUM」の無いホープ……。進化のねぇ希望ってヤツかー!?ハハハハハハ!!!』


遊馬「く―――――!」


アストラル『遊馬、《ガガガガール》の効果だ』


●「おう、オレはエクシーズ素材となった《ガガガガール》の効果発動!!相手モンスターの攻撃力を0にする!!」


「“ゼロゼロコール”!!!」


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《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》
ATK2500→0


ベクター『何ぃ!?マスター・キー・ビートルの攻撃力が――――!!』


●「いっけぇ、ホープ!!マスター・キー・ビートルをぶち壊せ!!」


「“ホープ・剣・スラッシュ”!!!!」


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ベクター『ぐああああああああああ!!!!!』



ベクターLP4000→1500


○『マスター・キー・ビートルの効果発動!このモンスターが効果を使ったカードを墓地に送る事により、マスター・キー・ビートルの破壊を無効にする!!壊れろ、《魔導の封印櫃》!!』


ベクター『そして復活せよ、マスター・キー・ビートル!!!!』


○『封印されていたカードは、このターンの終わりにお前の手札に戻る。』


遊馬「よっしゃ!これでカードが戻ってくるぜ!」


アストラル『(――――おかしい。リミテッド・バリアンズ・フォースをこんなに簡単に手放すのか……?)』



○『罠発動!《罪鍵の法−シン・キー・ロウ》!!!このカードは、バトルによる破壊を無効にした時発動し、「アンブラル・ミラージュ・トークン」3体を特殊召喚する!!!』


《罪鍵の法−シン・キー・ロウ》
通常罠
自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する、「戦闘では破壊されない効果」によって破壊されなかったモンスター1体を選択して発動できる。「アンブラル・ミラージュ・トークン」(悪魔族・闇・星1・攻?/守0)3体を自分フィールド上に特殊召喚する。このトークンの攻撃力は選択したモンスターと同じ数値になる。選択したモンスターがフィールド上から離れた時、このトークンを全て破壊する。


遊馬「な、なんなんだ……」

アストラル『これは―――――』


○「このトークンの攻撃力は、破壊を無効にしたマスター・キー・ビートルと同じ攻撃力になる!」


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《アンブラル・ミラージュ・トークン》×3
ATK0


遊馬「攻撃力0じゃねぇか!」


アストラル『いや、ヤツのことだ。恐らく何か考えが…。』


●「――――オレはこれでターンエンドだ!そして、リミテッド・バリアンズ・フォースはオレの手札に戻る!!」


遊馬「よし、このカードがあれば……!」


アストラル『……気を抜くな遊馬、来るぞ!』



ベクター『フフフフフフフフフフ!!!!――――――――楽しませてやるよ。 俺のターン、ドロオオオ!!!!』


○『手札から魔法カード《アンブラル・リフレッシュ》を発動!!攻撃力が変化しているモンスター1体の攻撃力を元に戻す!!』


《アンブラル・リフレッシュ》
通常魔法
攻撃力が変化しているモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力は元々の数値になる。また、この時変化した数値分だけ自分のライフポイントを回復する。


ベクター『マスター・キー・ビートルの攻撃力は2500になる!!』


《No.66覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》
ATK0→2500


○「そして、戻した数値分自分のライフを回復する!!!」


ベクターLP1500→4000


遊馬「ちょ!!なんだよそれって――――!!」


○『さ・ら・に〜〜〜〜、3体のミラージュ・トークンの攻撃力もマスター・キー・ビートルと同じ2500となる!!!』


《アンブラル・ミラージュ・トークン》×3
ATK0→2500


遊馬「攻撃力2500のモンスターが4体!?」


○『フフフフフ。俺は2体の「アンブラル・ミラージュ・トークン」でホープを攻撃!!!』


遊馬「へ!ホープの攻撃力は2500で同じ、しかもナンバーズはナンバーズで無いと破壊できないんだよ!」


アストラル『遊馬、攻撃を防ぐんだ!』

遊馬「なに?」

アストラル『何か狙いがあるに違いない』

遊馬「わ、わかった!」


●「オレは、オーバーレイユニットを2つ使い、2体のモンスターの攻撃を無効にする!!!」


「“ムーンバリア”!!!」


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○『3体目の「アンブラル・ミラージュ・トークン」よ、いけ!!』


遊馬「コイツ……一体何を……」


アストラル『(―――――まさか)』


ベクター『希望皇ホープを攻撃!!』



 ナンバーズはナンバーズでのみ破壊が可能。もちろん、攻撃力が同じミラージュ・トークンは一方的に破壊されてしまう。


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○『この瞬間、速攻魔法《アンブラル・デス・ブラッド》を発動!!!このカードは、「アンブラル」モンスター1体が破壊された時、相手攻撃モンスターを破壊できる。』


《アンブラル・デス・ブラッド》
速攻魔法
自分フィールド上の「アンブラル」と名のついたモンスター1体が戦闘によって破壊された時に発動できる。その攻撃モンスター1体を破壊する。



ベクター『消えろ、希望皇ホープ!!』


遊馬「そ、そんな……!ホープ!!」


 無残に散った希望の戦士。全てを計算しつくしたベクターの戦略。


○『まぁだだ!!!マスター・キー・ビートルでダイレクトアタック!!!』


「“キー・ブラスト”!!!」



遊馬「ぐあああああああああああああああああああ!!!!!」



遊馬LP4000→1500




○「俺はこれでターンエンドだ。フフフフフ、グズグズしてていいのか?」


遊馬「何!」


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ベクター『直にこのスフィア・フィールドが、この街を全部飲み込んじまうかもしんねぇぞ!ヒャハハハハハハハハハ!!!!』



遊馬「くそ……!」

アストラル『ヤツのフィールドにはモンスターが3体……。だが、我々のフィールドには……』


遊馬「くっ、ホープがいねぇとランクアップもできねぇ……!」


真月「遊馬くん!」


遊馬「―――――!」


小鳥「真月くん!?」


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遊馬「真月……。」


ベクター『貴っ様――――!』


 突如現れた真月。遊馬に目配せし、渡したカードを思い出させる。


真月「遊馬くん、諦めちゃだめだ!デッキを、デッキを信じて!!!」


遊馬「(――――そうか、真月がくれたあのカード……。)」


アストラル『――――?』


遊馬「かっとビングだ!!!オレぇ!!!」


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「オレのターン、ドロー!!!」



遊馬「きったあああああああああああ!!!」


真月「――――。」


遊馬「勝つぞ、アストラル!」


アストラル『―――!』


●「オレは《Vサラマンダー》を召喚!!!」


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《Vサラマンダー》
☆4/炎属性/魔法使い族/ATK1500/DEF1300
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地から「No.39 希望皇ホープ」1体を特殊召喚できる。このカードは装備カード扱いとして自分フィールド上の「V」と名のついたモンスター1体に装備、または1ターンに1度、装備を解除して特殊召喚できる。装備モンスターがモンスターエクシーズで、エクシーズ素材を取り除く事で効果を発動する場合、その効果対象は相手フィールド上の全てのモンスターになる。さらに、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力の合計分のダメージを相手ライフに与える。


●「《Vサラマンダー》が召喚に成功した時、墓地から希望皇ホープを特殊召喚することができる!!!」


ベクター『なに!?ホープを復活させるカードだと!?』


●「蘇れ!!希望皇ホープ!!!」


ベクター『く――――!』


●「そして、《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》を発動!!!」


《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のランク4以下のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高い「C」と名のついたモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。
(※アニメ効果)



●「このカードは、モンスターエクシーズをカオス・エクシーズに進化させる!!!オレは希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築!!!」


「カオス・エクシーズ・チェンジ!!!!」



●「現れろ!《CNo.39 希望皇ホープレイV》!!!!!」


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《CNo.39 希望皇ホープレイV》
ランク5/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2600/DEF2000
レベル5モンスター×3
このカードは「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
(※アニメ効果)



ベクター『く――――!ホープレイV!?』

●「さらにオレは《Vサラマンダー》の効果を発動!!ホープレイVにこのモンスターを装備!!!」


「“サラマンダー・クロス”!!!!」


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 燃え上がる炎に包まれて、更なる進化を遂げるホープ。漆黒に包まれたボディに真紅の鎧が良く映える。


アストラル『―』


●「いくぜ!オレはホープレイVの効果を発動!!!カオスオーバーレイユニットを1つ使い、フィールド上のモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える!!!」


ベクター『く―――!だが、俺のフィールドにはモンスターが3体いる!!』


●「さらにオレは《Vサラマンダー》の効果発動!!!ホープレイVの効果対象を相手フィールドの全てのモンスターとする!!!」


ベクター『何いいぃぃ!!!!?全てのモンスターだと!!!!』


遊馬「お前のフィールドには、攻撃力2500のモンスターが3体!!!つまり、7500のダメージだあああああああああ!!!!」



●「いっけぇ、ホープレイV!!!!」


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「“Vサラマンダー・インフェルノ”!!!!!」



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ベクター『バカな!!!?俺のモンスターがあああああああああああああああああああああああああ!!!!!』



ベクターLP4000→0


 勢い良く叩きつけられるベクター。一撃必殺のダメージを追い、その身体には極大の痛みが走る。




遊馬「――――よっしゃあ!勝ったぜえ!!」


真月「――――。」


小鳥「やったぁ!」


キャッシー「キャットきちゃう〜〜!」



アストラル『……。』


 勝利の余韻に浸る中、漆黒のホープを見つめるアストラル。



アストラル『(《Vサラマンダー》。なんというカードだ)』



遊馬「どうだぁ!俺とアストラルの力、思い知ったか!!」


ベクター『ハハハハハ!!!!』


20130314141825


 笑い声を上げて不気味に起き上がったベクター。同時に左手を掲げて遊馬に向ける。青白く発光した左手は、カイトのフォトンハンドのように遊馬の体を狩り取ろうとその手を伸ばした。


遊馬「―――――!!!」


真月「遊馬くん!!!!」


遊馬「真月!!?」


 その瞬間、遊馬の目の前に飛び出した真月。ベクターはそのまま伸ばした手で真月を握り締めた。


真月「遊馬くん!!!よかれと思って……」


遊馬「真月!!!」


ベクター『ハハハハハ!!ワタシが貴様らに敗北など有り得るものか!貴様の代わりにコイツを頂いていく。』


20130314141829


遊馬「てめぇ!!!」


 仮面の下の歪んだ表情がアストラルに向けられた。ベクターは一枚のカードをその手に持ち、アストラルに向かって投げた。


アストラル『これは――――?』


ベクター『コイツを助けたければカードに聞くんだなぁ……!』


 そう言いながらベクターは、自分と真月の体を異次元空間に埋めていた。


アストラル『ナンバーズ66――――――』


20130314141836


ベクター『そいつが俺達の再会への鍵(キー)となる。』


真月「遊馬くん!!!」


遊馬「真月!!!!しんげつうううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!」



 伸ばした遊馬の手は無情にも空気を握り締めただけだった。そこにいたハズの真月はベクターに攫われてしまった。



遊馬「真月!どこだ!!どこ行ったんだよ!!!真月―――――――――!!!!!!」




 攫われた真月。ベクターの計画。新たな世界への扉はすぐそこまで迫っていた。



20130314141901

次回、「いざ決戦の地へ!皇の鍵の飛行船、発進!!」




















 
 

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