03/05の日記
13:59
第93話 「献身的な愛 遊馬に託したラストドロー!!」(アニメ:遊戯王ZEXALII)
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遊馬「アンナあああああ!!!」
アンナ「きゃあああああああああ!!!」
ガンガリディアから振り落とされた鋼鉄の客船がグスタフ・マックスを跡形もなく破壊する。
飛夫「ボーイ、次は君の番だ。」
○「九十九遊馬にダイレクトアタック!!!」
真月「遊馬君のライフは残り3100。それに対して、ガンガリディアの攻撃力は3400!」
《超巨大空中宮殿ガンガリディア》
ランク10/風属性/機械族・エクシーズ/ATK3400/DEF3000
レベル10モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上のモンスター1体を破壊して相手ライフを半分にする。
キヤッシー「あの攻撃を受けたら遊馬は……」
小鳥「―――――――。」
遊馬「く――――。オレのフィールドにモンスターがいれば……伏せカード《ハーフ・アンブレイク》が使えるのに――――これじゃあ……」
アストラル『―――――いや。まだ手はある』
遊馬「え――――?」
飛夫「さらばだ!!ボーイ!!」
空中宮殿から無数に突き出る砲台。天空より放たれた砲擊は屈折し、遊馬をホーミングする。
遊馬「――――――!!」
アンナ「遊馬!!!」
やってきた学園祭にやってきた超弩級少女神月アンナ。ひょんなことから遊馬はアンナに半ば拉致される形で、タッグプロデュエリスト羽原夫妻と戦えるというカップルデュエル大会に出場することになる。結婚してこの大会でデュエルをやめるという羽原海美を止めるべく、アンナは遊馬と共にタッグデュエルに挑む。
しかし、遊馬達の知らないところで第4のバリアン・ベクターが海美のデッキにあのカードを仕込んでいた……!!
第93話「献身的な愛 遊馬に託したラストドロー!!」
●「そっか!!罠発動!《ハーフ・アンブレイク》!!このカードはモンスター1体の破壊を無効とし、バトルダメージを半分にする!!」
《ハーフ・アンブレイク》
通常罠
フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、そのモンスターとの戦闘によって発生するプレイヤーへの戦闘ダメージは半分になる。
飛夫「待て!だが、キミにはモンスターが――――?」
遊馬「あぁそうさ!だからオレが《ハーフ・アンブレイク》の対象にするのは――――“ガンガリディア”だ!!!」
飛夫「何―――――――!?」
キャッシー「えぇ!?」
真月「相手のモンスターを!?」
遊馬「ぐ―――――――――!!! ……へへ、攻撃力3400は半分になっても堪えるぜ……。」
遊馬LP3100→1400
小鳥「――――遊馬……。」
アンナ「どうなってんだ?これ?」
すると、状況が飲み込めていないアンナに解説するように、飛夫は《ハーフ・アンブレイク》の効果を思い出して言った。
飛夫「《ハーフ・アンブレイク》は本来なら攻撃された自分のモンスターの破壊を無効にし、ダメージを半分にするカード。だが、彼のフィールドにはモンスターがいなかった。」
飛夫の解説に海美も合わせる。
海美「だから、敵であるガンガリディアを対象に発動させ、自分が受けるダメージを半分にする効果だけを使ったというのね。」
飛夫「ったく、なんてボーイだ。」
遊馬「へへ…。」
○「ワタシはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
遊馬「いっくぜえ!オレのターン、ドロー!!」
●「オレは《ドドドウォリアー》を召喚!!このモンスターは攻撃力を500下げることで、リリースなしで召喚できる!!」
《ドドドウォリアー》
☆6/地属性/戦士族/ATK2300/DEF 900
このカードはリリースなしで召喚できる。この方法で召喚したこのカードの元々の攻撃力は1800になる。また、このカードが攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで相手の墓地で発動する効果は無効化される。
●「続いて、魔法カード《エクシーズ・レセプション》を発動!!!このカードは、相手フィールドにのみモンスターエクシーズがいる時、自分フィールドのモンスターと同じレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚できる!!」
《エクシーズ・レセプション》
通常魔法
相手フィールド上にモンスターエクシーズが存在し、自分フィールド上にモンスターエクシーズが存在しない場合、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターと同じレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効になる。
●「現れろ!!《チャッチャカアーチャー》!!!」
《チャッチャカアーチャー》
☆6/風属性/戦士族/ATK1200/DEF1800
1ターンに1度、フィールド上に存在する魔法・罠カードを選択して破壊する。この効果を使用しなかった場合、そのターンのエンドフェイズ時にこのカードを破壊する。
(※アニメ効果)
●「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力は0となり、効果は無効となる!」
《チャッチャカアーチャー》
ATK1200→0
DEF1800→0
飛夫「レベル6のモンスターが2体……」
海美「来るわよ、ダーリン。」
●「オレはレベル6の《ドドドウォリアー》と《チャッチャカーチャー》でオーバーレイ!!」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
「熱き魂を引き絞り、狙いを付けろ!!《ガントレット・シューター》!!!!」
《ガントレット・シューター》
ランク6/地属性/戦士族・エクシーズ/ATK2400/DEF2800
レベル6モンスター×2
自分のメインフェイズ時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを破壊する。
アンナ「なぁんだー。ランク6?オレのグスタフ・マックスはランク10だぜ?」
《ガントレット・シューター》を見るなりバカにしたように言うアンナ。
遊馬「おめぇのはやられちまっただろうが!」
アンナ「なんだとー!終わったことグチグチ言ってんじゃねぇよ!」
海美「―――――――。」
二人の言い合いを見つめる海美。それはプロデュエリストの目。
アストラル『遊馬、無益な争いをしている場合ではない。』
遊馬「―――――あぁ。」
●「オレは魔法カード《エクシーズ・トレジャー》を発動!!フィールドにいるモンスターエクシーズ1体につき、1枚カードをドローする!」
《エクシーズ・トレジャー》
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズの数だけ、自分のデッキからカードをドローできる。
遊馬「フィールドにはモンスターエクシーズが2体。よってオレは2枚カードをドローする!!」
●「さらにオレは《ガントレット・シューター》の効果発動!!オーバーレイユニットを1つ使い、モンスター1体を破壊する!!!」
真月「よし!これならガンガリディアを倒せる!!」
遊馬「撃ち抜け!!《ガントレット・シューター》!!狙いは《超巨大空中宮殿ガンガリディア》だ!!」
○「罠発動!!《エクシーズ・コート》!!このカードはモンスター1体をこのターンバトルでもカードによる効果でも破壊できないようにする!」
《エクシーズ・コート》
通常罠
フィールド上のモンスターエクシーズ1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘及びカードの効果では破壊されない。
アストラル『―――!これでガンガリディアの破壊は無効か…。』
小鳥「あぁ…」
キャッシー「ざんにぇ〜ん」
飛夫「助かったよ。ハニー!」
海美「ガンガリディアは、私とダーリンとの愛の結晶。守るのは当たり前よ」
飛夫「うん!」
遊馬「く――――!まだオレの攻撃は終わってないぜ!!」
●「《ガントレット・シューター》で海美プロにダイレクトアタックだ!!」
○「罠発動!!《エクシーズ・ムーブ》!!このカードは自分フィールドのモンスター1体のコントロールを味方に渡し、バトルを終了させる!!」
《エクシーズ・ムーブ》
通常罠
相手のバトルフェイズ中に発動できる。自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体のコントロールを相手プレイヤーに移し、バトルフェイズを終了する。
遊馬「く――――!《ガントレット・シューター》の攻撃が……」
海美「助かったわダーリン!」
飛夫「キミを守るのはボクの役目さ」
海美「ダーリン……!」
小鳥「キャー!素敵――――!!」
キャッシー「キャー!素敵――――!!」
アストラル『――――。互いに相手をフォローする絶妙のコンビネーション……。』
惚気る夫婦を前に冷静に分析するアストラル。
●「くっそ〜〜〜!オレはカードを1枚伏せて、ターンエ」
アンナ「ちょっと待ったぁ!!!」
遊馬「あひ!?」
●「罠発動!!《グレード・アップ》!!!このカードはモンスターエクシーズ1体をリリースして発動できる!!」
《グレード・アップ》
通常罠
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体をリリースして発動する。自分の墓地のモンスターエクシーズ1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはカードの効果では破壊されず、攻撃力は600ポイントアップする。
アンナ「オレは《ガントレット・シューター》をリリース!!」
遊馬「え、うお、ちょっと待―――」
アンナ「そして、自分の墓地からモンスターエクシーズ1体を特殊召喚できる!!」
●「現れろ!!《超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス》!!!!」
《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》
ランク10/地属性/機械族・エクシーズ/ATK3000/DEF3000
レベル10モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手ライフに2000ポイントダメージを与える。
●「さらに《グレード・アップ》の効果で攻撃力は600アップだ!!!」
《超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス》
ATK3000→3600
アンナ「どうだ!これでガンガリディアの攻撃力を上回ったぜ!おまけに、この効果で特殊召喚したモンスターはカード効果では破壊されない。」
遊馬「アンナ!お前またオレのモンスターを勝手に――――!!」
アンナ「お前の《ガントレット・シューター》じゃガンがリディアに勝てねぇだろ?」
遊馬「ちょっと待てよ!!オレにだってタク……タク………?」
アストラル『タクティクス(戦術)だ。』
遊馬「そう!タクティクスがあんだよ!!」
アンナ「なんだそれ?そんなの食ったことねぇぞ? ともかく、ここはごちゃごちゃ言わずに俺に任せとけ!」
遊馬「任せられるかっつーの!!」
海美「(アンナちゃん……。なんにもわかってない……。デュエルは互いの心と心を通わせるもの。私も幾多のデュエルを経て…それで飛夫さんと―――。アンナちゃんにデュエルを教えて欲しいって言われた時、私はいつかアンナちゃんにもデュエルを通して心を通わせる相手ができることを期待していた……。)」
「(そう。我が身を犠牲にするあのカードを使っても惜しくない人と出会い、人生のタッグデュエルを共にプレイしていけるよう……。なのに、なのに今のアンナちゃん……)」
遊馬「だいたいお前がオレのモンスターを勝手に使うから……」
アンナ「いいだろ、そういうルールなんだから!!」
遊馬「ぐ―――――!!オレはこれでターンエンドだっ!!」
海美「私のターン、ドロー!!」
アンナの身勝手なデュエルを見て海美は心を焦らせた。その隙間に、あのカードがついに現れる。
『アンナ……何にもわかってない……。それなら……』
一瞬。海美の引いたカードが光ったように見えた。すぐに光は収束したが、次の瞬間、海美の額にはバリアンの紋章が浮かび上がっていた。
海美「私がわからせてあげるわ。」
○「私は《RUM−バリアンズ・フォース》を発動!!!」
《RUM −バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高いモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。この効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズは「戦闘では破壊されない効果」を無効にし、相手フィールド上に存在するモンスターエクシーズ1体を選択して、選択モンスターのエクシーズ素材全てを、このカードの効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズの下に重ねてエクシーズ素材とする。選択モンスターの攻撃力は、この効果で奪われたエクシーズ素材の数×300ポイントダウンする。
遊馬「バリアンズ・フォースって……!?」
アストラル『では……彼女もバリアンに――――!?』
小鳥「そんな……」
アストラル『遊馬、このデュエル敗けるわけにはいかないぞ!』
遊馬「あぁ――――――――。」
飛夫「ハ、ハニー?その額はいったい……。それにそんな魔法カード、一体いつデッキに…?」
海美の突然の変貌ぶりに狼狽する飛夫。しかし、そんな飛夫の心配をよそに、海美はプレイを続行する。
○「……。このカードは自分のモンスターエクシーズをランクアップさせ、「CX」1体を特殊召喚する!!!」
海美「私はレベル10のガンガリディアでオーバーレイ!!!」
「1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!!!」
「混沌より生まれしバリアンの力。愛の宮殿が今生まれ変わる!!!現れろ《CX 超巨大空中要塞 バビロン》!!!!」
《CX 超巨大空中要塞バビロン》
ランク11/風属性/機械族・エクシーズ/ATK3800/DEF4000
レベル11モンスター×3
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、その攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。このカードが「超巨大空中宮殿ガンガリディア」をランクアップしてエクシーズ召喚に成功した場合、以下の効果を得る。1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
遊馬「!?」
アストラル『――――――。』
飛夫「これはいったい……。」
アンナ「なんだ…このモンスター……。」
○「私はバビロンの効果発動!!カオス・オーバーレイユニットを1つ使い、1ターンに2回攻撃することができる!!」
「“マルチプル・ランチャー”!!!!」
アストラル『マズイぞ遊馬。アンナの残りライフは2000。グスタフ・マックスを破壊され、さらにダイレクトアタックを受ければ…彼女は終わりだ』
海美「覚悟なさい!!バビロンでグスタフ・マックスを攻撃!!!!」
アンナ「く――――!!」
「“デステニー・バスター”!!!!」
●「罠発動!!《逆さ眼鏡》!!!このカードは、ターンが終わるまでフィールドにいる全てのモンスターの攻撃力を半分にする!!!」
《逆さ眼鏡》
通常罠
このターン終了時まで、フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は半分になる。
《CX 超巨大空中要塞 バビロン》
ATK3800→1900
《超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス》
ATK3600→1800
アンナ「ぐ――――――!!!」
アンナLP2000→1900
アンナ「遊馬……。なんで俺のために……」
遊馬「なんでって、タッグパートナーを助けるのは当たり前だろ?」
海美「小賢しい真似してくれるじゃない!だったら―――――」
○「バビロンの効果発動!!!このカードがバトルで相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!!」
海美「900のダメージを受けなさい!!」
「“セカンダリー・ディザスター”!!!!」
アンナ「うわああああああああああああああ!!!!」
遊馬「アンナ!!!」
アンナLP1900→1000
海美「まだ終わりじゃない。私はもう一度攻撃できる。」
アンナ「く――――、うぅ……」
○「これでトドメよ!!バビロンでダイレクトアタック!!!」
アンナ「――――――!!」
思わず目を閉じた。アンナは思った。敗けるのがこんなに怖いなんて。
●「オレは手札から《ジェントルーパー》の効果発動!!!このモンスターは相手が攻撃してきた時、手札から攻撃表示で特殊召喚できる!!」
《ジェントルーパー》
☆4/光属性/爬虫類族/ATK1200/DEF1000
相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを手札から特殊召喚できる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃できない。
遊馬「そして、《ジェントルーパー》がフィールドにいる時、相手モンスターは《ジェントルーパー》を攻撃しなければならない!!」
遊馬「ぐああああ!!!」
遊馬LP1400→700
海美「パートナーを庇って身代わりとは泣かせるわねぇ……!」
○「バビロンの効果発動!!相手モンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!!!」
「“セカンダリー・ディザスター”!!!!」
遊馬「ぐああああああああああああ!!!!」
遊馬LP700→100
アンナ「遊馬!!!!」
○「私はカードを1枚伏せてターンエンド!」
海美「これで《逆さ眼鏡》の効果は消えるわ。」
《CX 超巨大空中要塞 バビロン》
ATK1900→3800
アンナ「く―――――。俺のターン、ドロー!!――――――――!!」
引いたカードは《献身的な愛》。自らを犠牲にし、相手に全てを託すカード。
●「俺は《無頼特急バトレイン》を召喚!!」
《無頼特急バトレイン》
☆4/地属性/機械族/ATK1800/DEF1000
1ターンに1度、相手ライフに500ポイントダメージを与える事ができる。
●「バトレインで飛夫プロにダイレクトアタック!!」
○「罠発動!!《エクシーズ・ムーブ》!!このカードの効果で私はバビロンのコントロールを飛夫さんに渡し、バトルを終了させる!!」
飛夫「―――――。」
アストラル『例え片方がバリアンに洗脳されていても、コンビネーションの良さはそのままか』
●「くっそー!ならば、バトレインの効果発動!1ターンに1度、相手に500ポイントのダメージを与える!!」
「“トレイン・レイン”!!!」
海美「う―――――!!!」
海美LP3000→2500
海美「―――――悪あがきを……。ねぇ、こういうのなんていうか知ってる?焼け石に水って言うのよ。」
アンナ「……。」
海美「見てごらん、あなたのパートナーの姿を……。可哀想に、今にも倒れる寸前じゃない。あなたを助けるために手札も使い切り、守備モンスターもいない。」
アンナ「…。」
海美「良く見ておくのよ。次のターン、あなたのパートナーが私達の愛の結晶で無残に、徹底的に、完膚なきまでに潰されるのを―――――!!!」
飛夫「お、おいハニー。何もそこまで……」
豹変した海美の様子に、さすがに止めに入る飛夫。しかし。
海美「ダーリンは黙ってて!!!」
アンナ「(…………遊馬)」
●「俺はカードを伏せてターンエンド!」
飛夫「ワ、ワタシのターン、ドロー!」
海美「ダーリン!!私達の愛の力、見せてやるのよ!!」
飛夫「あ……あぁ……。」
○「ワタシはカオス・オーバーレイユニットを1つ使い、バビロンの効果発動!!!」
「“マルチプル・ランチャー”!!」
○「そして、ボーイにダイレクトアタック!!!」
真月「このままじゃ遊馬君は―――――――!!」
アンナ「―――――――。」
『今はまだわからなくても、そのカードの意味がいつかわかる時がくるわ』
あの時、海美はアンナにそう伝えた。プロデュエリストとして海美がたどり着いた1つの幸せ。それが、あのカードの本当の意味。自らを犠牲にしてでも、相手に尽くす思いやりの心。
アンナ「――――――!!」
●「速攻魔法《献身的な愛》発動!!!」
《献身的な愛》
速攻魔法
発動ターン、バトルフェイズを終了し相手はカードを1枚ドローする。このターンのエンドフェイズに自分のライフポイントを0にする。
海美「!!?」
小鳥「え、愛!?」
キャッシー「え、愛!?」
●「このカードは、このターンの終わりに自分のライフを0にするのと引き換えにバトルを終了させ、相手にカードを1枚ドローさせる……」
遊馬「アンナ……お前…… 」
アンナ「遊馬、カードをドローするのはお前だ!!!!」
遊馬「――――!」
海美「!?」
飛夫「!?」
遊馬「――――――――――」
アストラル『遊馬。』
遊馬「お、おう――――――。かっとビングだ!!!ドロー!!!」
アンナ「どうやら、いいカードをドローしたようだな……」
○「ボクはこれでターンエンドだ」
遊馬のドローと引き換えにアンナは自らのライフを0に削った。
アンナ「ぐ、あ……」
アンナLP1000→0
遊馬「アンナ!!!」
アンナ「遊馬……後はお前に、任せたぞ」
遊馬「アンナ……」
アストラル『遊馬。』
遊馬「ん――?」
アストラル『さっき君がドローしたカードはなんだ?なぜ君がバリアンのカードを持っている…!?』
遊馬がドローしたのは真月から渡された《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》。ギラグ戦ではアストラルは消耗し鍵の中に入っていたため、詳しい経緯は遊馬しか知らない。
もちろん真月がバリアン世界から来た事も話せない。
遊馬「えと、それは……ギ、ギラグからぶんどったんだよ!アイツを倒した時に手に入れたんだ!」
アストラル『だが、なぜそんなカードをデッキに―――!?』
遊馬「そ、それは……その……。」
アストラル『―――――――。』
アストラルの視線が痛い。それ以上に、真月と小鳥以外には遊馬が独り言を言っているようにしか見られないのでもっと痛い。
遊馬「と、とにかく今はデュエルだ!オレのターン、ドロー!!」
●「オレは《ガガガマジシャン》を召喚!!!」
《ガガガマジシャン》
☆4/闇属性/魔法使い族/ATK1500/DEF1000
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動する事ができる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルとなる。
(アニメ効果)
遊馬「アンナ!お前のモンスター無駄にはしねぇぜ!!」
●「オレはレベル4の《ガガガマジシャン》と《無頼特急バトレイン》でオーバーレイ!!」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!!」
「現れろ!!《No.39 希望皇ホープ》!!!!」
《No.39 希望皇ホープ》
ランク4/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF2000
レベル4モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
(※アニメ効果)
遊馬「(ホープの攻撃力は2500……。これじゃあ、バビロンには適わねぇ…。こうなったら……。)」
遊馬は最後の手札「RUM」に手をかける。
アストラル『遊馬!まさかそのカードを―――――!!』
遊馬「アストラル。例えバリアンのカードでも、デュエルに勝つためにはコイツを使うしかねぇ……!」
アストラル『だが遊馬―――――!!』
●「オレは《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》を発動!!!このカードは自分フィールドのランク4以下のモンスターエクシーズ1体を、それより1つ上の「C」と名のつくモンスターエクシーズに進化させる!!!」
《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のランク4以下のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高い「C」と名のついたモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。
(※アニメ効果)
「オレは《No.39 希望皇ホープ》でオーバーレイネットワークを再構築!!!カオス・エクシーズ・チェンジ!!!」
「混沌の力纏いて、勝利を目指せ!!進化sきた勇士が今ここに現れる!!!」
「現れろ!!《CNo.39 希望皇ホープレイV》!!!!!!」
《CNo.39 希望皇ホープレイV》
ランク5/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2600/DEF2000
レベル5モンスター×3
このカードは「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
(※アニメ効果)
アストラル『ホープレイV……。これが、ホープの進化した姿……。』
海美「ランクアップしても攻撃力は所詮2600。攻撃力3800のバビロンの敵じゃないわ!」
遊馬「は!そいつはどうかな?」
●「ホープレイVの効果発動!!!カオス・オーバーレイユニットを1つ使い、フィールド上のモンスター1体を破壊する!!!!そして、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!!」
「いっけぇ!!!ホープレイV、バビロンを破壊しろ!!!」
「“Vブレード・シュート”!!!!!」
飛夫「ぐおおおおおああああああああああああああああああああああ!!!!!」
飛夫LP3000→0
遊馬「さぁいくぜ!ホープレイVで海美プロにダイレクトアタック!!!」
「“ホープ・剣・Vの字斬り”!!!!」
海美「あああああああああああああああ!!!!」
海美LP2500→0
バリアンの力を纏ったホープの圧倒的な火力により、羽原夫妻は一瞬でライフを散らした。
それでも、衝撃で吹き飛んだ海美を、飛夫は自らのダメージを顧みずに抱きとめ、二人の夫婦愛に会場が湧いた。
ちなみに大会の実況者はなぜか遊馬達の入場までしか仕事をしなかった。
遊馬「よっしゃあああああああああああ!!!!」
小鳥「やったねー!わーいわーい!……あ。ふん!」
キャッシー「やったねー!わーいわーい!……あ。ふん!」
氷のフィールドが元のサッカーコートに戻る。ライフの影響で衰弱していたアンナもすっかり立ち直り、遊馬は一瞬会場で見ていた真月と目配せした。アストラルはなんだかムッとしていた。
飛夫「大丈夫かい?ハニー」
海美「え、えぇ……。ありがとうダーリン。」
試合が終わると海美の額の紋章が消え、デッキからもあのカードはなくなっていた。
飛夫「どうしたんだい?珍しくエキサイトしていたみたいだけど?」
海美「ごめんなさい。デュエルの途中から私、頭がかーっとなって……。いやだわ、どうしてあんなに―――――」
アンナ「やったな!遊馬!!!」
既に献身的な愛はどこへやら。いつもの調子でアンナは遊馬の背中をびたんと叩いて笑った。
遊馬「あ、あぁ……。」
アンナ「えー!?デュエルやめない!?」
海美「当たり前よ。例え何があったって、私がデュエルをやめるもんですか。」
アンナ「そんな……」
海美「ただし、ちょっとお休みするけどね。」
アンナ「それってなんで……?」
海美「だって、私達の愛の結晶が……」
そう言いながら大事そうに自分の腹部をさする海美。どうやらお腹の中にバビロンがいるようです(違)
アンナ「え!?もしかして赤ちゃん!!!」
アンナが驚いて飛夫の方を振り返ると、飛夫も満面の笑みで頷いた。
アンナ「海美ねーちゃん……。俺そんなこと全然知らなくて……。」
海美「ごめんなさいね。別に秘密にしてたわけじゃないんだけど、でもそのおかげで今日はアンナちゃんとデュエルできて楽しかったわ。」
アンナ「俺も――――!」
海美「アンナちゃんがあのカードの本当の意味をわかってくれて、嬉しいわ!」
アンナ「あ!……あれは……その……。」
海美「ほーら、愛のために―――――」
そう言って海美はアンナの両肩を掴んでくるりとUターンさせた。アンナの後ろには、飛夫と熱いデュエル談義をしていた遊馬がいた。
海美「ダイレクトアタックよ!」
アンナ「あったったったった―――――――!!!」
とん、と背中を押す海美。不意に押されてバランスを崩し、アンナは遊馬に寄りかかった。遊馬もバランスを崩して、二人は倒れる。
そうしてハートランド学園の学園祭は無事に幕を閉じた。
謎の光と共に現れた邪悪なバリアン。「RUM」を封じ、新たなナンバーズを使って遊馬を追い詰める!!
次回、「真月の危機!暗躍者ベクターの襲撃」
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