02/01の日記
16:02
第88話 「Vの鼓動 超新星ホープレイV」(アニメ:遊戯王ZEXALII)
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友情に隠れた真意。それは疑心と復讐に火を着けた。
友の仇を討たんと握る拳に、真意を明かそうと立ち向かう光。
蝕まれた体は徐々に衰弱し、途惑う戦陣は既に背水。
それでも、全てを賭して少年は抗う。
遊馬「アストラル!!アストラル!!」
アストラル『遊馬、どう……やら、ワタシが付き合えるのは……ここまでの…ようだ……。ギラグ…彼の実力はミザエル、アリトにも匹敵する……。共に戦えずすまない……。遊馬、君にカードを……託す。』
そうして友は粒子になって遊馬の鍵に飛び込んだ。僅かな余韻を残した光をぎゅっと掴んで、遊馬は鍵を見つめた。
遊馬「アストラル……」
ギラグ『ハハハハハ!どうやら、アストラルは限界のようだな?』
遊馬「――――――。」
零「遊馬くん!?」
鉄男「あいつ、一体なにを……?」
遊馬「小鳥!こいつを!」
そう言うと遊馬は、アストラルが中に入ったままの皇の鍵を小鳥に向かって放り投げた。
小鳥「!」
ギラグ『―――?』
小鳥「遊馬!」
遊馬「アストラルは頼んだぜ、このデュエル絶対負けねぇ!オレが必ずアストラルも真月も守ってみせる!」
零「遊馬くん……。」
アストラルをデュエルから外す。それは、強力な「No.」を呼び出す手段を自ら封じるという意味に他ならない。
ギラグ『愚かなやつめ、アストラル無しでソイツを庇いながら、この俺に勝つだと?ハ!さぁ、俺はこれでターンエンドだ!』
ただでさえ不利な状況下で敢えてアストラルを手放す遊馬を笑うギラグ。真月のライフも少ない。
遊馬「く―――――!」
零「――――ボクだって自分の身くらい自分で!」
零「ボクのターン、ドロー!!」
●「ボクは《シャイニング・スライ》を召喚!このカードは、フィールド上にモンスターエクシーズがいる時、相手はボクを攻撃できなくなる!」
《シャイニング・スライ》
☆3/光属性/魔法使い族/ATK1200/DEF 800
フィールド上にモンスターエクシーズが存在する限り、このカードを攻撃対象に選択する事はできない。効果ダメージが発生した時、そのダメージを受けるプレイヤーがコントロールするモンスター1体をリリースする事で、その効果ダメージを0にする。
●「ボクはカードを1枚伏せてターンエンド!」
零「遊馬くん!これでボクは大丈夫ですから!」
遊馬「わかった!オレのターン、ドロー!!」
●「オレは、《ゴゴゴゴーレム》を召喚!」
《ゴゴゴゴーレム》
☆4/地属性/岩石族/ATK1800/DEF1500
フィールド上に表側守備表示で存在するこのカードは、1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
遊馬「(敵のジャイアント・ハンドはモンスター効果を無効にするが、攻撃力は低い……。ギラグのフィールドに伏せカードが無い今がチャンス…。ホープで破壊し、ゴーレムで叩く!)」
●「いけ!ホープ!ジャイアント・ハンドを攻撃!!」
「“ホープ・剣・スラッシュ”!!!!」
しかし、遊馬の攻撃宣言に反応しないホープ。
遊馬「ホープ!?どうした!!?」
ギラグ『ハハハハハ!お前のモンスターは既に終わっている』
遊馬「なに!?」
それは前のターンでホープの効果を無効にしたジャイアント・ハンドが突いた秘孔。べこんとへこんだその瞬間、激しい爆発と共にホープは破壊されてしまった。
遊馬「!?」
零「!?」
隠されたバリアンの力。蠢く謎と真月の正体。
そして世界に、新たな動きが垣間見える。
第88話「Vの鼓動 超新星ホープレイV」
遊馬「なんで……」
零「自爆!?」
ギラグ『ハッハッハッハ!自爆だと?とんでもねぇ!さっきジャイアント・ハンドの“秘孔死爆無法”を受けた瞬間、運命は決まったのさ!』
遊馬「なに!?」
ギラグ『“秘孔死爆無法”を受けたモンスターは、バトルを開始した時無条件に【ボーン!】ってわけさ』
遊馬「そんな……」
ギラグ『それだけじゃねぇ!お前はホープの攻撃力分のダメージを喰らう!ジャイアント・ハンドの真の恐ろしさをたっぷりと味わうがいい!!』
《No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド》
ランク4/地属性/岩石族/ATK2000/DEF2000
レベル4モンスター×2
相手モンスターの効果が発動した時、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。このカードがフィールド上に存在する限り、そのモンスターの効果を無効にする。この効果によって効果が無効化されたモンスターが攻撃宣言を行なった時、そのモンスターを破壊して墓地に送り、その攻撃力分のダメージを相手に与える。
(※アニメ効果)
●「そうはいかない!《シャイニング・スライ》のモンスター効果発動!!《シャイニング・スライ》は効果ダメージが発生した時、そのプレイヤーのコントロールするモンスターをリリースする事で、ダメージを無効にします!」
零「これで、遊馬くんはダメージから回避されました!」
ギラグ『ッハッハッハッハ!バカめ!オレはジャイアント・ハンドの効果発動!!相手モンスターが効果を発動した時、オーバーレイユニットを1つ使う事で、その効果を無効とする!!』
『“モンスター秘孔死爆無法”!!!!』
ずぶりと突き刺されたジャイアント・ハンドの指先が、《シャイニング・スライ》の効果で作られた《ゴゴゴゴーレム》の壁を突き破った。
零「《シャイニング・スライ》が!!?」
鉄男「まずい!!」
ギラグ『さぁ!改めて喰らえ!!ホープの攻撃力分のダメージを!!』
『“五死眼光”!!!!』
遊馬「く―――――――ぐああああああああああああああ!!!!」
遊馬LP3400→900
零「遊馬くん!!」
ギラグ『ハハハ!結局お前がやった事は、仲間は守れずに無駄にモンスターをフィールドから消したあげく、自分のモンスターさえも攻撃できなくさせちまったってことだ!!』
零「く――――――!」
小鳥「そ……そんな……」
激しい衝撃で壁に叩きつけられ、ミザエル戦での痛みを思い出しながらも、懸命に遊馬は意識を持ちこたえた。
零「遊馬くん!!すいません……ボクが余計な事をしたばかりに……」
遊馬「だいじょうぶ…だって……」
零「でも……」
遊馬「別の手を考えるさ」
遊馬「(とはいえ、オレのライフは900……。ギラグは無傷。奴の次のターンで攻撃を受けたら……)」
●「オレは手札から永続魔法《炎の護封剣》を発動!!このカードがある限り、互いのプレイヤーは攻撃する事ができない!!ただし、自分フィールドにモンスターが召喚された時、このカードは破壊される……。」
《炎の護封剣》
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、相手モンスターは攻撃できない。自分フィールド上にモンスターが存在する場合、このカードを破壊する。
遊馬「(これでとりあえずは凌げるぜ……)」
零「遊馬くん!ボクが状況を悪くしてるのに……」
遊馬「気にすんなて言ったろ?オレ達は仲間だ!」
零「仲間――――――――。」
遊馬「……だろ?」
零「はい!!」
●「オレはこれでターンエンドだ!!」
ギラグ『てめぇら全員善人面しやがって、“友情ごっこ”かよ!!てめぇらの化けの皮引っペがしてやる!!』
ギラグ『俺のターン、ドロー!』
『きたぜきたぜ!!!貴様らを葬るカードが……!!!』
○『俺は《RUM−バリアンズ・フォース》を発動!!!』
《RUM −バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高いモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。この効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズは「戦闘では破壊されない効果」を無効にし、相手フィールド上に存在するモンスターエクシーズ1体を選択して、選択モンスターのエクシーズ素材全てを、このカードの効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズの下に重ねてエクシーズ素材とする。選択モンスターの攻撃力は、この効果で奪われたエクシーズ素材の数×300ポイントダウンする。
(※アニメ効果)
ギラグ『このカードはジャイアント・ハンドをランクアップさせ、カオス・エクシーズを特殊召喚する!!!』
遊馬「出るぞ!カオスナンバーズ!!」
ギラグ『俺はランク4のジャイアント・ハンドでオーバーレイ!!』
○『1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!!』
ギラグ「(こ、これがカオスナンバーズ……。こいつを使いこなすために俺の命を削って……餌とする契約―――――!!命が削られていく……。だが俺は迷わねぇ!!見ていろアリト!!!)」
自らの命を削って挑むギラグ。それほどオーバーハンドレットナンバーズを扱うには、力が必要になる。
『“カオス・エクシーズ・チェンジ”!!!!』
開かれた暗黒の門。憎悪に等しいその封印された魂を、異世界より呼び出す闇の力。
ギラグ『出てよ、混沌なる世界を掴む力よ、その拳は大地を砕き、その指先は天空を貫く!!《CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》!!!!』
《CNo.106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》
ランク5/地属性/岩石族・エクシーズ/ATK2600/DEF2000
レベル5モンスター×3
このカードが《No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンド》をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に存在するこのカード以外の全てのカードの効果を無効にする。
虚空から伸びた巨大な溶岩の腕が、見えない何かを掴むようにその手を中空に伸ばした。
遊馬「これが奴のカオスナンバーズ!?」
○『ジャイアント・ハンド・レッドのモンスター効果発動!!カオス・オーバーレイユニットを1つ使い、フィールドにいるこのカード以外の全ての表側表示のカードを無効にする!!!』
『“紅漠無惚(こうばくむほう)”!!!!』
遊馬「《炎の護封剣》が!?」
○『これで貴様らを守るものはなくなった!!ジャイアント・ハンド・レッド、遊馬にダレイクトアタックだ!!』
遊馬「しまった!」
零「遊馬くん!!」
『“万死紅掌(ばんしこうしょう)”!!!!』
●「罠発動!《シャイニング・スタンド》!!このカードの効果により、相手モンスターの攻撃を無効にし、バトルを終了させる!!そしてその攻撃力の半分のダメージを――――――ボクが受ける!!!」
《シャイニング・スタント》
通常罠
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。また、自分は攻撃を無効にしたモンスター1体の攻撃力の半分のダメージを受ける。
遊馬「真月!!!」
零「ぐあああああああああああああああああああああああああ!!!!」
零LP1400→100
身を挺して遊馬を守る零。我が身を盾にし、そのライフをギリギリまで削る。
遊馬「真月!!」
零「少しはボク……役に立てたかな……。」
遊馬「真月……、お前―――――。バカ野郎!!無茶しやがって!」
ギラグ『ハハハ!バカめ!自分から進んでダメージを受けてくれるとはな!』
あざ笑うギラグ。しかし、ジャイアント・ハンド・レッドを扱う力に余りのパワーを注いでいるからか、アストラル同様にその体にかなりの負担がかかる。
ギラグ『(―――――!?……俺も限界が近いらしい……。早くケリを着けねぇと……)』
○『俺はカードを2枚伏せ、さらに手札からフィールド魔法《侵蝕手の森》を発動!!』
《浸蝕手の森(イローション・ハンド・フォレスト)》
フィールド魔法
自分のスタンバイフェイズ毎に、お互いのプレイヤーは1000ポイントダメージを受ける。
それは意志を持ったかのように空中を自在に這い回る蔦だった。丸く切り取られたスフィアフィールドの中を蔦が覆い尽くすように絡みつく。
ギラグ『この効果で俺にターンが回る度に、全てのプレイヤーは1000ポイントのダメージを受ける!!!』
遊馬「なんだと!!」
ギラグ『貴様らのライフポイントは900と100。つまり、貴様らはもうお終いってことだ!!ッハッハッハッハッハ!!!』
茨の庭園に邪悪な笑みが響き渡る。
小鳥「なに……。一体、何が起こってるの?」
鉄男「わかんねぇ……だが、今は遊馬を信じるしかねぇ!」
アストラル『遊馬……。』
遊馬「く―――――、オレ達に残されたターンは一度きり……。」
零「遊馬くん。」
遊馬「?」
零「今度こそ、ボクに何があっても決して助けようとしないで。ボクはどうなったって良い!だから――――――」
遊馬「お前……」
ギラグ『何をしてやがる!!ジタバタ足掻こうがもう遅い!!お前らはもう終わりなんだよ!!』
零「諦めてたまるか!ボクのターン、ドロー!!」
●「ボクは手札から《シャイニング・ラビット》を召喚!!」
《シャイニング・ラビット》
☆2/光属性/獣族/ATK 800/DEFXXXX
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の魔法カードを1枚破壊できる。
●「さらにボクは、魔法カード《シャイニング・ブリッジ》を発動!!このカードの効果により、《シャイニング・ラビット》は相手プレイヤーにダイレクトアタックができる!!」
《シャイニング・ブリッジ》
通常魔法
自分フィールド上の「シャイニング」と名のついた攻撃力1000以下のモンスター1体を選択して発動できる。このターン選択したモンスターは相手プレイヤーに直接攻撃できる。
●「さらにこのダイレクトアタックが成功した時、敵の魔法カードも破壊できる!!」
遊馬「そうか!狙いはフィールド魔法の破壊か!!」
●「いっけぇ!《シャイニング・ラビット》!!!」
ギラグ『そうはさせるかぁ!罠発動、《バイス・ハンド》!!!このカードは自分のフィールドに“ハンド”と名のつくモンスターがいる時、相手モンスター一体の攻撃を無効にする!』
《バイス・ハンド》
通常罠
自分フィールド上に「ハンド」と名のついたモンスターが存在する場合に発動できる。モンスター1体の攻撃を無効にし、そのモンスターのコントローラーにそのモンスターの攻撃力分のダメージを与える。
●「さらに、攻撃を無効にしたモンスターの攻撃力800分のダメージをプレイヤーに与える!!」
零「そんな……」
ギラグ『終わりだ。地獄の炎に焼かれ、アリトへ詫びるがいい!!!』
焼き付く炎が零に襲いかかる。残り100のライフでまともに受けたらそのまま零の敗北が確定してしまう。
ギラグ『なに!?』
●「罠カード、《デスパレート・ガード》」
《デスパレート・ガード》
通常罠
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、ダメージが発生した時に発動できる。ライフを半分払い、そのダメージを0にする。
ギラグ『《デスパレート・ガード》!?』
零「―――――!」
●「このカードは、ライフを半分支払い、そのダメージを無効にする!」
零「遊馬くん……。」
遊馬「ぐああああああああああああああああああああ!!!!」
遊馬LP900→450
ギラグ『お前はバカか!?友情ごっこも大概にしろよ!』
零「遊馬くん!あれほどボクに何があっても構わないでって……!」
遊馬「そんなこと……できるわけねぇだろ。」
零「でも――――!!」
遊馬「お前もアストラルもオレの仲間だ!!だからオレは絶対に誰も、誰も見捨てたりしねぇんだよ!!!」
零「ゆ……遊馬くん……。」
遊馬「いくぜぇ!!オレのターン、ドロー!!」
ギラグ「―――――!往生際の悪い野郎だ!!」
○「罠発動、《デス・ハンド》!!!このカードは、モンスターをコントロールしていないプレイヤーがドローした時発動し、そのプレイヤーの手札1枚につき、300ポイントのダメージを与える!!!」
《デス・ハンド》
通常罠
モンスターをコントロールしていない相手プレイヤーがカードをドローした時に発動できる。相手の手札の枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。
遊馬「オレの手札は3枚……。ダメージは――――900!!?」
ギラグ『これで本当に終わりだぁ!!九十九遊馬!!!』
●「罠発動!!《シャイニング・リボーン》!!!自分フィールドのモンスター2体をリリース、そして、遊馬の手札を全て墓地に送る!!」
零の声色が急に引き締まった声色に変わり、その目つきは今まで見せたことがないくらい鋭かった。
《シャイニング・リボーン》
通常罠
自分フィールド上のモンスター2体をリリースして発動できる。相手の手札を全て墓地へ送る。その後、以下の効果を1つまたは両方発動する。●相手の墓地のモンスターエクシーズ1体を選択し、相手フィールド上に特殊召喚する●自分の手札の魔法カード1枚を相手フィールド上にセットする。この効果でセットしたカードは、このターン発動する事ができる。
遊馬「オ、オレの手札を!?」
ギラグ『なに!?』
零「相手に手札が無ければ、《デス・ハンド》の効果は意味を成さない。」
ギラグ『貴様っ!!』
遊馬「真月……お前……!」
●「さらに、《シャイニング・リボーン》の効果で、遊馬の墓地からモンスターエクシーズを遊馬の場に特殊召喚!!」
零「蘇れ!《No.39 希望皇ホープ》!!!」
《No.39 希望皇ホープ》
ランク4/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF2000
レベル4モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
(※アニメ効果)
ギラグ『ぐ――――!!ナンバーズまで呼び戻しやがった!?』
遊馬「真月……?」
●「そして、《シャイニング・リボーン》の最後の効果。自分の手札1枚を相手のフィールドにセットする!!」
零「遊馬!!これを使え!!」
そう言って零は、《シャイニング・リボーン》の効果で遊馬に1枚のカードを渡す。それはどこかで見た覚えのある紋章が記されていた……。
遊馬「え……これは《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》????“バリアンズ”ってこれは……?」
零「――――うん」
こくり。遊馬の問いには答えずに、零はただ真っ直ぐな目で頷いた。
ギラグ『バリアンだと……?』
遊馬「真月、なぜお前が……」
零「説明は後だ。このデュエルに勝って、アストラルを助けたいんだろ……?私を信じてくれ、遊馬」
それは今までの零とは似ても似つかない真剣な声色だった。まるで人格が変わったかのように、今までのそれが演技だったかのように……。
遊馬「(バリアンズカードを…オレが……。)」
その手に握ったカードを見つめる遊馬。ギラグによって数々の人が洗脳されていたバリアンズカード。アリトもミザエルも自分のナンバーズをランクアップさせていた新たな力が宿るカード。
遊馬「(真月……。面白ぇじゃねぇか……。お前を信じる!!!)」
「かっとビングだ!!!オレ!!!」
●「オレは《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》を発動!!!!」
《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のランク4以下のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高い「C」と名のついたモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。
(※アニメ効果)
零「このカードは自分フィールドのランク4以下のモンスターエクシーズ1体を選択し、そのモンスターよりランクが1つ上の「C(カオス)」と名のつくモンスターエクシーズに進化させる!!!」
遊馬「オレは、希望皇ホープでオーバーレイユニットを再構築!!!」
「「カオス・エクシーズ・チェンジ!!!!!」」
それは闇を纏う力。混沌を操る力。
異界を制覇し、全てを奪う封印された力。
選ばれたのは希望の戦士。打ち破るは同じ闇。
あの紋章の元、もう1つの混沌がここに目覚める。
●「「出てよ、混沌を統べる赤き覇王!悠久の戒め解き放ち、赫焉と成りて闇を打ち払え!!」」
「「降臨せよ!!!《CNo.39希望皇ホープレイV》!!!!!」」
《CNo.39 希望皇ホープレイV》
ランク5/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2600/DEF2000
レベル5モンスター×3
このカードは「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
駆け抜けた光は赤く紅蓮の炎に。勝利を目指すVの字を掲げた希望の星。
遊馬「これがホープの進化……。」
零「そうだ。君の新しい力だ。」
小鳥「あれがホープ……。」
鉄男「新たな進化……?」
小鳥「一体フィールドの中で、何が……?」
ギラグ『バカな!!ナンバーズをランクアップだと!?そんな力を人間が持っているハズが……!』
零「いけ!!遊馬!!」
●「おう!ホープレイVの効果発動!!1ターンに1度、カオスオーバーレイユニットを1つ使って、フィールド上のモンスター1体を破壊する!!!!」
遊馬「いっけぇ!!!ホープレイV、ジャイアント・ハンド・レッドを破壊しろ!!!」
「ホープレイV、“Vブレードシュート”!!!!」
空間上に捻じ曲がったような湾曲した刃が、渦を巻いてジャイアント・ハンド・レッドを切り刻む。
●「さらに、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!!」
ギラグ『ぐああああああああああああ!!!』
ギラグLP4000→1400
遊馬「まだだ!!ホープレイV、ギラグにダイレクトアタックだ!!!!」
「“ホープ・剣・Vの字斬り”!!!!!!!」
ギラグ『ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』
ギラグLP1400→0
遊馬「勝った……。」
勝ち取った勝利と共に、未知より現れた炎の戦士も消滅した。
ギラグ『貴様……。貴様は一体……』
零「―――――。いずれわかるさ。いずれ……な」
その命の儚さを表すように体を点滅させるギラグ。すぐに亜空間に逃げ込み、含みのある笑いを浮かべている零を尻目に姿を消した。
零「遊馬、感動した。君の友を想う心は本物だ。私もたった今から友と呼ぼう。真の友と。」
遊馬「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!!オレ、何がなんだかさっぱりわかんねぇ!!真月、お前は一体……??」
零「私はバリアンズ・ガーディアンだ」
遊馬「バリアンズ・カーディガン???」
零「“ガーディアン”だ。君達の世界で云う警察みたいなものだ。」
遊馬「ってことは…………。じゃあお前ってバリアンなのか!!!?」
零「―――――――。しー」
やっと状況を飲み込んだ遊馬に、零は人差し指を口に当てて秘密にする仕草をした。
・・・・・・
小鳥「遊馬!」
鉄男「真月も!!」
小鳥「二人共勝ったのね!」
鉄男「やったな!」
零「あはは、遊馬くんのおかげでなんとか……」
遊馬「えぇ!?」
スフィアフィールドが解除され、無事に戻った二人。しかし、真月零は最初に会った時と同じように一歩下がった喋り方に戻っていた。
零「なんかボク、遊馬くんの足引っ張ってばかりで……えへへ。」
小鳥「遊馬、これ。」
零のスイッチの切り替わりに途惑う遊馬。そんなことも露知らず、小鳥は遊馬から預かった皇の鍵を手渡した。
遊馬「おぉ、サンキュ……」
冷たく輝くその鍵を持ち上げて、どこか寂しそうに遊馬は中にいるアストラルのことを考えていた。
アストラル『遊馬、勝った、ようだな。ありがとう』
・・・・・・
その夜。真月零は改まって、遊馬の家で全ての事情を話してくれた。
遊馬「じゃあアストラルのことも?」
零「あぁ。最初から彼の姿は見えていた。」
遊馬「どういうことなんだよ……?」
零「私の任務は、悪のバリアンを探し出し、排除すること。」
遊馬「バリアンに、悪とか善とかあったんだ……。」
零「もちろんだ。バリアン世界は悪の世界ではない。正義を思う者もいる。」
遊馬「ふうん……。」
零「――――――今日からは、私も君と共にアストラルを守る。」
遊馬「マジかよ!すっげぇ!バリアン側に味方がいるって知ったら、アストラルのヤツ驚くぜ!」
零「このことは、君と私だけの秘密だ。」
遊馬「――――なんで?」
零「それが決まりなんだ。この世界では、真月零として振舞わなければならない。」
遊馬「なんか面倒くさいんだな。」
零「だから私のことは、秘密にしておいてくれ。」
遊馬「…よし、わかった!」
零「遊馬、今日から君は私の部下だ。しっかり頼むぞ。」
遊馬「ぶ!部下……相棒とかじゃなくて……?」
零「部・下・だ。」
遊馬「そうなんだ……まぁいいや!!オレはバリアン警察のかっとビング刑事だぜ!!!!!!」
ナンバーズの記憶と謎の巨人。そして目覚めた悪の意識、ブラックミスト。
次回、「共闘ダークアストラル 影の巨人への挑戦!!」
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