05/30の日記
12:33
第57話 「シャーク撃沈!悪夢のファンサービス」(アニメ:遊戯王ZEXAL)
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大地が深く呼応する。まるで血液を隅々まで伝える血管のように。灼熱の溶岩が吹き荒れるそこは、まさに地獄と呼ぶに相応しい大海であった。
「ようやく捕まえたぜ。もう逃さねぇ…」
「ふ、人聞きが悪い。逃げてた訳じゃないさ。そう見せかけて君を誘い込んだんだよ、この灼熱のマグマフィールドへ」
Wを追ってシャークがたどり着いたのは、吹き上がる火山と溶岩に囲まれた、地球の最果てのような場所だった。
「この熱と炎の世界では、君は圧倒的に不利だからねぇ…。なぜなら君のデッキは水属性、君のモンスターもここでは生きていけないからさ。」
会場にモニターされているのに気を使っているのか、Wはいつもの調子を抑えて表向きの顔でシャークに語りかける。会場の女性ファンはWが映るなりファンコールを送っている。悪魔の顔を知らずに…。
父への復讐か、妹への敵討ちか、トロンの陰謀渦巻く《マグマ・オーシャン》での死闘が始まる。
「「デュエル!!」」
大地が深く呼応する。まるで血液を隅々まで伝える血管のように。灼熱の溶岩が吹き荒れるそこは、まさに地獄と呼ぶに相応しい大海であった。
「ようやく捕まえたぜ。もう逃さねぇ…」
「ふ、人聞きが悪い。逃げてた訳じゃないさ。そう見せかけて君を誘い込んだんだよ、この灼熱のマグマフィールドへ」
Wを追ってシャークがたどり着いたのは、吹き上がる火山と溶岩に囲まれた、地球の最果てのような場所だった。
「この熱と炎の世界では、君は圧倒的に不利だからねぇ…。なぜなら君のデッキは水属性、君のモンスターもここでは生きていけないからさ。」
会場にモニターされているのに気を使っているのか、Wはいつもの調子を抑えて表向きの顔でシャークに語りかける。会場の女性ファンはWが映るなりファンコールを送っている。悪魔の顔を知らずに…。
父への復讐か、妹への敵討ちか、トロンの陰謀渦巻く《マグマ・オーシャン》での死闘が始まる。
「「デュエル!!」」
《マグマオーシャン》
フィールド
フィールド上に水属性モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、そのモンスターを破壊する。
●「先攻は貰った!オレのターン、ドロー!」
「(灼熱のマグマフィールドか…。)オレを甘く見るな!」
●「オレは速攻魔法《プレート・サルベージ》を発動!その効果により、2ターンの間フィールド魔法を無効にする!」
《プレート・サルベージ》
速攻魔法
発動後2ターンの間、フィールド魔法カードの効果を無効にする。
マグマの大地が冷たく凍結する。
「チ―――」
遊馬「シャーク…それにWも…」
シャーク「遊馬?」
W「来たか…」
凍ったマグマに遊馬と小鳥が現れる。アストラルが紋章の力を探知してここまで誘導したのだ。
『さすがはシャーク。魔法カードでフィールド魔法を停止させたようだ』
『ついに始まったねぇ。これは陵牙にとってもWにとっても大事な一戦…。さぁ存分に戦うが良い。僕が見届けてあげるから。ハ―――ハハッハハハハハ!!』
そして姿を現したトロン。ついに役者が揃ったってところ。だけど、一人にされたゴーシュの方も若干気になる・・・。
ナンバーズ57「シャーク撃沈!悪夢のファンサービス」
●「オレは《トライポット・フィッシュ》を召喚!」
《トライポッド・フィッシュ》
星3/水属性/魚族/ATK 300/DEF 1300
このカードが墓地から特殊召喚に成功した時、このカードのレベルを1つ上げる。
●「そして、自分の場に魚族モンスターがいる時、こいつを手札から特殊召喚できる!来い!《シャーク・サッカー》!」
《シャーク・サッカー》
☆3/水属性/魚族/ATK 200/DEF1000
自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。このカードはシンクロ素材とする事はできない。
遊馬「レベル3のモンスターが2体・・・。って事はいきなり!?」
アストラル『エクシーズ召喚?』
●「オレは、レベル3の《トライポット・フィッシュ》と《シャーク・サッカー》でオーバーレイ!!」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
●「現れろ!!《潜航母艦エアロ・シャーク》!!」
《潜航母艦エアロ・シャーク》
ランク3/水属性/魚族・エクシーズ/ATK1900/DEF1000
レベル3モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。自分の手札の枚数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
(アニメ効果)
「エアロ・シャークのモンスター効果発動!オーバーレイユニットをひとつ使い、手札1枚につき、相手ライフに400ポイントのダメージを与える!!オレの手札は3枚、よって1200ポイントのダメージだ!」
エアロ・シャークから発射された12本の魚雷がまっすぐWに命中する。
W「ぐうう!!」
WLP4000→2800
『上手い。』
遊馬「1ターン目から効果ダメージかよ、やっぱシャークはすげぇぜ!」
●「オレはカードを2枚伏せてターンエンド!」
シャークのプレイングに会場からはブーイングと歓声が入り混じる。Wのファンも会場には多いようだが、しかし、そんなファン向けの顔は今の一撃で吹き飛んでしまったらしい。
W「へへ…。初っ端からモンスターエクシーズを出してくるとは面白ぇ。潰しがいがあるよ!!!」
○「オレのターン、ドロー!」
○「オレの場にモンスターが無く、お前の場にモンスターエクシーズが召喚している場合、《ギミック・パペット−マグネ・ドール》は手札から特殊召喚できる!!」
《ギミック・パペット−マグネ・ドール》
星8/闇属性/機械族/ATK1000/DEF1000
相手フィールド上にモンスターエクシーズが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
不揃いの部品が、不揃いの不気味な人形に合体する。
○「さらにオレは《ギミック・パペット−ギア・チェンジャー》を召喚!!」
《ギミック・パペット−ギア・チェンジャー》
星1/地属性/機械族/ATK 100/DEF 100
1ターンに1度、自分フィールド上の「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは選択したモンスターのレベルと同じになる。
「このカードは、フィールドにいる『ギミック・パペット』と同じレベルにする事ができる!ギアアップだ…ギア・チェンジャー!!」
機械仕掛けの歯車装置に手と足が生えたようなモンスターは、不気味に笑いながらガチャガチャと自分の体のレバーをいじりまわす。
《ギミック・パペット−ギア・チェンジャー》
★1→8
小鳥「これでWも、同じレベルのモンスターが2体になったわ…」
「くるぞ!」
○「オレはレベル8の《ギミック・パペット−マグネ・ドール》と《ギミック・パペット−ギア・チェンジャー》でオーバーレイ!!」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
○「現れろ!《No.15 ギミックパペット−ジャイアント・キラー》!!」
《No.15 ギミック・パペット−ジャイアントキラー》
ランク8/闇属性・エクシーズ/機械族/ATK1500/DEF2500
レベル8モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。フィールド上に存在するこのカード以外のモンスターエクシーズを全て破壊する。破壊したモンスターの攻撃力の合計分のダメージをそのモンスターのコントローラーに与える。
小鳥「あれは!」
遊馬「出やがったな、鉄男と委員長を痛めつけたナンバーズ…」
巨大な漆黒の人形が、目に見えない糸で釣り上げられている。両手両足は糸の操るままに、その顔は無情を訴え、地獄の炎を瞳に宿す。
W「お前が本気で来るなら、オレも受けてたってやる。最高のファンサービスを見せてやろうじゃねぇか!!」
会場でデュエルの様子を見守る人々は、豹変したWの姿に戸惑いを隠せない。不気味なモンスターを使って、相手を侮蔑するような言葉遣いをする姿は、ファンにとっては有り得ない現実に映っただろう。
それを配慮したかどうか、トロンは自身の力を使ってモニター映像を砂嵐に変える。再び会場は何も映し出さなくなったモニターを見る事になり、人々の苛立ちが募り始めた。
『ハッハハー。ごめんねぇ…。ここから先は見るに耐えないと思うからカメラは壊させて貰ったよ。さぁ、やっちゃいなよW、凌牙を闇の中に叩き落としてあげな。』
○「ギミックパペット−ジャイアント・キラーのモンスター効果発動!!フィールド上のモンスターエクシーズを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!」
漆黒の人形から、血の色に染まる真っ赤な糸がエアロ・シャークに伸びる。絡め取られた巨大なサメは、そのまま人形の胸部のシュレッダーに粉砕され、それをエネルギーとした巨大砲塔をシャークに構える。
シャーク「ぐ―――ああああああ!!!」
シャークLP4000→2100
「シャーク!?」
○「さらにオレはギミックパペット−ジャイアント・キラーでダイレクトアタック!!」
●「永続罠《バブル・ブリンガー》発動!!このカードは、相手モンスターのダイレクトアタックを無効にする!!」
《バブル・ブリンガー》
永続罠
相手モンスター1体の直接攻撃宣言時にその攻撃を無効にして発動できる。自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、自分の墓地の水属性・レベル3以下のモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
湧き立つ泡の壁が、ジャイアント・キラーの鞭を隔てる。
「チ―――。まぁ良い。オレがターンエンドすれば、《プレート・サルベージ》の効果も消える。次からは灼熱地獄だ…オレはこれでターンエンド。」
Wがそう言うと同時に活動を停止していた火山が、時間を取り戻したかのように活発に噴火を再開した。たちまち熱と煙に包まれた溶岩の海が動き出す。
遊馬「なんだぁ?あっちゃああああ!!!」
小鳥「本当に灼熱地獄だ…。」
アストラル『これがフィールド魔法《マグマ・オーシャン》…。』
「強がりかどうかは、オレのデュエルを見てから言え!」
●「オレのターン、ドロー!」
●「オレは《ハンマー・シャーク》を召喚!」
《ハンマー・シャーク》
☆4/水属性/魚族/ATK1700/DEF1500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードのレベルを1つ下げ、手札からレベル3の水属性モンスター1体を特殊召喚する。
●「さらに、《バブル・ブリンガー》の効果発動!このカードを墓地に送り、墓地から《トライポッド・フィッシュ》を特殊召喚!」
●「」特殊召喚に成功した時、《トライポッド・フィッシュ》のレベルは1つ上がる!」
《トライポッド・フィッシュ》
★3→4
W「馬鹿め、フィールド魔法《マグマ・オーシャン》は水属性モンスターを召喚した時、それを破壊する!貴様のモンスターはここでは生きられないのさ、喰らえ!!!」
水属性限定のペナルティ。まさにシャークには不利なフィールド。大地に上がった魚目掛けて、地上のマグマが火柱を上げて「プロミネンス・ドラゴン」(のようなもの)になり、シャークのモンスターに襲いかかる。
しかし、シャークのモンスターが破壊される前に、迫るマグマ達の方が先に消滅してしまう。
「何!?」
遊馬「どういう事だ?」
アストラル『罠カードだ。シャークの場で発動している……。』
「あれは…」
●「永続罠《逆境適応》。このカードは魔法・罠によるモンスターの破壊を向こうにする。」
《逆境適応》
永続罠
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上に召喚・特殊召喚された水属性モンスターは、魔法・罠カードの効果では破壊されない。
「これでオレのモンスターは、この灼熱地獄の中でも耐えられる!!」
遊馬「すっげぇ、さすがシャーク!」
アストラル『この一戦にかける彼の意気込み、半端ではない…。』
恨み。全国大会で罠にハメられた。関係の無い妹を巻き込んだ。
「絶対に許さねぇ…。例えどんな手を使っても、貴様を倒す!」
アストラル『遊馬、彼はやる気だ』
遊馬「ってまさかシャーク…」
●「《バブル・ブリンガー》の効果で特殊召喚したモンスターは、2体分のエクシーズ素材となる!!」
そんな事、《バブル・ブリンガー》のテキストには書いてなかったけどね!
●「オレは2体分となった《トライポッド・フィッシュ》と《ハンマー・シャーク》をオーバーレイ!!」
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
●「現れろ!!《No.32 海咬龍シャーク・ドレイク》!!!」
《No.32 海咬龍シャーク・ドレイク》
ランク4/水属性/海竜族・エクシーズ/ATK2800/DEF2100
レベル4モンスター×3
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。1ターンに1度、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。破壊したそのモンスターを相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。さらに、このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけ攻撃できる。
「あれはあの時の…!?」
アストラル『ナンバーズ…』
トロン『そう。Vが凌牙に与えたナンバーズ。ボクの命令でね…。この時を待っていたんだよ凌牙。君の心の闇をもっと広げるためにね。』
Wに負けず劣らず不気味にあざ笑うトロン。しかし、Vが持っていたハズのナンバーズをシャークが持っている事を、Wはここで初めて知る事になる。
『君に話してなかったけどね』
W「トロン?!なぜだ!」
『だぁってぇ、君に話したら計画が漏れちゃうかもしれないだろう?君は口が軽いからねぇ…。』
Wの回りを、擦り切れた立体映像のように現れては消え、また現れては消える。
『人にはそれぞれ役割があるんだよ…。XにはXの。VにはVの…。』
「オレの……オレの役割は!!?」
トロン『……。凌牙を心の闇に叩き落とす事さ。ここまではうまくやってる、ボクの計画通りに。』
W「奴をここまで追い詰め、シャーク・ドレイクを呼び寄せた事も、あんたの計画通りだと?!」
『そうだよ。うかうかしてると、君も危ないよ。凌牙の力も、シャーク・ドレイクの力も、君は良く解っているだろう?』
凍りつくような視線を紋章の輝きの中に宿すトロン。しかし、珍しくみんなして凌牙・凌牙言ってるな。
「凌牙の力…!?」
●「いっけぇ!!シャーク・ドレイク、ギミックパペット−ジャイアント・キラーを攻撃!!!」
マグマの大地などまるで無いかのように、中空を縦横無尽に猛速で、ジャイアント・キラーに喰らいつく。
W「な、ぐ――――ぐああああああああああああ!!!!」
派手な爆発と共に、漆黒の巨大人形はその姿を崩壊させた。
WLP2800→1500
●「さらに、オレはシャーク・ドレイクの効果を発動する!!オーバーレイユニットを1つ使い、破壊したギミックパペット−ジャイアント・キラーの攻撃力を1000ポイント下げ、Wの場に特殊召喚する!!」
小鳥「どうして敵のモンスターを戻すの?」
Vとのデュエルでシャークが、シャーク・ドレイクを手に入れた事を小鳥は知らない。
遊馬「えっと…それは…」
効果を覚えていないのか、ZEXALのデータバンクであるアストラルをちらっと見る。
アストラル『シャーク・ドレイクは、その効果で特殊召喚したモンスターをもう一度攻撃する事ができる。』
遊馬「って事だよ小鳥。」
小鳥「え?何?」
アストラルは遊馬にしか見えない。アストラルの解説が小鳥にも聞こえていると錯覚して、遊馬は適当に話をまとめた。
《No.15 ギミックパペット−ジャイアント・キラー》
ATK1500→500
攻撃力差は2300。Wの残りライフを削るには十分である。
○「くっ―――!?そうはさせない!!オレは手札から《ギミック・パペット−ナイト・ジョーカー》を特殊召喚!!このカードは、墓地のジャイアント・キラーを除外して、特殊召喚する事ができる!!」
《ギミック・パペット−ナイト・ジョーカー》
星8/闇属性/機械族/ATK 800/DEF1600
自分フィールド上の「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体が戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、そのモンスターをゲームから除外する事で、このカードは手札から特殊召喚できる。
壊れかけた巨大人形の糸を断ち切って道化師があざ笑う。
『危なかったねぇ…。でも咄嗟の対応は良かったよ。これで君はまだ戦える。凌牙をもっともっと追い詰める事ができるって事だよね?』
口を開けば、トロンはシャークの事ばかり。父親の変わり果てた姿とはいえ、全く自分の事など心配していない。冷たく言い捨てるトロンを、Wは無意識に睨みつけた。
シャーク「命拾いしたなW。オレはこれでターンエンド。」
『ほらほらぁ、凌牙もまだまだ元気だ、頑張らなくっちゃ』
勝負の結果よりもシャークの心を叩き落とす。目的は解っているのに、自分はまるで、その道具、いや人形になっているような気分になる。そうしてWのフラストレーションは爆発した。
W「わかってるさ!!!わかってる!!オレの役割が凌牙を心の闇の中へ叩き落とす事だって事は…。そのために今までも、大会で奴をはめたのも、奴の妹に怪我を負わせたのも、全てはトロンのため!!トロンの命令に従ったまで!!」
「な――――!!」
遊馬「えぇ?!トロンの命令で…」
小鳥「どういう事!?」
シャーク「いるのか、トロン?姿を現せ!」
『いるよ』
ジジジ―――とボヤけたビジョンが凌牙の目の前でトロンの姿になる。
アストラル『トロン、君の目的は何だ!シャークを心の闇に落とそうとしているのは、一体何のために?!』
『隠す必要もないから……全員に答えるよ。』
そうして遊馬達の目の前“にも”トロンが現れた。彼の幻影は、3人同時にその真意を語る。
『ボクが凌牙の心を闇に落とす理由は、操るためさ。Dr.フェイカーを倒す刺客として。』
「刺客!?」
シャーク「ふざけるな!!そんなものにオレはなるつもりなど無い!!」
『君にその気がなくても…もう逃げられないんだよ。君はボクの操り人形になるんだ、ボクだけの人形に…』
しかし、動揺しているのはシャーク達だけではない。Dr.フェイカーに復讐するのは自分達だ。そう思って戦ってきたWも、これには納得がいかない。
「オレ達兄弟はトロンのために力を尽くしてきた…。なのになぜオレ達じゃなく…いや、オレじゃなくて凌牙を…そんなのオレは認めない!!」
『言っただろ?人には役割があるって…Dr.フェイカーを倒すには、君“よりも”凌牙のほうが…』
「認めない!!そんな事は断じて認めない!!Dr.フェイカーはオレが倒す!!こんな奴より、オレの方が強いって事を見せてやる!!」
○「オレのターン、ドロー!」
○「オレは手札から魔法カード《傀儡儀式−パペット・リチューアル》を発動!!このカードは、墓地にあるギミック・パペットと名のつくモンスターを、呼び戻す事ができる!」
《傀儡儀式−パペット・リチューアル》
通常魔法
自分のライフポイントが2000以下の場合のみ発動できる。自分の墓地から「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン攻撃できない。
「来い、《ギミック・パペット−マグネ・ドール》!!」
○「オレはレベル8の《ギミック・パペット−ナイト・ジョーカー》と《ギミック・パペット−マグネ・ドール》でオーバーレイ!!」
「2体の闇属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
○「現れろ!!《No.40 ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス》!!!」
《No.40 ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス》
ランク8/闇属性/機械族・エクシーズ/ATK3000/DEF2000
レベル8闇属性モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このカードの以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターにストリングカウンターを1つ置く。次の相手のエンドフェイズ時、ストリングカウンターがのっているモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
(アニメ効果)
戦慄の弦の引き伸ばした左腕に翼を宿して、暗黒の死神が降臨する。
○「オレはさらに装備魔法《デステニー・ストリングス》を発動し、ギミックパペット−ヘブンズストリングスに装備!! このカードはデッキからカードを墓地へ送り、それがモンスターだった場合、そのモンスターのレベルの回数分、攻撃ができる。しかもお前のモンスアt−は破壊されずにな!!」
《デステニー・ストリングス》
装備魔法
「ギミック・パペット」と名のついたモンスターにのみ装備可能。装備モンスターの攻撃宣言時、自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。墓地へ送ったカードがモンスターカードだった場合攻撃対象になった相手モンスターは破壊されず、墓地へ送ったモンスターのレベルの数まで連続攻撃できる。墓地へ送ったカードが魔法・罠カードだった場合、攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了する。
「オレが引いたのはレベル8の《ギミック・パペット−ネクロ・ドール》…。よって、シャーク・ドレイクを8回連続で攻撃する!!!」
遊馬「何だって?!」
アストラル『8回攻撃だと…』
○「やれ!!ヘブンズ・ストリングス!!」
「“ヘブンズ・ブレイド”!!!!」
「ぐ・・・・・・・・あああああああああああああああああああ」
シャークLP2100→1900
遊馬「シャーク!」
アストラル『《デステニー・ストリングス》の効果により、モンスターは破壊されずに連続攻撃によるダメージを受けるというのか?!』
○「続けろ!!ヘブンズ・ストリングス、シャーク・ドレイクを痛めつけろ!!」
「ぐああああああああ!!!!!」
シャークLP1900→1700
「苦しめ!!もっと苦しめ、凌牙!!」
「ぐ――――ああああああああ」
シャークLP1700→1500
遊馬「やめろ!!」
小鳥「そんな……。」
遊馬「こんなのデュエルじゃねぇ!!デュエルは怒りや復讐のためにするもんじゃねぇ!!」
トロン『邪魔はさせない。』
しかし、口出しするなら容赦はしないトロン主義。遊馬はどこから現れた鎖で縛られてしまいます。トロン一家は鎖プレイが大好きですね。
『ここからが本当のお楽しみなんだから、君はそこで大人しく見ていなよ。』
「が――――!!」
シャークLP1500→1300
小鳥「もうやめて!!」
遊馬「デュエルは人を幸せにするもんだ!!」
W「苦しめ凌牙、苦しんで苦しんで苦しみ抜いた末に、地獄に落ちるがいい!!!これで5回目!!」
「ぐあああ!!!」
シャークLP1300→1100
遊馬「デュエルをすればみんな仲間に…友達になれるのに…人を傷つけるなんてデュエルじゃねぇ!!」
『“みんな友達”ねぇ……。君は本当にそっくりだねぇ…。あの九十九一馬に。』
「トロン――――!」
『彼も良く言ってたよ。“友情”とか“人を幸せに”とか。』
「お前らが……お前らが父ちゃんを巻き込まなきゃ……!!!」
アストラル『遊馬……。』
『君から父さんを奪ったのはDr.フェイカーだ。恨むなら、Dr.フェイカーを恨みなよ。そうすれば君の心の中に闇が生まれる…。それを広げて……ふふふ、約束したよね?次は君の心を食べてあげるって』
「ふざけるな!!オレはあんたを許さない!!ドロワをあそこまで苦しめたあんたを!!VやXを復讐の道具にしたあんたを!!」
『いいねぇ…生まれてきてるねぇ…心の闇が。恨みは闇を増幅させる。恨みなよボクをDr.フェイカーを』
「だまれえええええええええええええええ」
W「さぁ!!ラストだ!!」
シャーク「ぐああああああああああああああああ」
シャークLP700→500
「どうだ凌牙?だがまだ終わりじゃない!」
○「ギミックパペット−ヘブンズストリングスのモンスター効果発動!!オーバーレイユニットを1つ使い、シャーク・ドレイクにストリングカウンターを1つ置く。これで次のターンの終わりにシャーク・ドレイクは破壊され、その元々の攻撃力分のダメージをお前は受ける事になる…。それで本当のおさらばだ。オレはこれでターンエンド!!」
それは全ての終焉を現す滅びの旋律。まさに最果てのこの大地に終わりを呼び寄せるような不協和音。
闇迫る心の狭間で、あいつの声がした。体は痛めつけられたダメージで動かせない。声だけが耳を抜けて心まで突き抜ける。
死神が、こっちを向いた。
次回「シャーク覚醒!新た成るカオス・ナンバーズあらわる」
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