10/28の日記

15:32
第133話 「立ちふさがる巨帝!機皇帝グランエル」(アニメ:遊戯王5D's)
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「まだだ!! まだ・・・バトルフェイズは・・・終わっちゃいねぇぜ!!!」


















 スーパーパワーインフレ。常時《リミッター解除》並の攻撃力を見せつける《機皇帝グランエル∞》。戦闘、効果、防御そのどれにも対応する各パーツのサポートにより、全く手が出せなくなったチーム5D’s。ていうかこんなに強いのならもはや他の機皇帝の立場が・・・。



「ジャック!しっかりして!」




 もう何度運ばれればいいのかわからないが、またもやジャックは意識不明。もはや遊戯王一事故る人間になっている。



「イェーガー長官!チームニューワールドとのデュエルでは実際のダメージが発生するんですよ!これ以上は危険すぎます。決勝戦を中止する事はできないのですか!?」



 必死に抗議する狭霧さん。まぁ、無理も無いんだけど果たして先にクラッシュしたのがクロウだったら、ここまで強く言うかは疑問。



「それも考えました。しかし、彼らならば必ず勝って、この世界を救ってくれる。私はそう、信じています。」



 以前、遊星たちを信頼して頑固なままのイェーガー。既に腹はくくってあるのか、見据える目には希望の光を探している。



「だめだよクロウ!あんなモンスター相手にしたら死んじゃうよ!!」


 圧倒的な力を見せつける機皇帝に破れたジャック。チーム5D’sはセカンドホイーラー、クロウが出ようとするも、龍亜と龍可がそれを制止する。


「そうよクロウ!いかないで!」


「何言ってんだお前ら、」


「いやよ!行かないで!」


「ダメだ。こいつはジャックが気を失いながらもつないでくれたんだ・・・。俺がここでやめるわけにはいかねぇ。なんとしてもオレたちがアレを止めなきゃならねぇんだ。」



そう言ってクロウはアーククレイドルを見つめる。前にもましてその姿を地上へ向ける不気味な城はイリヤステルの思惑通りに事が進んでいる事を何より証明している。


 俯く2人。このまま帰ってこなかったら。そう思うと、いてもたってもいられない。



「心配すんなって。このクロウ様がこんなとこでくたばるわけねぇだろ!」



 なんてさわやかな笑顔だ。完璧じゃないか(フラグ的に)。




『チームニューワールド・ホセ、《機皇帝グランエル∞》を引き連れ、ホームストレートに帰ってきたぁ!』


「じゃあ行ってくるぜ!」



『さぁチーム5D’s、なんとかセカンドホイーラー、クロウにつながったぞー!ファーストホイーラー、ジャック・アトラスの安否が気遣われますが、レースは続行の模様だぁ!』



 その背中はいつもの彼。立ちはだかる脅威に怯む事なく、勇敢に飛び立つ。風に、鳥に。




(クロウ。死ぬなよ。)


 そうだな。死なないといいな。





疾れ
明日へ続く進化の道は
新たな伝説の“決闘”










第133話「立ちはだかる巨帝!機皇帝グランエル」




「待ちやがれ怪物野郎!今度はオレが相手だ!」


「ホホ、《機皇帝グランエル∞》の力を目の当たりにしてよくぞ恐れを抱かずに出てきたな、褒めてやろう。」




「ありゃりゃ?あいつ怖じ気づいて出てこないかと思ったのに。よく出てきたね、ひゃははは」


「ふん、奴らがデュエルに向けるエネルギーが大きければ大きい程、サーキットの完成は早まる。」


 手加減2人がピットで囁く。ホセにいいように使われているが不満は無いようだ。



「さぁ、我が“グランエル”にお前の全ての力をぶつけてくるがいい!人間の可能性を見せてみろ!」




「(オレの全ての力か。オレには“シューティング・スター”や“スカーレッド・ノヴァ”みてぇなシンクロキラーへの切り札はねぇ。おまけに相手の攻撃力は15000オーバー。下手すりゃマジで死ぬかもな―――。



 だが、オレにだって奴に対抗する手段はある。何も無謀な戦いを挑むってわけじゃねぇ。)」





「いくぜ!」



「「デュエル!!」」


 その瞬間。浮かび上がる∞。リアルダメージを発生させる謎の力。



「オレのターン!」


クロウLP4000・SPC10
ホセLP12000・SPC10


「(攻撃力15500相手の化け物じゃ、一瞬の隙も見せらんねぇ。遊星、悪いが先に使わせて貰うぜ。)」


●「《スピード・ワールド2》の効果発動!スピードカウンターを10取り除く事で、フィールド上のカードを1枚破壊する!」


クロウ:SPC10→0




「クロウ、いきなりスピードカウンターを10も――。」


 焦るブルーノだが、打つ手が少ない以上そこに賭けるしかない。


「いいんだ。もはやなりふりを構っていられるような相手じゃない。」





●「オレは《機皇帝グランエル∞》を破壊!」



○「罠発動!《インフィニティ・ウォール》!」


《インフィニティ・ウォール》通常罠
自分フィールド上に「機皇帝」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。このターン自分フィールド上に存在するカードを破壊する効果を無効にする。



「何!?機皇帝専用の罠か!」


「このターンカード効果による破壊を無効にする!私が《スピード・ワールド2》の対策を怠るとでも思ったか!」


「この程度の先方が通用する相手じゃねぇか。」



●「ならば、オレはチューナーモンスター《BF−隠れ蓑のスチーム》を召喚!」



《BF−隠れ蓑のスチーム》
★3/闇属性/鳥獣族・チューナー/ATK 800/DEF ???
このカードがフィールド上から離れた場合、自分フィールド上に「スチームトークン」(種族不明・属性不明・星1・攻100/守???)を攻撃表示で特殊召喚する。「スチームトークン」は特殊召喚されたターンのエンドフェイズ時に破壊される。「スチームトークン」がフィールド上に存在する場合、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力が0になった時、そのモンスター1体をゲームから除外する。



●「このカードは自分フィールド上に「BF」がいる時、手札から特殊召喚できる!《BF−黒槍のブラスト》を特殊召喚!」



《BF−黒槍のブラスト》
☆4/闇属性/鳥獣族/ATK1700/DEF 800
自分フィールド上に「BF−黒槍のブラスト」以外の「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。



「チューナーともう一体のモンスターが揃った!」


「これでシンクロ召喚ができる。でも・・・」



 そう、問題は機皇帝の吸収効果。



「フフ、“機皇帝”の前にシンクロ召喚など無意味だ。」



「へ、トリックスタークロウ様がそんな単純な手を使うと思ってんのか!」


 ハラルド戦以来、急にトリックスターを強調するようになったな。



●「オレは“隠れ蓑のスチーム”と“黒槍のブラスト”を除外して《BF−極光のアウロラ》を特殊召喚!!」



☆10/光属性/鳥獣族/ATK 0/DEF 0
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する「BF」と名のついたチューナー1体と、チューナー以外のモンスターをゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。この効果で除外したモンスターのレベルの合計が、このカードのレベルとなる。1ターンに1度、このカードのレベルと同じレベルの「BF」と名のついたシンクロモンスター1体を自分のエクストラデッキから選択してゲームから除外し、次の自分スタンバイフェイズ時まで、そのモンスターの攻撃力とモンスター効果を得る事ができる。
(※アニメ効果注意)



「このカードは「BF」と「BF」のチューナーを除外して特殊召喚できる、この効果で除外したモンスターのレベルの合計が、このカードのレベルとなる!」


《BF−極光のアウロラ》
レベル10→7


●「そして、“隠れ蓑のスチーム”の効果発動!このカードがフィールドから離れた事により、「スチームトークン」1体を特殊召喚!ただし、このトークンはエンドフェイズに破壊される。」





《スチームトークン》
☆1/?属性/?族/ATK 100/DEF ???
フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力が0になった時、そのモンスターをゲームから除外する。(テキスト未確定)




●「そして“極光のアウロラ”は1ターンに1度、このカードのレベルと同じ「BF」のシンクロモンスター1体を除外し、次の自分のターンまでその攻撃力ともんすたー効果を得る!」


「ホゥ・・・。」



●「“極光のアウロラ”のレベルは7!オレは同じ7の“アーマード・ウィング”をエクストラデッキから除外!これにより“極光のアウロラ”の攻撃力は“アーマード・ウィング”と同じ2500!」






《BF−極光のアウロラ》
ATK0→2500



「さらに、“アーマード・ウィング”の効果を得た事で、このカードは戦闘では破壊されずバトルで受けるダメージも0になる!!」





「―――そうか!“極光のアウロラ”はシンクロモンスターじゃないから!」


「機皇帝のシンクロ封じを躱しながら、シンクロモンスターの効果を利用できると云うわけね。」


「おぉ、この手があったかぁ!」


「これが、クロウの編み出した対機皇帝用の戦術――。」



●「バトル、《BF−極光のアウロラ》、《機皇帝グランエル∞》を攻撃!!」



「いかなる策を弄しても、《機皇帝グランエル∞》を超える攻撃力を持つ事は不可能!無駄な事だ。」



「いいや無駄じゃねぇ!“極光のアウロラ”が得た“アーマード・ウィング”の効果はもうひとつあるぜ!」



●「このカードが攻撃したモンスターに楔カウンターを置き、その楔カウンターを取り除く事で相手モンスターの攻撃力・守備力をそのターンのエンドフェイズまで0にする!」



「何!?」



「さらに、「スチームトークン」は相手モンスターの攻撃力が0になった時、そのモンスター1体を除外する!」





「これで“グランエル”を除外できれば、オレたちにも勝利への道が見えてくる!」



「機皇帝の攻撃力が幾らあろうと関係ねぇ!これが、オレの編み出したシンクロキラーへの切り札だ!!喰らえ―――。」



「フっ、お前の切り札はその程度か。無駄だと言ったハズだ。」


●「私は《グランエルG》のモンスター効果を発動!!」




《グランエルG》
☆1/地属性/機械族/ATK 500/DEF1000
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。1ターンに1度、自分フィールド上に存在する「∞」と名のついたモンスターが相手モンスターの攻撃対象となった時、その「∞」と名のついたモンスターが装備カード扱いで装備しているシンクロモンスター1体に攻撃対象を変更する事ができる。
(無理矢理解釈)








 機皇帝の中から現れたのは、吸収された《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》。



「《グランエルG》は相手モンスターの攻撃対象を機皇帝が装備したシンクロモンスター1体に変更できる。」



「何ぃ!?」



《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》
ATK3500



ATK2500
《BF−極光のアウロラ》



「そんな・・・ジャックの“スカーレッド・ノヴァ”が・・・。」


「クロウの敵になるなんて・・・。」




「―――“アーマード・ウィング”の効果により“極光のアウロラ”は破壊されず、バトルダメージも受けない・・・。」





「なんて野郎だ・・・。取り込んだシンクロモンスターを自分の盾にしやがっただと・・・。」




 OCGの《機皇帝グランエル∞》のシンクロモンスターを壁にする効果は《グランエルG》の効果だったようで。




「フフフ、お前が楔を打ち込んだ《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は元々装備カード。よって楔カウンターを乗せる事はできない!」


 ルールの外側のような効果を持っているのでなんとも言えない展開。こういう複雑さを出すからOCG化しにくいっていうのに。



「あれが《機皇帝グランエル》の力・・・。」


「シンクロモンスターを取り込むだけじゃなく、守りにも使えるなんて・・・。」


「“極光のアウロラ”はクロウにとって唯一機皇帝に対抗できる切り札だった・・・。それが躱された。どうするクロウ―――。」




 焦りを隠せない遊星。



「(このターンのエンドフェイズで「スチームトークン」は破壊される。さっきのコンボも通用しねぇ・・・。どうすりゃいい、どうすりゃ奴に対抗できる・・・。他の方法はねぇのか!)」



 しかし、クロウは未だかつてない程追い詰められている。



「どうした?これで終わりか?」



「―――。」



●「カードを2枚伏せてターンエンド。」



 悔しさを込めて、小さくクロウは言った。



「全力を出してもその程度か。お前の出番はここまでのようだな。ワタシのターン!!」



クロウLP4000・SPC1
ホセLP12000・SPC11



○「《スピード・ワールド2》の効果発動!スピードカウンターを10取り除く事でフィールド上のカードを1枚破壊する。」


ホセ:SPC11→1


「ワタシは《BF−極光のアウロラ》を破壊!」



○「さらに、《機皇帝グランエル》でダイレクトアタック!!」


「お前にはこの舞台から消えてもらう。」




『おーっとぉ!これが通ればクロウのライフは0だぁ!』


「あれをダイレクトに受けたら終わりよ!」


「「クロウ!?」」





「“グランド・スローター・キャノン”!!!」




 しかし、それを阻む黒い翼。



『なんとぉー!守備表示の“熱風のギブリ”が盾となって“グランエル”の攻撃を防いでいたぁ!』


《BF−熱風のギブリ》
☆3/闇属性/鳥獣族/ATK 0/DEF1600
相手が直接攻撃を宣言した時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。1ターンに1度、このカードの元々の攻撃力・守備力をエンドフェイズ時まで入れ替える事ができる。


「こいつは相手モンスターが直接攻撃してきた時、手札から特殊召喚できる!」


「こしゃくな!」



《機皇帝グランエル∞》
ATK15500


×
DEF1600
《BF−熱風のギブリ》




「なんとか防いだわ・・・。」


「すまねぇギブリ。だがお前の犠牲は無駄にはしねぇ!」


●「罠カードオープン《ブラック・リベンジ》!!」







《ブラック・リベンジ》
通常罠
自分フィールド上に存在する攻撃力1000以下の鳥獣族モンスターが戦闘によって破壊された時に発動する事ができる。自分フィールド上に「BF−ブラック・クレスト・トークン」(鳥獣族・闇・星2・攻0/守800)2体を特殊召喚する。



「自分フィールド上の攻撃力1000以下の鳥獣族モンスターが戦闘で破壊された時、「BF−ブラック・クレスト・トークン」を2体特殊召喚できる!」


●「さらに罠カードオープン《ブラック・ブースト》!!」



《ブラック・ブースト》
通常罠
自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが2体以上存在する場合に発動する事ができる。自分のデッキからカードを2枚ドローする。



「自分フィールド上に「BF」が2体以上いる時、デッキからカードを2枚ドローする!」


『なぁーんとクロウ!この窮地を奇跡のような連続コンボで凌ぎきったぁ!』




「どうだぁ!オレはまだ消えちゃいねぇぜ!」


「ハッハ!まだワタシの攻撃は終わりではない!」


HAGA「ひょ?」


 “まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ”その1



「守備表示モンスターを召喚した事で逆に己の首を絞めたな!」




「(何、どういう事だ?)」



○「ワタシは《グランエルA》のモンスター効果を発動!!」



《グランエルA》
☆1/地属性/機械族/ATK1300/DEF 0
フィールド上に「∞」と名のついたモンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。自分フィールド上に存在する「∞」と名のついたモンスターがシンクロモンスターを戦闘によって破壊した場合、そのシンクロモンスター1体を装備カード扱いとして「∞」と名のついたモンスターに装備することができる。1ターンに1度、自分フィールド上に存在する「∞」と名のついたモンスターが装備しているシンクロモンスター1体をモンスターカード扱いとして相手モンスターに攻撃する事ができる。この効果で守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を装備しているシンクモンスター1体の攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
(無理矢理解釈)
だいたい合ってる。ていうかむちゃくちゃ。





「“グランエル”の吸収したモンスターは1ターンに1度、相手モンスターを攻撃する事ができる!」


「機皇帝は、捕らえたモンスターを攻撃にも使えるっていうのか!!?」



「ゆけ!おろかなシンクロモンスターよ!仲間と争うのだ!!」


○「さらに、装備モンスターの攻撃力が守備力を超えた分、貫通ダメージを与える。」


「何・・・だと・・・!?」


「仲間の力をその身に受けて、悶え苦しむがいい!!」





《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》
ATK3500


×
DEF800
「BF−ブラック・クレスト・トークン」


「うわあああああああああ!!!」



クロウLP4000→1300



「《機皇帝グランエル》が取り込んだシンクロモンスターは、ダイレクトアタックできない。お前が守備表示モンスターを召喚しなければ、ダメージを受けなかったモノを・・・。」


○「カードを1枚伏せてターンエンド!」


『クロウ!絶体絶命のピンチ!?圧倒的な力を見せつける《機皇帝グランエル》に対して、何か打つ手はあるのかー!』







「ジャック!」

 病室では何かにうなされるジャック。意識も戻らない状態で何かに苦しんでいる。


「きっとわかるのよ・・・。自分のモンスターがクロウを苦しめているのを。」









「(これがジャックの受けた痛み・・・。これでオレは“グランエル”と“スカーレッド・ノヴァ”の2体えお相手にしなくちゃいけなくなったってわけか。そんな状況で、今のオレに、一体何が出来るって言うんだ・・・。)」



 走る事で既に精一杯なクロウ。リアルな機皇帝のダメージは体をそのまま蝕む。



「ねぇ。何か打つ手は無いの!?」


「残った“ブラック・クレスト・トークン”の守備力は800しかないのよ。」


「もう一度“スカーレッド・ノヴァ”の攻撃を喰らえば、2700の貫通ダメージを受けて、一気にライフが0になってしまう。」






「どぉした!?これで終わりか!?」


「く―――。オレのターン!」


クロウLP1300・SPC2
ホセLP12000・SPC2



●「オレは“ブラック・クレスト・トークン”をリリースし、《BF−天狗風のヒレン》を守備表示でアドバンス召喚!」



《BF−天狗風のヒレン》
☆5/闇属性/鳥獣族・チューナー/ATK 0/DEF2300
相手が直接攻撃を宣言した時、または自分が2000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた時、このカードと自分の墓地に存在する「BF」と名のついたレベル3以下のモンスター1体を、モンスター効果を無効にして自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。「BF−天狗風のヒレン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。



「ほほぅ、守備力2300のモンスターか。」


「こいつなら、次に“スカーレッド・ノヴァ”の攻撃を受けてもギリギリライフが100ポイント残る!」


「だが続く手立てがなければ、お前は《機皇帝グランエル》の一撃をその身に受ける事になるぞ!」



「(奴の言う通りだ。だが、“天狗風のヒレン”は直接攻撃を受ける時、または2000ポイント以上のダメージを受けた時に墓地にあるこのカードとレベル3以下の「BF」1体を特殊召喚できる。


―――さらに《緊急同調》で守備表示の《ブラックフェザー・ドラゴン》を召喚すれば・・・。次のターンの“グランエル”の攻撃も防ぐ事ができる。いやだめだ、例え攻撃を防いだとしても、“ブラックフェザー”は機皇帝に破壊され、の効果によって捕らわれちまう。


そうなれば、遊星に機皇帝と2体のシンクロモンスターを相手に戦わなきゃならなくなる。シンクロキラー対策の“スカーレッド・ノヴァ”でさえ、“グランエル”には適わなかったんだ・・・。オレのシンクロモンスターじゃとても勝ち目はねぇ・・・。


だったらオレには、今のオレには・・・。もう、何もできねぇっていうのかよ!!!






すまねぇみんな。もうオレに為す術はねぇ・・・。)」






 長い心理フェイズ。その時、





「(遊星、すまねぇ―――。)」








“カードを信じるんだ”




よくわからないアドバイスをされた。




「(カードを・・・信じる・・・。)」





 手札に残るは2枚の罠。1枚はバトルフェイズのシンクロ召喚を可能にする《緊急同調》。もう1枚は、通常罠《シャドー・インパルス》。




「(そうか、今のオレにはできなくても仲間に託せばできる事がある!


よし。いける。これが本当に本当に、最後の手段だ!これしかねぇ!!)」



●「カードを2枚伏せてターンエンド!」



「えー!これでターンエンドだなんて!」



「もう、手は残ってないというの・・・。」



 絶望するピット。おじいちゃんのアップばっかり映る画面。






「ふ、人間の可能性とはこの程度か。ワタシのターン!!」



クロウLP1200・SPC3
ホセLP12000・SPC3


○「ワタシは《グランエルA》の効果を発動!」


○「おろかな《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》よ。《BF−天狗風のヒレン》を攻撃せよ!!」


《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》
ATK3500


×
DEF2300
《BF−天狗風のヒレン》


「ぬううああああああ!!!」


クロウLP1300→100





『これでクロウのライフは残り100。もう後が無いぞー!!』


「ふはは、これで終わりかぁ!?見せてみろ、お前の本当の切り札、シンクロ召喚を!」



「挑発には乗らねぇぜ。ここで召喚すれば最後、オレのシンクロモンスターは機皇帝に破壊されて捕らわれ、遊星に襲いかかる事になる。それだけは避けなきゃならねぇ!!」


「なぜ避ける必要がある!?」


「何!?」



 ホセの挑発は続く。



「仲間同士が争い、互いに傷つけ合い。その構図はまさしく人間の姿そのものではないか!見よ、このおぞましい姿を。シンクロモンスターこそがおろかな人間の進化を象徴する存在なのだ。」


「ふざけんじゃねぇ!!そいつは・・・《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は、ジャックの魂だ。オレたちはいつも、シンクロモンスターと共に戦ってきた!お前たちに悪く言われる筋合いはねぇ!!」







「気づいてはおらんようだな。その浅はかな考えこそが破滅へとつながる!」


「何言ってやがる!?」


「滅び行く者にこれ以上語るものは無い!」



○「バトル!《機皇帝グランエル∞》でダイレクトアタック!!!その身に機皇帝の一撃を受け消え去るがいい!!」



「“グランド・スローター・キャノン”!!!」



「「「クロウ!!!!!」」」




「うああああああああああああああ!!!!!!」



クロウLP100→0



『決まったぁー!!セカンドホイーラー・クロウのライフは0!これでチーム5D’sはラストホイーラー・不動遊星を残すのみだぁ!!』



「これで終わりだな。」











「まだだ!!」



 黒煙がコースに上る。




 それに包まれた黒い車体は、差し詰め黒い翼を広げた、大きな鳥。





「まだ・・・バトルフェイズは・・・終わっちゃいねぇぜ!」






まだオレの(ryその2


「「「クロウ!!!」」」



●「オレは墓地の《BF−天狗風のヒレン》の効果を発動!」



「ダイレクトアタックを受ける時、または2000ポイント以上のダメージを受けた時、このカードと墓地にあるレベル3以下の「BF」1体を特殊召喚できる!!オレの元に蘇れ!《BF−天狗風のヒレン》《BF−熱風のギブリ》!!」



●「さらに罠発動《緊急同調》・・・。」


《緊急同調》
通常罠
このカードはバトルフェイズ中のみ発動する事ができる。シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する。



「このカードはバトルフェイズ中に発動し、シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する・・・。」



レベル3《BF−熱風のギブリ》に
レベル5《BF−天狗風のヒレン》をチューニング・・・。



黒き疾風よ―――秘めたる想いを―――その翼に現出せよ―――



シンクロ召喚!



舞い上がれ!!《ブラックフェザー・ドラゴン》!!!」







《ブラックフェザー・ドラゴン》
☆8/闇属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分がカードの効果によってダメージを受ける場合、代わりにこのカードに黒羽カウンターを1つ置く。このカードの攻撃力は、このカードに乗っている黒羽カウンターの数×700ポイントダウンする。1ターンに1度、このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除く事で、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力を黒羽カウンターの数×700ポイントダウンし、ダウンした数値分のダメージを相手ライフに与える。



『おーっとぉ!機皇帝の前に粉砕されたかに見えたクロウ、最後の力を振り絞って召喚したのは、自らのエース《ブラックフェザー・ドラゴン》だぁー!!』



「そんな・・・。ダイレクトアタックの時に“天狗風のヒレン”の効果を発動すれば、今のコンボで“グランエル”の攻撃は防げたのに!?」


「どうして・・・。どうしてダメージを受けた後に発動させたの・・・?」


「恐らく、クロウは遊星に《ブラックフェザー・ドラゴン》を託すために、敢えてあの“グランエル”の一撃を受けたんだ・・・。」


「それがクロウの狙いだったのね・・・。」


「クロウ・・・。」








 命を張ってシンクロモンスターを守るクロウ。


「なんと、己の身を犠牲にしてシンクロモンスターを召喚しただと!?」



「そうだ。これはチームの勝利のための敗北だ。」



「何?」



「お前が言った、仲間同士で争うだけが人間の姿じゃねぇ。自分の思いを、魂を仲間に託して共に戦う事もできる――――。





―――人はそれを“絆”と呼ぶんだ――――。」





「―――キズナ・・・。」






「は、今回はちょっとしんどかったな。遊星、後は―――頼んだ、ぜ。」




 魂を奪われ、思いを残し、絆に賭ける。



「(―――クロウ。お前が命懸けで残してくれた《ブラックフェザー・ドラゴン》の力、決して無駄にはしない!)」




「じゃあ、行ってくる。」


「遊星―――。」


「しっかりね。」


 焦りはない。怒りはない。恐怖も、後悔も。




「あぁ。ジャックとクロウをよろしく頼む。」


 全ての答えは風の中に。



『なんとかバトンはつながったー!両チーム共にラストホイーラー、不動遊星対ホセの一騎打ちになるぞー!!!』


















「なぜクロウがわざわざシンクロモンスターをお前に残したのかはわからん。だがそれはお前にとって地獄の置き土産になる―――。」


「オレにはわかる。クロウがどうして《ブラックフェザー・ドラゴン》を託したのか。全てはチームのため、オレたちは自分のデッキだけで戦っているんじゃない!3つのデッキで戦っているんだ!」



次回「破滅の道!シンクロ召喚が行きつく未来」










 なんとなくだけど、《ブラックフェザー・ドラゴン》が残っていて、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》も相手フィールド上。


 さらに《ワイズ・コア》《スカイ・コア》共に揃っているので、残るカードは《シューティング・スター・ドラゴン》だけになる。


 いや、まだ何をするかはわからないけれど、《レスキュー・ウォリアー》なら、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》を奪還できるはず。






ライディングデュエル・スタンバイ☆




 



☆コメント☆
[mm] 10-28 18:53 削除
クロウパックでやらかしたと評判の「熱風のギブリ」が召喚された時、思わず笑ってしまいました
なんか「俺はレベル4じゃねぇ!!」って主張してるみたいで(笑。

そういや、OPラストの三人のエースカードVS謎の機皇帝へのフラグも立ってますよねー………OP変わって間もない内から曲が一番盛り上がる部分の再現やってもいいのかな、と思ったりもしますが(笑。

[管理人《増田》] 10-28 18:58 削除
>>mmさん
というかこの決勝が最後の戦いなのか怪しいですね。自分は、サーキットと言われるアーククレイドルでもう一戦やると思うんですけどねー。後はシェリーがどのタイミングで入ってくるのか。そしてグランエルはチートすぎる……。

[Johnny.10-28 21:31 削除
今回は檸檬野郎の事故に続きバカラスの過労死で締めくくりましたね。

おじいちゃんは歳なのかカード効果をこじつけで済ませましたのがつぼです。そおいやスカレモン救出したらどおするんですかね?新切り札?シンクロ対策?何か出そうですね次のパックのパッケージイラストになるカードとかが

[管理人《増田》] 10-28 21:37 削除
>>Johnny.さん
確かに、来年のパッケージモンスターも気になりますし、EDの龍の存在も謎です。遊星はとりあえずアキから《ブラック・ローズ・ドラゴン》借りて一回フィールドをリセットしたらいいと思います。こういう時に黒薔薇の効果は重宝するんですよねー。

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