07/22の日記

14:13
第119話 「鉄壁のスクラム!強硬守備を打ち砕け!」(アニメ:遊戯王5D's)
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「いいぞ、ヨシ!レアカードなんかに負けんじゃねぇぞー!」























 先週からどれだけ時間が流れたのか。魅力的なチームが多かった決勝トーナメントも既に半分の試合が終了している。


 肝心の大穴チームニューワールドはライディングデュエルの姿を放送する事も無く既に決勝へと駒を進めていた。


 気になるルチアーノとホセのライディング姿を見たかったのだが、もしかしたらプラシドさんがアンドレばりの三縦を披露してくれたんだろうか。


 正直機皇帝だけで本当に無敵の強さを持っているのか不審だったが、どうやら観客はしらけること無く熱狂しているようだ。


 そういえば第3期の一番最初でゴーストにやられた牛尾さんは《機皇帝ワイゼル∞》と戦っているハズだが・・・。恐らく歴史の改ざんか。







「何だと?レアカードが1枚も無い?」


 早速仕入れた情報をファーストホイーラーのジャックに暴露する主人公。かつて相手のデッキを見たからと言って王様に教えようとした凡骨が「決闘者精神に反する」とかで王様に怒られてたっけ。まぁ、遊星はそこまでプライド無いからアレだけど。絆だ。うん。


「あぁ。少なくともデッキにあったのは、全てノーマルカード」


 先週突っ込んだあの白い紙束(暴言)で予選を勝ち抜いてきたチーム太陽。きっと吉蔵はエンジンを修理してくれたお礼にデッキを見せてくれたに違いない。しかしそれなら《岩石の巨兵》とか《バトル・フットボーラー》とか、いやそれすらレアカードなのかもしれんが。


「そんなデッキでよく予選を勝ち抜けたわね。」



「もしかしたらオレ達を騙そうとしてるのかもな。わざと遊星に弱いデッキを見せて―――」


 以前のユニコーン戦ではアンドレにまんまとしてやられた前例があるので、あながち嘘とも言い難いがこれには龍亜が大反論。


「そんな事ない!!太郎たちはそんな事するヤツラじゃない!それはオレが一番良く知ってる!」


 確かに今までで一番平和なチームなのは間違いない。アンドレのようなカリスマ性も、ブレオのような影の薄さも、ジャンのような怪しさも、カタストロフのような胡散臭さも、どっかの究極形態したっぱさんのような残念さも無かったからな。



「いずれにせよ、チーム太陽など敵ではない。オレ達が倒すべき相手は2回戦で当たるチームラグナロク」


 先週の原作画とともに振り返るジャック。どうやらドラガンとの決着にウズウズしているようだ。“神のカード”を相手にする前に《ワイト》とか入ったデッキを相手にするんだから間が抜けても仕方がないっちゃ仕方がない。


「待っていろ――チームラグナロク。」


 しかし、そちらにばかり目がいって眼前の敵に油断するのがジャックだったりするからねぇ。






 そしていよいよ試合が始まる。


 先週の時点でまたもやレモンがやられそうだったにも関わらず、チーム5D‘sサポーターの7割がジャックファンと云うこの超ホームな会場の時点で太陽が既に不利な気がする。


 チーム太陽はいつものジャージの上にプロテクターを付けて登場。そういえばジャックたちは普通にレーシングスーツだけど、正直こういう安全防具を身につけてないな。人一倍クラッシュ率が高いんだからなんとかしたらいいと思うんだけど。


 太郎たちがピットに入るところを見つめる龍亜。






「(どうせいつかは当たるんだ、それが初戦になっただけの事。後はお互い悔いの無い決闘をするんだ。)」





 前回の修理した公園の回想がなぜか入る。あれ、公園にいた時はまだ対戦相手が誰だか知らなかったハズ?一回スタジアムで見た後、また公園に行ったのか?なんか時間軸が・・・。



 そんな太陽にも声援が送られる。こういう世界的スポーツ大会(笑)の観客は圧倒的カリスマ性があるチームか、こういう無名で頑張ってるチームを応援したくなるからね。
















「WRGP――?」



 しかし、そんな思い入れも後2・3話とばかりに早速太郎たちの回想が流れる。



 太郎たちチーム太陽は田舎から来た3人。ボマーさんの故郷とは全然違う、緑生い茂る山々に囲まれた村で梨っぽいのを収穫していた甚兵衛と吉蔵に太郎が話しを持ちかけたのが全てのきっかけだった。


 新聞広告の一面を2人に見せつける太郎。《フェニックス・ギアフリード》と《ドラグニティ−ブラックスピア》と言う最近のストラクチャー事情にちんぷんかんぷんになった二人をよそにOPは始まる。















第119話「鉄壁のスクラム!強硬守備を打ち砕け!」








 太郎の言う事があまりにも無謀だと云う事を甚兵衛の口から教えられる。どうやら彼らはDホイールが無いだけでなく、カードすら持ってないらしい。何・・・デュエリストですら無い・・・だと。


「カードはみんなで集めればいい!」


 まるで近所の公認大会に初めて出ようとしているかのようなノリで語る太郎。まずストラクチャーをだな・・・。


「やめとけやめとけ。そんな世界一を決める大会なんて、オレ達が出たって勝てるわけないだろ。」


 かつてサテライトで暗くジメジメした廃材の中で暮らしていた遊星よりかは全然マシだ。何も命を懸ける戦いをする訳でもない。しかし、あの逆境の中だったからこそ、遊星は数々の才能を発揮し、セキュリティに「おい、デュエルしろよ」と喧嘩を売り、ちょっとやんちゃしてマーカー入れられて脱獄して、今に至る。その刺激からほど遠い生活を送っている今の太郎たちではそもそも覚悟が違うんだな。



 それでも勝ちたいとか、そういう事では無く、今のままの自分じゃ満足できないと太郎は言う。


「このままじゃ――何かやり残したまま終わってしまうんじゃないかって・・・」


 そりゃあ遊戯王に出てるんだから、遊戯王やらずにはいられないだろう。遊戯王のアニメなんだからひたすら30分、梨の収穫や乳搾りを見せられても困るからね。まぁ、いつぞやの話では首に電流拘束具を付けられて鉱石を採掘したり、トロッコゲームする主人公や元リーダーの話があったけど。


「頼むジン――俺、一度でいい!全てをぶつけて何かをやってみたいんだ!」





 その真剣な眼差しに甚兵衛もついに折れる。意外と押しに弱いな。







 しかし、唯一の宛だったDホイールは、どこかの究極形態並(しつこい)に残念な感じだった。どこもかしこもすり切れ、あちこちテーピングで固定してあるし、どう考えても廃車にしか見えないそのバイクをなんとなけなしの3万で買ってしまったらしい。


「なんかカス掴まされたって感じだな・・・。」


 3万あったらシロッコ買って、ヴァーユ買って・・・いや、トリシューラ買って・・・。







 しかし、贅沢は言ってられない。そもそも中古のバイクだってまともにあるのか怪しいこんなド田舎だ。元Dホイールだったものがあっただけでも幸いだろう。


 だが所詮は綺麗事。チーム5D‘sですら「ボルガー&カンパニー」から支援をしてもらって、若干残念なカラーリングにカスタムして貰っているのに、自費で全部やろうとしている太郎たちはスタートラインから圧倒的に不利だったのだ。


 その姿を見つめる太郎の父。いかにも農家の山下さん、と言った感じだ。自分の息子が真剣に打ち込む姿を見て何を思ったか、太郎をガレージに呼び出す。



「あ!Dホイール!!?」



 なんとそこにはさっきのオンボロとは違い、しっかり整った状態で保存されていたDホイールだった。親父・・・あんた。


 息子の気持ちを組んでか。はたまた若い頃の何かを思い出したのか。親父は多くを語らず、息子の旅立ちの意味も込めてそのDホイールを太郎に託したのだった。



 村に響くエンジン音。これでようやく大会への大きな一歩が踏み出せた。だが問題はまだ多い。


「そんなモンできたって無駄だぜ―――」



 先週のキャラがようやく戻ってきたのか、あの冷めた態度で甚兵衛がカードを持ってきた。苦労して集めたものらしいが、どれも低ステータスで効果も持たない通常モンスターばかり。《魔導雑貨商人》で《ライカン・スロープ》を出す事ぐらいしか思いつかないカード達にさすがに意気消沈する太郎。《高等儀式術》が使えないじゃないか(そこ?)


 そもそもこんな村にカードショップすらあるのか怪しい。親父が実はDホイールにデッキをセットしたままで、昔のカードばかりのデッキだったら面白かったんだが、古さではそれこそひけをとらないバニラ達。クズカード呼ばわりする甚兵衛にムっとしながらも、なんとか戦略を考える太郎。


 結局修理できなかったDホイールに3万も使ったせいか、ろくにカードも買えない太郎たち。まさかデッキ構築すら困難を極めるとは。そういう意味じゃボマーさんだって似たようなものだったが。なんてったって《ジャイアント・ボマー・エアレイド》はRareですから。


 いつまでも白い紙束(最悪)を見つめる太郎についにぶちぎれた甚兵衛。思春期特有の理不尽なキレ方に加え、田舎者だからと云うコンプレックスを人一倍感じている彼をよそに突破口とばかりに1枚のカードを目にする太郎。レベル10の地属性の効果モンスターって事ぐらいしかわからないが―――。







 たった1枚の希望のカード。














 時間軸を元に戻して、いよいよスタート。ファーストホイーラーは元キングジャックとミーハー吉蔵。遊星にはあんなに感動していたのに、ジャック・アトラスが隣にいても見抜きもしないんだな。


「さっさと倒しちゃって――!!」



「任せておけ!!」



 なぜか久々に一観客として登場したカーリーの声に答えるジャック。なんだそのピンポイントな芸は。


「(アイツがどんなデュエルをしようと関係無い――おれたちは、おれたちのデュエルをするだけだ。)」


 太郎にもアイツ呼ばわりされながらジャックと吉蔵、そしてチーム5D‘sの1回戦が始まる。




 なんと、遊星とブルーノは手を抜くという言葉を知らず、ジャックの「ホイール・オブ・フォーチュン」を超える瞬発力を太陽のDホイールに組み込んでしまったらしい。



「ブルーノと遊星のヤツ、あのオンボロに何をした?だが所詮、ホイール・オブ・フォーチュンの敵ではない!!」




 アンドレ戦ではあんなに張り合ってたのにあっさりスタートダッシュを取られるも、得意の加速力で今度は逆に追いやるジャック。素人に何ムキになってんだよ。


「いいぞジャック!!そのまま追い抜いちゃえ!!」


龍亜も応援に力が入るが、ふと太郎と目が合い、少々気まずい様子。だが、それを察してくれたのか、太郎は笑顔で龍亜に微笑んでくれた。





 負けじと吉蔵も加速するが、やはり性能と腕の差か、吉蔵は加速に耐えきれずに逆にバランスを崩す。あんなオンボロに傷を付けられたくないと云うプライドでジャックは後退。仕方なく吉蔵にコーナーを譲る形に。



「「デュエル!!!」」




 そしてそのままハイウェイに突入する両者。




「オレのターン!」


○「手札より《キーメイス》を守備表示で召喚!」



《キーメイス》
☆1/光属性/天使族/ATK 400/DEF 300
とても小さな天使。かわいらしさに負け、誰でも心を開いてしまう。


 トーナメントパック2010Vol.2に収録されたのかこのフラグだったのか、ダーツのオレイカルコスに体当たりしたり、カイバーマンの後ろにいたり、龍亜の精霊世界に出てきたりと3世代に渡ってついにライディングデュエルにも姿を現した。


 もちろんこのカードの召喚は、牛尾さんを始め、MCも観客もさすがに動揺する。おかしい、まるで今まで誰もチーム太陽の試合を見てなかったかのような様子。予選の映像とか残ってるハズなのにブルーノは調べてないし、MCすら初見のようだ。




「どうやら遊星の見たデッキはホンモノみてぇだな。」


「って云う事は、やっぱりノーマルカードだけで予選を勝ったのね。」


「どんなデュエルをするか、楽しみね――」





○「カードを2枚伏せてターンエンド!」



「その程度のモンスターでオレの攻撃が防げるか!!」


いつもの定型文を言った後、ジャックの後攻。また《バイス・ドラゴン》だったらどうしよう。


「オレのターン!」


吉蔵LP4000・SPC1
ジャックLP4000・SPC1



●「オレは《ツイン・ブレイカー》を召喚!」


《ツイン・ブレイカー》
☆4/闇属性/戦士族/ATK1600/DEF1000
このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、もう1度だけ続けて攻撃する事ができる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。



 「ジャック・バトル」と共に現れたのは《シールド・ウィング》キラーで有名な《ツイン・ブレイカー》。


 このまま《キーメイス》を殴れば一気にライフを半分以下にできるが・・・。




○「罠発動!《隠れ兵》!!」



《隠れ兵》
通常罠
相手がモンスターを召喚・反転召喚した時に発動可能。
手札からレベル4以下の闇属性モンスター1体を特殊召喚する。



 かつてマリクが《万力魔神バイサー・デス》を呼び出したカードを使う吉蔵。レアカードなんか持ってない!みたいな事を言っている割にはウルトラレアをいきなり使い出したチーム太陽。








○「オレは《手をつなぐ魔人》を守備表示で特殊召喚!」


《手をつなぐ魔人》
☆4/闇属性/悪魔族/ATK1000/DEF1600
「手をつなぐ魔人」はフィールド上に1体しか存在できない。このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は表側表示で存在する他のモンスターを攻撃対象に選択する事はできない。このカードの守備力は自分フィールド上に存在するこのカード以外の表側表示モンスターの守備力の合計分アップする。



 これにより、《手をつなぐ魔人》の守備力は《キーメイス》の守備力分アップ!


《手をつなぐ魔人》
DEF1600→1900


「よし!《手をつなぐ魔人》の守備力が《ツイン・ブレイカー》の攻撃力を上回ったぞ!」


 これでジャックは攻撃宣言を封じられたも同然だが、ここでやめるパワーデッキではない。


「オレは《ツイン・ブレイカー》で《手をつなぐ魔人》を攻撃!!」



《ツイン・ブレイカー》
ATK1600
×


DEF1900
《手をつなぐ魔人》



ジャックLP4000→3700


 敢えてダメージ覚悟の攻撃。だがそれも戦略。



●「このカードは、自分フィールドの戦士族モンスター1体が、戦闘で相手モンスターを破壊できなかった時、手札から特殊召喚できる!《ソード・マスター》を特殊召喚!」


《ソード・マスター》
☆3/地属性/戦士族・チューナー/ATK1200/DEF 0
自分フィールド上に存在する戦士族モンスターの攻撃によって相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
また、このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。




●「オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」



「一気に決めるつもりだな。」


「あぁ、次のターン。レッド・デーモンズが現れる――」






 なぜかラスボスのようなポーズで佇む遊星とクロウ。完全に悪役だな。







 《ソード・マスター》の特殊召喚によって、逆にシンクロ召喚が読まれてしまったが、吉蔵はそれでも戦法を変えなかった。


「来るならこい!オレのターン!」



吉蔵LP4000・SPC2
ジャックLP3700・SPC2



○「オレは《ジャグラー》を守備表示で召喚!」


《ジャグラー》
☆3/光属性/魔法使い族/ATK 600/DEF 900
手品のような魔法で敵を倒す。ハトを出して攻撃もする。



 鳩を出して攻撃する事もできるらしいが、ここはジャグリングを捨てて魔神と手をつなぐ。


《手をつなぐ魔人》
DEF1900→2800


 早くも観客に飽きられながら、吉蔵は徹底して防戦一方。もし、手が無いモンスターを召喚したらどうやって手をつなぐのかな、とか僕はこの時考えていた。



○「カードを1枚伏せてターンエンド!」


「《手をつなぐ魔人》の守備力が2800にアップした!」


「徹底的に守りを固めるつもりね。」



「悪くはねぇが、相手が悪かったみてぇだな。」



「ジャックの《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は攻撃した時、相手の守備モンスターを全滅させる効果がある―――」



悪いのか悪くないのか今イチ不明なクロウさんの予想通り、この戦法ではジャックと相性最悪だが。


「オレのターン!」


吉蔵LP4000・SPC3
ジャックLP3700・SPC3


●「オレは《バトルフェーダー》を召喚!」


《バトルフェーダー》
☆1/闇属性/悪魔族/ATK 0/DEF 0
相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動する事ができる。
このカードを手札から特殊召喚し、バトルフェイズを終了する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。



 どうやら、相手から攻撃してこないとふんだのか、レベル合わせに無理矢理召喚するジャック。




「レベル1の《バトルフェーダー》とレベル4の《ツイン・ブレイカー》にレベル3の《ソード・マスター》をチューニング!!」



「――王者の鼓動、今ここに烈を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》!」





《レッド・デーモンズ・ドラゴン》
☆8/闇属性/ドラゴン族・シンクロ/ATK3000/DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算後相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを全て破壊する。
このカードが自分のエンドフェイズ時に表側表示で存在する場合、このターン攻撃宣言をしていない自分フィールド上のこのカード以外のモンスターを全て破壊する。


 トールに殴られてからすぐさままた登場のレモン。その矛先を魔人に向ける。

「攻撃力3000――!?」



「くっ、レアカード――・・・。」



 何かとレアカードに反応する甚兵衛。だが、現実では《レッド・デーモンズ・ドラゴン》より《隠れ兵》の方が――。


「オレは《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で《手をつなぐ魔人》を攻撃!!」






「アブソリュート・パワーフォース!!」


○「罠発動!《城壁》!!」


《城壁》
通常罠
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの守備力はエンドフェイズ時まで500ポイントアップする。



―――っ普通だー!


《手をつなぐ魔人》
DEF2800→3300

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》
ATK3000
×


DEF3300
《手をつなぐ魔人》


「何!?」


ジャックLP3700→3400



「あいつ、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の攻撃を跳ね返しやがった!?」


 遊星の《牙城のガーディアン》の3分の1しかステータスを上げないこのカードはさすがに全員予想外。


「徹底的に守備力を上げる戦略・・・」




「いいぞ、ヨシ!レアカードなんかに負けんじゃねぇぞー!」




 テンション上がる甚兵衛。キャラがコロコロ変わるなぁ・・・。


「己舐めた真似を!だが、《レッド・デーモンズ・ドラゴン》は守備表示モンスターを攻撃した時、フィールド上に存在する守備表示モンスターを全て破壊する!!」


「デモン・メテオ!!!」







○「永続罠発動!《スクラム・フォース》!!」


《スクラム・フォース》
永続罠
自分フィールド上に守備表示モンスターが2体以上存在する場合、守備表示モンスターは相手の魔法・罠・効果モンスターの効果によって破壊されない。



「!?」



「また跳ね返した!」


「あのモンスターだけで、あそこまで守り抜くとは・・・。」


 なんとレモンの攻撃を凌いだ吉蔵。相手にはカウンターダメージばかり与えているが、それだけで0にできる訳にはいかないはず・・・。


「オレのターン!」




吉蔵LP4000・SPC4
ジャックLP3400・SPC4



○「今度はこっちの番だ!《スピード・ワールド2》の効果発動!!」


「何!?」


《スピードワールド2》フィールド魔法
「Sp(スピードスペル)」と名のついた魔法カード以外の魔法カードをプレイした時、自分は2000ポイントのダメージを受ける。
お互いのプレイヤーはお互いのスタンバイフェイズ時に1度、自分用スピードカウンターをこのカードの上に1つ置く(お互い12個まで)。自分用スピードカウンターを取り除く事で、以下の効果を発動する。
●4個:自分の手札の「Sp」と名のついたカードの枚数×800ポイントダメージを相手ライフに与える
●7個:自分のデッキからカードを1枚ドローする
●10個:フィールド上に存在するカードを1枚破壊する



「スピードカウンターを4つ取り除き、手札の「Sp」1枚につき、800ポイントのダメージを与える!!」


「ぐっ―――」




ジャックLP3400→2600



○「さらに《ドレイク》を守備表示で召喚!」


《ドレイク》
☆3/風属性/鳥獣族/ATK 800/DEF 800
しっぽが長い鳥。そのしっぽで空中から攻撃する。


 ここでOCG初の鳥獣族、《ドレイク》さん召喚。《キーメイス》と手をつなぐ姿はなんだか異様。


《手をつなぐ魔人》
DEF2800→3600


○「ターンエンド。」



「なるほどそういう事か。」


「《手をつなぐ魔人》で徹底的に守り抜いて、《スピード・ワールド2》で効果ダメージを与える・・・。それがチーム太陽の基本戦術。」


「フィールド魔法《スピード・ワールド2》は大会規定により破壊する事のできないカード。もっとも安定した効果を発揮する事ができるからね。」


「しかも永続罠《スクラム・フォース》で《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の効果破壊は封じられている。」



 どうやら《スピード・ワールド2》の非破壊は大会規定らしい。普段は実は規制しないのか?そんなわけないか。






「オレのタァーン!」



吉蔵LP4000・SPC1
ジャックLP2600・SPC5



●「モンスターが破壊できないなら、直接攻撃するまでだ!オレが本当の「Sp」の使い方を見せてやる!!」



●「《Sp−ソニック・バスター》を発動!」


《Sp−ソニック・バスター》
自分用スピードカウンターが4つ以上ある場合に発動する事ができる。
自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体の元々の攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。



「うわあああ!!」




吉蔵LP4000→2500



 これは吉蔵に大ダメージ。意地でもパワーで押し通すジャック。素人相手に何をムキになっているのか。




●「カードを1枚セットしてターンエンド!」




「やはり守っているだけじゃ限界みたいね。」


「そろそろ戦術を変えてくるか・・・?」



「オレのターン、ドロー!」




吉蔵LP2500・SPC2
ジャックLP2600・SPC5


○「オレは《コピックス》を守備表示で召喚!!」


《コピックス》
☆2/地属性/戦士族/ATK 600/DEF 500
いろんな奴に変身して、相手をだましながら戦う戦士。





 ついにモンスターカードゾーン全てを守備モンスターで固めた吉蔵。それにともない、もはやオベリスクおも超える守備力になった《手をつなぐ魔人》。


《手をつなぐ魔人》
DEF3600→4100

○「ターンエンド!」





しかし、お金を払って見ている観客は、この代わり映えしないチーム太陽のプレーに不満があるらしく、野次が飛び交う。




「くっ、―――」


「ほっとけ、ジン。」


「なんと言われようと、オレ達はこの戦い方しかないんだ。」キリッ




 どんどん格好良くなっていくリーダー太郎。それに答えるように以前、守りに徹する吉蔵。しかし、遊戯王一のパワーデッキを自負するジャックに何ターンも与えたのが間違いだった。






「ならば守りを崩すまで!オレのタァーン!!」


吉蔵LP2500・SPC3
ジャックLP2600・SPC6



●「罠発動!《デモンズ・チェーン》!!」


《デモンズ・チェーン》
永続罠
フィールド上に表側表示で存在する効果モンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターは攻撃する事ができず、効果は無効化される。
選択したモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。



《太陽龍インティ》以来の登場。アニメでもかなり強力だよな。これ。機皇帝に使えばいいじゃないか。




「モンスター効果を無効に!?」



《手をつなぐ魔人》
DEF4100→1600



 ここで一気に壁が崩れるチーム太陽。


●「さらにオレは、手札から《ランサー・デーモン》を召喚!」


《ランサー・デーモン》
☆4/闇属性/悪魔族/ATK1600/DEF1400
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを攻撃対象とした自分のモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


「オレは《ランサー・デーモン》の効果で《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に貫通効果を与え、《手をつなぐ魔人》に攻撃!!」



「アブソリュート・パワーフォース!!!」





《レッド・デーモンズ・ドラゴン》
ATK3000


×
DEF1600
《手をつなぐ魔人》


「ぐうぅ!!」


吉蔵LP2500→1100


 《スクラム・フォース》が残っている以上、モンスターは一掃できなかったが、それでも相手の強固な壁をうまく突破する事に成功したチーム5D‘s。


「これでライフポイントは2600対1100!」



「チーム太陽のキーカード。《手をつなぐ魔人》も破壊したわ。」


「見えたなこの勝負――」





 一同が安堵する中、遊星は反対側のピットを見つめる。そこで待機する太郎たちはなにやら余裕の表情で話し合っていたが。


「まさか、まだ策があるというのか―――」






 果たして試合の行方は――。















「行くぜ!ジャック・アトラス、次はオレが相手だ――オレは《手をつなぐ魔人》を守備表示で召喚!!」


「何?またしても同じ手を!?そんな時間稼ぎの戦略で何が出来る!?」


「あの戦い方――彼らは何かをしようとしている。それは一体――。」


「そうだ、これがおれ達の信じた戦い。おれ達はレアカードなんかに負けねぇ!!」








次回、「想いをつなげ!手をつなぐ魔人」



 まさかの予告は甚兵衛。しかもキーカードは《キーメイス》。



 何が起こるのか、何が待っているのか。ジャック―――。







 気づいたけど、もしチーム太陽とチームニューワールドが当たっていたら、機皇帝は《手をつなぐ魔人》を突破できないんじゃないか。



 い、いや、そ、そんなば、馬鹿なっ、





 ライディングデュエル・スタンバイ☆




 



☆コメント☆
[メタル化寄生生物ルナタイト] 07-23 13:44 削除
ご無沙汰してましたルナタイトでーす
なんか最近は優秀な作監が連続していますね
来週はナスカで見た高橋回のようにも見えましたし・・・
次回も楽しみです

[管理人《増田》] 07-25 19:04 削除
>ルナタイトさん
太陽の切り札が気になるところです。
展開的には吉蔵・甚兵衛は太郎のキーカードのための時間稼ぎの戦法に見えます。
それは間違いなく回想シーンで出てきたあのモンスターが鍵でしょう。何にしてもチーム太陽のようなテクニカルじゃないテンプレート作戦は凄いと思います。守備相手なら遊戯王一のレモンを止めるくらいですからね。《城壁》

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