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テキストはランダムで短編がでるようになっております。(現在4種類)
拍手用 長門さん+コンピ研(CPなし)
コツコツコツ――静かな廊下に小気味よい靴音が響いている。
コッ――一つの扉の前まで来たところで少女は足を止めた。
どこか躊躇うように、期待するように扉を開けた少女は、部室に誰もいないことを見て、静かに唇を動かす。
……ただいま。
しかし彼女のつぶやきは音声にはならず、虚空に消えた。
少女は決まりきったコースをたどり、机上に鞄を置いてから、また外へ出た。
向かう先はコンピュータ研究部。わたしが久しぶりにそこを訪れようとしているのは、彼らが騒がしかったから。
迷惑だということではなく、彼らがこんなに騒ぐものに興味があった。
わたしが何も言わずに扉を開けると、彼らが狂喜乱舞していた。
「部長っ、長門さん来ましたよ!」
「あっ、長門さん!」
その言葉と同時にこの部活の部長を務めている彼がわたしの所へ駆け寄ってくる。
何があったのか、と訊く前に彼はわたしの肩をいたわるように優しく掴んだ。
「聞いてください、拍手ですよ拍手! とうとう僕たちのホームページにも拍手が……。早く長門さんに知らせたくて、今呼びに行こうとしていたんです」
興奮しているのか、まだ頬を紅潮させている。
「……そう」
落ち着かせるように手を重ねると、彼の体温が心地よく伝わってきた。
「そう……ですね。はい、もうだいじょうぶです」
深呼吸をして気持ちを静めるようにゆっくりとした動作で部員たちへ振り返りながら、彼はリーダーシップを発揮する。
「みんな、お礼を言おう」
『はいっ!』
彼らの中には涙ぐんでいる者もいた。
「せーのっ」
『ありがとうございましたーっ!』
わたしも心の中だけでつぶやく。
口に出さないのは恥ずかしいからではなく、その必要性を感じなかったから。
……だって、こんなにも感謝が溢れている。
文芸部室に戻ってからみんなにどうやって報告しようか考え、わたしは不思議と心が暖まるのを感じた。
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