選択肢付き短・中編
□王様ゲーム
「はーい、みんな注目!」
大声を発しながら扉をあけたハルヒに、当然の如く俺はツッコンだ。
「何をする気だ」
「王様ゲーム」とハルヒ。「本当は男女の人数を揃えた方がいいんでしょうけど、合コンみたいになるのが癪だからこのままでいいわ」
「それはそれは」
決まりきったポーズで驚く古泉と、
「王様ゲーム……?」
小鳥の鳴くような声でもともと丸い目を更に丸くしている朝比奈さんと、
「…………」
ハルヒの話を聞いているのかいないのか無言で本を読み続ける長門。
それぞれの反応を見渡してから、ハルヒは満足げにうなずいた。
「さあ、始めるわよ!」
王様ゲームのやり方が解らないらしい朝比奈さんに「夏休みにやったじゃない。ほら、孤島で」との説明だけで強行し、朝比奈さんはあたふたしながらもハルヒの指示通りその辺にあったプリントで作った簡易版のくじを引いていた。
「王様だーれ?」
ハルヒの掛け声に手を上げたのは――
- 「あたしよっ!」
- 「…………」
- 「あの、あたしです……」
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