歌モチーフ
□蒼い孤島/茅原実里
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日に日に満たされたいという思いが強くなっていく。
彼に触れたい。触れてほしい。
本来なら叶うはずだった夢も、まるで砂の城のように簡単に壊れてしまう。
それでも、彼と一緒ならいいと思った。
そうして、僕たちのことが涼宮さんに知られて、起こった嵐が城を壊すのだろう。
それならそれでいい。
愛し合う人と愛し合えないようなこんな世界なんて滅びてしまえばいいんだ。
今日しかない、と思った。
SOS団の活動が中止になったというメールをみた直後に彼に呼び出しのメールを送る。
そうして、自分はひと足早く部室に赴いた。
今までの思い出が詰まった部屋。
僕と彼を邪魔し続けた神が占拠する、忌まわしい部屋。
僕はここで、彼と結ばれるのだ。
僕たちだけの孤独。
それすら、神からの祝福にも思える。
それがなかったなら僕はこんな大胆な行動に出られたと思わないから。
自然とこぼれる笑みは、作り笑いではなかった。