歌モチーフ
□シアワセナリス/小野大輔
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あの約束から何年経っただろう。
間違いなく僕たち二人は幸せに近づいている。それも、かなりの猛スピードで。
それでも息切れも壁も感じる気配すらないのは彼と、SOS団の皆さんのおかげだと思う。
「好きです。愛しています、あなただけを」
「知ってるっての」
「確認しましょう?」
そう言いながら彼の耳たぶに口付けると、彼が可愛らしい悲鳴をあげた。
「ひぁっ……んなことしなくても、解るっ……だろうがぁ……!」
「将来は僕にくれるのではなかったんですか?」
ああ、幸せだ。
幸せすぎて怖くなりそうな幸せをくれたのも、それを怖がらなくてもいいことを知ったのも全てこの部屋だ。
その日見た夢はおじいさんになった僕たちが二人で、明かりのついた部屋で今以上に幸せそうにお茶を飲んでいた。
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