短・中編

□長門有希の告白 番外編〜古キョン〜
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 顔を赤くして上目遣いをしながら言う彼。目眩がするくらい可愛いが、これくらいで許すつもりはない。
「何をです?」
「……処理」
「何の?」
 もう体全体が仄かに赤くなっている彼は僕の手を問題の場所に導いて、
「ぁぅ……ここ、の……っ!」
 言いながら照れている。この辺で勘弁してあげよう。
 くすりと笑い、
「仰せのままに」
 きゅっとそこを握り込むとぴくりと体が震えた。
「あぁ……っ」
 体制的に口が近づけられない。彼の腰を抱いて半回転させ、お風呂用の小さな座椅子に座らせる。かなり恥ずかしい体制になるが仕方ないだろう。
「ちょ、こいずみ……」
 既に先端から滲み出ている液を音をたてて吸い、舐め取るように舌を這わせる。
「うんっ、あぅっ……」
 彼はいつ聞いてもいい声で鳴く。携帯の着信音にしたいくらいだ。
「もう…っ…イく、からっ……」
「どうぞ」
 そこに集まっている血液を全て吸い取るように舌を絡める。
「あぁぁぁぁっ!」
 ひときわ高い悲鳴の後、くたりとしている彼に口腔内に出された白濁液を残したままくちづけをしてみた。
「けほっ、かほっ……てめっ、何考えてんだ!」
 怒られた。そりゃそうだ。僕が彼の立場ならそんな反応をするだろう。きっと。
 きっと目をつり上げる彼。
「可愛いです」
 膨れた頬にキスを落とし、もう一度唇に触れる。
「ん……ばか」
 赤くなりながら呟いたところを見ると、どうやら許してくれたらしい。
 その後じゃれあいながら細かい後始末をしてお風呂から出た僕たちを有希が冷たい目で見ていたのは言うまでもない。


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