歌モチーフ
□蒼い孤島/茅原実里
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僕は彼のことが好きだ。
彼も僕のことが好きだ。
それを強く認識すればするほど、僕たちは離れていった。
触れてはいけないからと、自分に嘘を吐いて。
そして、それ以上に怖かったのだ。
こんなに熱く燃え上がっている恋が更に抑えきれなくなることが。
距離をおけばそれが自然に収まると思った。
それなのに、今僕の心は、彼でいっぱいになっている。
涼宮さんの言うように、これは精神病以外の何物でもない。
それなら、もういっそのこと……
浮かんでは消える穢らわしい誘惑に、うなずかないように必死になった。
自分の中で渦巻く汚い感情に流されてしまいたかった。
彼の瞳に映る僕は、僕ではない。
僕自身を見てほしい。
僕ではない僕に与えられる優しげな視線は、憎らしいとすら思った。
それが僕の孤独を深めるのに。
そばにいられないなら、突き放してくれればいいのに。
彼が、僕と同じ孤独を感じていたらどんなにいいか。
そう考えて、自分勝手な思いに吐き気がした。