歌モチーフ
□ひとりごと/BUMP OF CHICKEN
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たまにあなたを見ていると考えることがあるんです。
自分でも無意識のように人に渡せるあなたの優しさと、あなたに渡そうとしたら粉々になってしまった僕の優しさは恐らく違うのだろうな、と。
やっと僕はそれが解ってきました。
喩えば僕があなたの為に生きたとしましょう。
でもそれは、僕の為になってしまうのです。
だって、僕がそうしたくてしているだけだから。
あなたを笑わせようとしたって、結局僕があなたの笑顔を見たいだけなのです。
……ごめんなさい。
初めて出来た仲間と呼んでも差し支えない人たちに嫌われたくなくて、僕は僕を押し付けるだけでした。
涼宮さんは「古泉くんは優しすぎるのよ」と言ってくれますが、僕はどうしてもそうは思えませんでした。
僕だって優しくなりたいとは思います。なりたいけどなり方が解らないのです。
あなたにいろいろなものを渡したいと思います。
でも、僕の心の中には僕の為のものしかないからそれができないのです。
また、僕は考えました。
そうしたらさっきより解ってきました。
あなたからもらって、今も僕の中にある、これが優しさだと。
……そうですね。あなたは覚えがないでしょう。
きっとこれはあなたが知らないうちに僕にくれたものですから。
決して僕が奪った訳ではありませんよ?
あなたが、お得意の無意識で僕に渡してくださったのです。
僕だけではありません。
誰もが自分を売り込むだけに優しくみせているだけに過ぎません。
そんなの優しさじゃない。
優しくなりたいなんて言っているくせに人のあら探しをしてしまう自分に嫌気が差しますよ。
僕が一番穢らわしくて汚ならしいですね。
……まったく。
こんなことをつらつらと考えるなんて僕もそろそろおかしくなってしまいましたかね?
そんなことない、と否定する僕もいます。
人間なんてそんなものでしょうか。
何も望まないでいたいのに、それが望みなのでもう望んでしまっているのです。
だからこの望みは叶わない。
それに気付いたのも最近のことです。
僕が次に望んだことは、あなたのようになりたい、でした。
あなたのように、自分でも気がつかないうちに人の為になりたかったのです。
人の為、と言いましたが、それはあなたの為、とも言い換えられるでしょう。
……ええ、そうですね。
少し考えすぎかもしれません。
心配するな、というあなたの言葉だけで自然と笑顔になれてしまうのですから、僕も解りやすいですね。
……ありがとうございます。