短・中編

□Our house is always warm, even in winter.
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 朝起きてリビングへ向かうと、窓の外が一面真っ白だった。
 家の中でさえも薄く息が白くなるくらいの身を差すような冷気が渦巻いている。
 わたしはこれでも平気だけれど、寒がりな彼らのことを考えて暖炉に薪をくべると、ぱちぱちと音をたててそれが燃えた。
 キッチンで作る料理は、体を暖めるようにと焼魚にお味噌汁。
 魚が焼き上がる頃になって起きてきた彼は、わたしを見て微笑んだ。
「おはようございます、有希」
「おはよう、パパ」
「いい匂いですね。……焼魚ですか?」
「そう」
 わたしは盛り付けをしながら答える。
「おいしそうですね」
 彼はそう言って微笑みをさらに深くしながら、わたしの頭を撫でた。
 魚が焦げてしまう、と思いながらもそれが気持ちよくて、わたしは頭を擦り寄せる。
「もう、有希は甘えん坊ですね」
 言葉はたしためるようなのに、わたしの耳にはその言葉が甘く響いた。
「焦げちゃう」
 温もりが離れるのは惜しかったけれど離れられたのは、それが今の気分で与えられているものではないと知っているから。
 いつでも、彼らはわたしにこう接してくれる。
 そのことが何よりも愛しい。
「待っていますね」
 と言いながらわたしが盛り付けた皿をテーブルに並べるのを見ているのも。
 だからわたしは早くその温もりを感じたいと、料理を急いだ。
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