短・中編
□長門有希の告白 番外編〜古キョン〜
1ページ/3ページ
場所は僕の家の脱衣場。
息がかかるほど近くにいるのはなんと彼だ……!
夢に見たような最高のシチュエーションに自然と頬が緩む。
「ニヤニヤするな、気持ち悪い」
ぶっきらぼうな彼の言葉。でも結局一緒に入っていただけるってことは満更でもないんじゃありません?
「あれは、なが……こほん、有希がだな……」
「有希に感謝ですね」
また顔の筋肉が弛緩するのを感じる。
ぶに、と頬に指を突き立てられた。
「またにやけてる」
その指を離すと彼は自分の服に手をかけ、
「お前も早く脱げ」
少し赤くなりながら言った。
可愛い……!
「狭いな……」
僕の呟きが聞こえていたのかどうかそっぽを向いて言い訳のように言う。そりゃ脱衣場は二人いるように出来てませんからね。
「つーことで、俺は先に入る」
あ、ちょっと……
かちゃりとドアを開けた所で立ち止まっている彼に危うくぶつかりそうになった。
「どうしたのです?」
「広い……」
また絶句。
僕も最初は驚きました。
って、なんかこのやりとりデジャビュ。あなた家に初めて──のときは気づかなかったんだっけ──二回目に来たときも同じ反応してましたよね。
素直なリアクションが可愛いすぎて目眩がする。本当に、あなたって人は……
「うるさいっ」
不機嫌な顔で言ったのも束の間、
「古泉っ、入っていいか?」
子供のようにキラキラした瞳で僕を見つめる。ちょっといじめてみたくなってきた。
「その前にすることがあるでしょう?」
「は? ちょ、お前変なことはしないって……」
首だけで振り返る彼。
シャワーの温度を自分の手首で確認しながら訊いてみる。
「何を期待していたのです?」
「ばっ、期待なんてしてねぇ!」
真っ赤になって反論する彼。その反応が何よりの証拠だ。
「湯船に浸かるときはまず汗を流してから。常識でしょう?」
「まあ……な」
おや、残念そうな顔をしていらっしゃいますが?
「う……うるさい」
シて欲しいならおっしゃって下さいね。
「誰が言うか」
照れてることがバレバレだ。
「では僕から言わせていただきます」
まさか僕と入浴した以上、何もしないで出れるなんて思ってませんよね?
「シたいです」
素直に言ってみた。
「っ……ばかっ! 変なことはするなって言っただろ!」
おや、こんな可愛い姿を見せつけられて何もしないほうが不自然だと思いますが?
「屁理屈……っ」
心配しなくてもだいじょうぶ、本番はしません。
「だったら何を、」
「ここ……綺麗にするんでしょう?」
円を描くようについさっきまで僕と繋がっていた部分に指を這わせる。
「ひぅっ……」
途端に切なげな声を漏らす彼。可愛い……!
「さっきから可愛い可愛いって……うるさいっ……」
そういう意地っ張りな所が可愛いんです。
「そうじゃなくて……っ!」
浅く入れた指を動かすときゅっと歯を食いしばって声を我慢する。
「うぅ……っ」
あなた、これくらいでこんなに反応する人でしたっけ?
「さっき……、イった、からっ、……」
律儀にも説明してくれた。なるほど、ではこんなことしたらどうなるんでしょう?
「あぁぁん!」
ティッシュでは処理しきれなかった僕の精液がローションの役割をはたしたのか、意外とすんなり指が入った。そのまま前立腺をかりかりと引っかく動作をする。
「んっ、あぁ……うぁ」
彼はというと、立っているだけの力が入らなくなっているようで壁に手をついて腰を突き出すような格好をしていた。……正直それ、かなりそそるんですけど解ってます?
「やんっ、あぅ……」
ぐりぐりと中をかき回す度に悦びの声があがる。可愛い!
「あれ、ここも……」
勃ち上がっているそこをなぞり、
「後始末で感じてしまったんですか?」
真っ赤に染まっている耳元に唇を近づけて囁く。
「お前がっ……」
僕が、何か?
「うますぎる、からっ……」
うまいも何も、ただお掃除をしているだけなのですが。
小振りな耳たぶをぱくりと口に含み、甘噛みをする。
「これはっ……、掃除じゃないだろっ……」
おや、気づきましたか。
「んぁぅ……」
では、と本格的な後始末を始める。もちろん遊びを含んでいるのだけれど。
「あぁぅ……っ……!」
くちゃくちゃといやらしい音をたてながら中をかき混ぜていく。ときどき指を出しながら、ちゃんと洗浄の意味も込めて。
一通り綺麗になったところでまた後始末をしなければいけないものが増えたようだ。
「前……このまま出るわけにはいかないでしょう?」
「っ……」
「シて欲しいならお願いして下さいね」
「誰がするかっ!」
「では自分でしますか?」
「っ……!!」
さて、彼はどっちを選ぶだろう。
「シて、くれ……」