夜想曲ーa nocturneー

□*絆崩壊篇*
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ゲホゲホと、血を吐き出す和来
実は、もうすでに
彼の背中には堕天使の翼のような模様が
現れていたのだ
急速に進行したためでもあるが、
和来は気付いていない。

むしろ、
真っ赤になりたい方が勝っているようだ。


「・・・・・真っ赤になりたい。」
と、和来は呟きながら
朝霞の遺体を安全な場所に移し
ふらふらしながら、
血塗れになりたい衝動を抑えていた。


彼の場合、学院の地下にある研究所で
能力に関する研究と表した"人体実験"及び"虐待"に遭わされた挙げ句に、
「堕天使症候群(ルシファー・シンドローム)」の実験体にされた。

しかも、実験体になった日に
ステージ3の状態に近い状態になっていたのだ。

その為、更なる人体実験を和来に施した。

それが原因で、彼は自ら
武器である鎖鎌の
「可憐(かれん)」が具体化させて
研究所を一瞬で残劇の場にさせたのだ。

騒ぎを聞き付けた由比と対峙したあと、
記憶を少しだけ操作されて今に至る


「・・・・・・はぁはぁ。
あの日に、由比さんと約束したのに。
戦う時以外に真っ赤になってはいけないって

だけど・・・・・今は無理だ。我慢出来ない。」


瞳を赤くした和来の手には

小型のナイフが握られていた。

「朝霞くんを真っ赤にはしない。
僕の身体を真っ赤にするんだ。

(ズシャ)

キレイな血・・・・・・足りない。」


和来は、自分の腕を切りつけ始めた。
血の匂いが、充満していく・・・・
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