夜想曲ーa nocturneー

□*絆崩壊篇*
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由比は流れ続ける涙を拭い、
受け付ける準備を始めた。

朝霞の死は、誰も予想していなかった
いや寧ろ、彼が死ぬ宿命だと知らなかったのが真実だったのだ。


一方。

月舘双子と清音を見送った和来は、
安らかに眠る朝霞の遺体を見つめていた。

4人と対峙している時の自分が・・・
自分だけが"不幸"だと思っていた事

彼等も、和来に対して"裏切り者"と思い
"自分達だけ不幸"と思いながら生きていた事を知った。

そして、朝霞はそれ以上の悲しい宿命
[双子の兄である清音の為に"神剣"を産む]
と、言う悲しい宿命を背負わされており
父親により、清音と双子だと言う事を
記憶から消されて・・・死ぬ宿命為だけに
生かされていた事も露見した


和来は、
その宿命にいち早く感づいていたが
止める術すら持っていなかったために
宿命を変える事さえ出来なかった。

それに、
清音の方が悔やんでも悔やみ切れないほど
後悔に押し潰されても可笑しくないのだ

弟の朝霞は、
"神剣"を産み死ぬ事を望んでいたのだ。
全てを知ったときには、既に遅し。

彼は、
自らの命をかけて"神剣"を産み、死を選んだ
産み出した"神剣"を託して。




霞の遺体を託された和来は、
ボソッと朝霞の遺体と向き合う





「ねぇ。君は、本当にこんな終わり方で良かったの?朝霞くん・・・・


(ゴホッ)

ヤバイ。

真っ赤になりたい。血を浴びたい。」





和来の眼が紅くなっていた。



そう・・・・・


「"堕天使症候群"(ルシファー・シンドローム)」が急速に進行していたのだ

だか、彼は気づいて居ない。
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