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□傍らの傷
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オマエから届く言葉を
心煩わしく感じてしまった時点で
俺は何かを切り離そうとしていた






耳障りな呼び出し音
今すぐに断ち切りたくなっている
俺はオマエが嫌いそれでいいだろ




どうして傷つく
どうして気付く
何故この棘に触れる


「オマエは馬鹿だな」と俺が言えば
オマエは「そうだ」と笑って答える




わからないか
俺は何もかも繋ぎ留めていられるような器用な人間じゃない


察してくれよ
俺が何を感じ考えてるのか
オマエは言う「なら伝えてみせろ」


言葉にしなければ伝わらない
心が通ってたとしても同じだ


俺は怯えてるだけ






離れていく手
それを思い出す
俺は別れが恐い


この手からオマエがいなくなるのが恐い
だから
いっそ自ら終わらせてしまいたくなる


少しは楽にと
本当の馬鹿は
俺の方なんだろうな






呼び出し音
それでも俺は答えを出せないままだ

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