-06-

□約束
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書き記された懐かしい文字
あれから幾つ時は流れたのか
満たされない月の下には
記憶だけが置き去られていて






声が聞こえた気がして
振り返ったそこには
古ぼけた二人の文字
「生きることを諦めるな」




逃げ出したい夜を幾つ越えて
ここまで辿り着いたんだろう
ごまかすように浮かべた笑み
-俺は一生忘れない-




もう一度ここに来て
笑い合いたい
何処に行ったって
俺達は俺達なんだって


また聞かせてよ







いつだって傍にいたのに
擦れ違ったわけでもなく離れ
どうして?窓から風が吹いた




当たり前だったこと
全部愛しく変わって
俺を苦しめるんだよ
泣き明かした夜から


強くなった?
弱くなった?
聞かせてよ
またあの詩を歌って






どんなに悔やんだって戻せない時間
その為になら何だって出来るのに
どうしてこうなってしまったんだ




まだ覚えてるか?


あの夜明けを二人で見た時のこと


戻ろう


もう今更遅いけど
もし今ここにオマエがいるとしたなら


言うよ
「ホントにありがとう」









風が吹き抜ける
あの頃の俺達は
ここにはもういないんだ

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