銀魂駄文
□放課後
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風が肌を刺すような冷たい風が吹いていた時期から、急に暖かい風が吹く時期になった今、3月この銀魂高校にも卒業式という一年間の最後の行事があった。
このお話は卒業式の少し前のお話。
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が学校内に響き渡る。ざわざわと生徒達が帰宅の準備を始めぞろぞろと帰って行く。
とあるクラス『3年Z組』の生徒もぞろぞろと帰って行く。
「銀ちゃーん早く帰るアルヨ」
このクラス留学生の神楽が銀色の髪の彼女の腕を引っ張り急かすように足をばたつかせる。
「ごめん神楽俺行く所あるから先帰ってて!」
「…分かったヨ。んじゃまた明日ネ銀ちゃん」
少し寂しそうに神楽は言った。
「ごめんな神楽」
彼女は優しくぽんぽんと神楽の頭を撫でた。
銀色の髪を持つ彼女、坂田銀時は急いで鞄に荷物を詰めて教室を出て行く。
銀時が一目散に向かったのは、数学準備室だった。
扉の前で銀時は髪と制服を整えノックした。
「大串せんせー」
返事を待たずに扉を開けた。
「お前勝手に開けんなよ。それと俺は大串じゃねぇ!!」
不機嫌な声でくわえていたタバコを揉み消した。大串と呼ばれた彼は3Zの担任土方十四郎である。
「まぁ良いじゃん細かい事は」
いつものようにソファーに荷物を置き、椅子に座る彼の背後から抱きしめる。
「何だ?めずらしいな銀時」
土方は銀色のふわふわした彼女の頭を優しく撫でてやる。
何時もは学校だと見られたら嫌だと言って付き合い出してから一度も抱き着いたりしたことないのに今日は珍しい雨でも降るのかと土方は思った。
「なんとなくだよ…もう少しで卒業だろ?だからサービス」
彼女の腕が先ほどより強く抱きしめる。
「何?寂しいのかよ?」
少しからかうような口調で土方は言った。
銀時は少し怒ったのか土方から腕を離した。
「寂しいわけねぇじゃん。」
彼から離れソファーに座る。
「嘘つけよ」
土方も銀時の隣に座り銀時の顔をのぞきこむ。が、銀時は土方から視線を反らす。
「俺は寂しいぞ?毎日お前に会えなくなるからな」
いきなりそんな事を言い出した彼の方を見ると漆黒な瞳に見つめられた。彼女は頬を朱く染めた。
「な、何バカなこと言ってんだよ!」