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□dress up in love(6)
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銀時は近藤の隣に膳を置く土方の酌に行く。





「土方くん、どうぞ」
「……ん…」





銀時にビールをすすめられた土方は小さく頷いてコップを出した。コポコポと音を立てて注がれた黄金色の酒を土方が煽る。

銀時は、軽くコップの縁を挟む唇ばかりを見つめてしまう。

モデルとして日常的にメイクを施されている土方の柔らかそうな唇が酒に濡れて光っている。




見ているだけで、ぞわりと快感が走る。





『取り引き』のことはまだ言ってないが今日中に実行するつもりだ。

しかし今日は、もう1つ目的があって謝恩会に参加していた。

ある意味『取り引き』よりも重要なことだ。





「なぁ、土方くん。お願いがあるんだけど」
「何だ?」







「俺を『Truth』の専属にしてくれよ」







銀時は、この一言を言うためにこれまで頑張ってきた。

あと数日で契約が切れるが、専属になれば、ずっと土方と一緒にいられる。

『取り引き』をした時から決めていた。







これからも土方のためにデザインを描こう。







これだけ売り上げに貢献してきたのだ。もちろん銀時は快諾されると思っていた。

だが。









「駄目だ」









土方は断った。

土方は銀時を断ち切った。








「え?」








コイツは何を言ってるんだろう。

駄目? どうして?

「……なんで? 俺、半年間頑張ってたんだよ…」

土方に認められたくて。

土方に求められたくて。






好きに、なってもらいたくて。





なのに。

「専属になりてぇなら『取り引き』は無しだ」

すべてはこれからだと思ってた。






『取り引き(kiss)』なんて、ただのきっかけに過ぎないのに。






キスすれば、契約は切れる。会うことも出来ない。

キスしなければ専属にはなれるが、キスを拒まれたということは、土方に拒絶されたと同義だ。







(……なんだよ、それ……)






浮かれていた気持ちが地に落ちた。

半年間の努力を全部、踏みにじられたのだ。





気が付けば、銀時の拳が土方の頬を殴っていた。




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