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□優しい白は夢で笑う
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「寄り道したんだ。ちょっとだけお話しようよ……坂田氏」




額にバンダナ。袖を切ったデニムのジャケット。指の出た手袋。

そんな独特のコスチュームと相容れない一振りの刀。

それは土方十四郎の別人格である彼のお馴染みの姿。

「よぅトッシー」

銀時が気さくに挨拶を交わすと土方の顔だが土方とは全く違う彼は控えめに笑った。

「お別れをいいにきたんだ」

「……だろうな」

銀時は見ていたし覚えていた。

リングで新八とぶつかり合った彼の雄姿を。

「悔いはねぇンだろ? お前はちゃんと生きた」

「うん」

頷くトッシーに迷いはない。

彼は生きた。

―――――生きていた。




「……でも、1つだけ、思い残すことがある」

悔いではない。

ただ、思い残すことが、あった。

「なんだ?」





「土方君のことを」

土方十四郎のことを。




「……守ってほしい」

―――護ってほしい。




「真選組は土方君を守れない。真選組は居場所だから。

いつでも土方君の後ろにある。後ろにあるものは支えにはなるけど守ってはくれない。

近藤氏も沖田氏も山崎氏も、土方君は守れない。彼らは一緒に戦うから。土方君は守られながら戦うなんて、しない」




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