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□earpick
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「………もっと…奥……そこ…」
「…………」



「……上手いじゃん、土方……はは、すげぇ音だよ……」
「…………」



「……きもちイイ……最高……」





「…………さっきから変な声だしてんじゃねぇよアホが」
「だってよ!!」
「動くなバカ。鼓膜突き破くぞ」




ソファーに座る土方と、その膝の上に頭を乗せる銀時。

土方は耳掻きで銀時の右耳の中を掻いていた。

「紛らわしい言い方しやがって」
「なんで。膝枕で恋人に耳掻きしてもらうなんて、男のロマンだろ」

そーゆーわけだった。

土方としては銀時の耳掻きなんてしようとは思わなかったが、もっと卑猥なことを言われると思っていたので『耳掻き』と言われた瞬間に拍子抜けしてしまい、思わず頷いてしまった。

(結構ハズいけどな、これも)

耳掻きというより膝枕が恥ずかしい。

「終わったぞ」

土方はふぅっと銀時の耳に息を吹きかけた。

銀時が身震いして「あん☆」と奇妙な声を出すと悪乗りするなと土方が銀髪の頭をペシッと叩いた。

「次は左耳〜」
「………ちょっと、待て」
「なに?」
「……な、なんでもねぇよ…」

と銀時は再度、土方の膝に頭を乗せる。今度は体を反転させて土方のお腹の方に顔を向けて。

しかし女の膝枕と違って男の膝枕には決定的に違うものが1つある。

あまりお腹の方に近付かれると危ないのだが、銀時は全く意識していないようなので土方は黙るしかなかった。


先ほどと同じように耳を掻く。

「………」

どうしてだろうか。先ほどまでうるさく喋っていた銀時が黙っている。

「……銀時?」

眠ってしまったのだろうか。

耳掻きを抜いて顔を見た。





「…………ふ」
「……ッ!!」





銀時は微笑んでいた。

うっとりと、恍惚と、本当に幸せそうな、とろけるような笑顔。

完全に土方に身も心も許しているようだ。







不覚にも、土方は嬉しかった。







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