マナケミア

□俺だけじゃねぇのか?
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ガチャ…



「遅れてごめーん、ちょっと夜更かししちゃった…」

タイミング良くアイツが来た。夜更かし?いつも肌が荒れるとか言って滅多にそんなことをしないアイツが夜更かし?…しかもレーネが持っている鞄がいつもよりデカい
するとレーネはその鞄から両手に収まるくらいの箱を出した。





これはまさか…



「えーと、はいトニ!チョコレートあげる!」

チョコレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエトゲットオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!世の中の野郎共!!俺は勝ち組だ!!!俺は今天国にいる!!!!

「レ…レーネ…これって……っ///」

「…さてと、時間も無いし他の人にもあげなきゃ」

「え?」

俺は耳を疑った。チョコレートとは好きな奴にあげるもんじゃなかったか?俺はアトリエを出ようとするレーネを止めた。

「まっ待て!バレンタインのチョコレートって好きな奴にあげるもんじゃねぇのか!?」

「…それって、アタシがトニのこと好きって言いたいの?」



思いっきりぶっ飛び過ぎた。



「あっいや…その、だな…っ////」

顔が真っ赤になる俺を不思議そうに眺めるレーネはまさに小悪魔であろう発言をした。





「たくさんの人に渡して倍返ししてもらうの。チョコレートがブランド品になって返ってくるだなんて女の子には夢以外の何ものでもないわ



勿論、倍返し期待してるわよトニ(ニコッ」








小悪魔じゃねぇ!悪魔だ!魔女だ!男の弱みに付け込み自分の欲しいものを手に入れる恐ろしい女だ!!ここまで酷ぇ奴見たことねぇ!!!



「それじゃ、アタシは行くね」






レーネが居なくなった静かなアトリエ
その中で涙ぐみながら箱を開けると手の込んだ可愛らしいハート型のチョコレートがあった。俺はそれを眺めながら手に取り食べてみる。






「畜生…旨ぇ…っ」









でも…実は俺だけ手が込んでいて、しかもハート型で他の奴は小さな袋なのに俺だけ箱ということに俺は気づかなかった。





‐end‐
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