短編
□その相手
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並盛の地下、ボンゴレ日本支部アジト。
その横に繋がるようにしてある並盛風紀地下財団のアジト。
そして、その最奥に有る雲雀の部屋。
そこには何時もボンゴレの霧の守護者、六道骸の姿があった。
「君も加減しないよね。
下の経験ある?」
だってそうだろう。
いつも3、4回は連続でやられるのだから。
まぁ、彼のことだから、下なんて到底許すことは無いだろう、
そう、軽い気持ちで聞いた……はずだった。
「ありますよ。」
「……………………………………は?」
随分と間抜けな声を出してしまった。
が、当たり前ではないだろうか?
だって、絶対に有り得ないことだと思ったことだったから。
「クフフ、ありますよ?下の経験。」
かなり不適に何か有りそうな顔で、笑っていた。
……何か嫌だなあの顔。
「え、誰に?」
「何ですか?そんなに珍しいことでは無いでしょう。」
珍しいよ。
僕とだって絶対に下には回らない彼なのに、
そんな、軽々しく言われては。
「誰が相手だったの。」
「おや、怖いですねぇ。そんなに気になる物ですか?そうですね……。10年くらい前の時ですかね...。」「10……そんな前!?相手は誰?」
「クフ、秘密です。」
言うと思った。
秘密ということは言えないことという解釈をしてしまうが。
「もうすぐ……わかりますよ。」
「…………?」
何かを思い出すように。
「あぁ……もう時間ですね。」
「時間……?」
彼はくるっと僕の方を向き、
ニコッと、無邪気そうに笑った。
「楽しんで下さいね。」
「?………」
何を……?
聞こうと口を開いた。
ボフンッ!!!!!!!!!!
直後、骸は煙に包まれた。
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