輪廻戦記ゼノスケープ

□宴会芸 3
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レコーディングが長引き早朝と言っていい時間にやっと終わった。
ひとまず家に帰り仮眠をした。
起きてから携帯を見ると着信を知らせていた。
見ると母からのメールだった。



……

………

「あいつ!!」

すぐさまアドレス帳を開き通話ボタンを押す。

プルルプルル…

何回か発信音を聞いたのち、

「…はい?」

寝ぼけた声が聞こえた。

「お前何やってんだよ!」

「…ああ、修か。夜勤明けで今から寝るから後でかけ直すよ。」

俺のテンションに全く気付かない様子で切ろうとする。

「切んなよ!俺だって忙しいんだ!!それより、何で俺のモノマネなんかしてんよ!」

「んあ?……あぁ、この前の花見の余興の事か??」

まだ寝ぼけているようだが、さっきよりは頭が働いてきたらしい。

「花見か何か知んね―けど、そういう事やるなよ!」

「いやぁ、中々評判良かったぞ。お前の人気様様だなぁ〜♪」

天音は朗らかに言っている。
その反応に俺は何度神経を逆なでされた事か。

「評判なんて聞いてねーよ!マネなんかすんなって言ってんだよ。」

「え〜!これは会社で人間関係を円滑にするために必要な事だぞ。」

天音は尚も言いつのる。

「似てねーんだよ!兄貴がやる位なら俺がやりに行く!」

血管が何本か切れそうだ。

「修じゃモノマネになんねーじゃん。Venus呼ぶほど予算がある訳ねーし。」

「だったら、他の余興やれよ!!!」

顔がカッカと熱い。

「ん〜、まぁ、修が嫌なら今度は他のネタ探すわ。
…しっかし、お前朝から元気だな。じゃあ俺は寝るから。お休み。」

「誰のせいで!!怒っ

『プッ、ツーツーツー』

…切りやがった!!」

思わず携帯を握りしめる。

一気に怒ったせいか今度は頭がクラクラしてきてベッドに倒れこむ。

そのまま不貞寝する事にした。



『修〜元気にしてる?
 昨日ね、羽純君から久々にメールがきて面白い動画が添付されてきたから貴方にも送るわね。
 …しっかし、似てないわね〜。それも天音らしいんだけど。
 話は変わるけど、元気にやっているのかしら?
 仕事が忙しい分倒れる事がないように体調管理はしっかりしなさいよ。
 こっちに来る事があったら、ちゃんと顔を出しなさいね。 母より』




それから数時間後。
天音はベッドからはい出し伸びをした。

「んああ〜!よく寝た!!」

疲れた頭も身体もすっきりしていてよい目覚めだ。
携帯を見るとメールの着信があった。
あれ母さんから?

『天音、貴方相変わらずね〜。そんな調子で本当に患者さんの治療なんて出来ているの?
 医療ミスしないようにしっかりやりなさい!!
 昨日ね、羽純君からもらった動画を見たけど似てないわ。もっと精進しなさい。 母より』


母さん…。



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