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『ハートの診療所』(設定はbook内にて)
 
 
 
「さっさと歩け。間に合わなくなるぞ」
 
 
私とロー先生はこれから小学校に、内科検診へ行く。
小学校へは診療所から歩いて10分位の所にあるため、移動手段は徒歩だ。
 
…それなのに先生ときたら、
 
 
「だったら、少しは手伝って下さいよ先生!」
 
 
先生は聴診器のみ持って(と言うか首にかけて)いるだけ。
なのに私には、やけに重たい鞄を持たせている。
 
それにしても重たい。
まるで、まるで…教科書がパンパンに入ったスクールバッグみたいな?
それじゃ、例えになってないか。
あははははー…。
 
…そもそも、内科検診にこんな重たい鞄はいるのだろうか。
 
てか、自分の鞄位自分で持てよ!
 
 
「これから俺には、重労働が待ってんだ」
 
「ほとんど椅子に座ってるだけじゃん…」
 
「何か言ったか?」
 
「何もー言って無いでーすー」
 
「なら、さっさと歩くんだな」
 
「…」
 
 
その後も学校に着くまで、先生は鞄を持ってはくれなかった。
 
職員室に入る時のみ、まるで自分が持ってきたかの様な振る舞いを見せた先生に、軽い殺意を抱いたのは気のせいとしようと思った。
 






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