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□早く、早く、君のチョコを頂戴
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2010 2/14〜3/13まで置いていた拍手です。
「うーん…うぅーーん」
「どうしたの?まるで壊れた洗濯機みたいだよ」
「ベポ…私そんなにうるさかった?」
「例えが思い付かなかっただけだよ。それより、何か悩んでるの?」
俺が相談に乗るよと、胸を張ってくれるのは有難いけど、口の周りをチョコレートだらけにしてたら説得力ないよ、ベポ。
「悩みって悩みじゃないんだけど…船長にどうやってチョコレート渡そうかなーって」
「美味しかったし、大丈夫だよ」
そう、ベポの口の周りのチョコレートは私があげたせい。
船長以外のクルーの皆には渡したのだけれど、船長にはまだ渡してない。
「そう?ありがと」
「手に持ってるの、キャプテンにあげるやつ?」
「そう「room」…………って、私の右腕がぁぁぁぁー!!!」
私の右腕…船長にあげるためのチョコレートを持ったままの私の右腕が飛んで行った。
飛んで行った先は、私の右腕を切った犯人で…
「あっ、キャプテン!」
この船の船長で…
「…持って来るのが遅いから、わざわざ取りに来てやったんだ」
感謝しろ、とニヤリ笑みを浮かべ私の作ったチョコレートを取ったのは…
「ロー船長…」
(早く、早く、君のチョコを頂戴)
「…まあまあだな」
「凄く美味しいよね!」
「…作った側としては凄く嬉しいのですが、右腕早く返して下さい」
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