NOVEL

□すきすきだいすき
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「花井はさあー俺のどこが好きなの?」

日誌を書いていたシャーペンの芯がぱきりと音を立てて折れた。
あーあ、そのあと文字が二重になって見づらくなるんだよな

「お前は、いきなり、何を」

そんなにどもるなよー周りに誰もいないんだからいいじゃんか


皆が帰ってしまった部室で今日の日誌を書く花井と俺はふたりきりだった。

俺は監督命令でごしゃごしゃと物がいっぱい詰まっている自分のロッカーを掃除している。
おかしいなー何でここに3ヶ月前の行事予定のプリントが入ってんだ?

「ねー花井」
「何だよ」
「何だよじゃねーよ」

そこで花井は俺をちゃんと目で捕らえた。そしてちょっと考え込む。

「お前はどうなんだよ」

質問を質問で返すのかコノヤロー


花井の好きなとこ?そんなの決まってるだろ

「…っ?」

あれ?おお?
花井の好きなとこ好きなとこ…


「わかんねえ」
「え」


自分でもびっくり
でも花井のことが好きなのは絶対間違いないんだゲンミツに!

好きなもんは好き、理由なんてない、好き

…おお!

「花井!理由なんてない!」

だけど好き


そういうと花井は耳まで赤くして恥ずかしい奴!とそっぽを向いた。




帰り際にぽつりと俺も思いつかなかったんだと呟いた花井に俺はにんまりと笑った。

「俺達恥ずかしい奴だな!」
「っ!…ああ」






好きなとこをあげられないけど好きな人と長続きするんだとテレビで聞きました。
ほうほうと思い花井と田島にさせてみた

10.03.13



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