GX一般向け小説

□家族 Johann's Family
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「あれ、ヨハン、俺なんかマズイこと言った?ごめん、よく明日香とかにも言われるんだよな。十代は無神経で鈍感だって。」
「いや、何も。きょうだいならいるよ、妹がひとり、6つ年下。」

そう答えるヨハンは、もういつもの笑顔に戻っていた。

「へえ、妹か、可愛いだろうな。」
「ああ、すごく可愛いぜ。」

その顔は心からの笑顔で、十代は訳がわからなくなった。
さっきのは見間違いだったのだろうか、でも。

「俺ちょっと下で買い物。」

そう言うとヨハンは立ち上がった。

「すぐ戻るから、十代、そこ片付けといてくれよ。お前負けたんだし。」
「あ、うん。」

その背中を見送って、十代は呟いた。

「やっぱ俺、何か悪いこと言ったんだよな。」
”十代のせいじゃないわ。”
アメジスト・キャットが近づいてきた。そして、次々と現れる宝玉獣たち。

”家族はね、複雑なのよ、いろいろと。ねえ、十代”
「ん?」
”聞いてくれるかしら、ヨハンのこと。十代なら話してもいいと思う。と、いうより、十代に知っておいてほしいのよ。ねえ、みんな。”

宝玉獣たちが一斉に頷く。

「わかった、俺に何か出来るかどうかわかんないけど、ヨハンの力になれることなら何でもしたい。それに、また余計なこと言ってヨハンに辛い思いさせたくないしな。話してくれ、アメジスト・キャット。」
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