GX女性向小説
□告白
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告白 Confession
レッド寮の十代の部屋。
この日、何度目かの勝負を終え、カードをシャッフルしている時だった。
「なあ、ヨハン」
「何だ?」
「いつ、帰るんだ?」
ヨハンは壁にかかった時計を見た。
「そうだな、そろそろシャワー浴びたいから、このデュエルが終わったら帰るよ」
「いや、そうじゃなくて」
十代は珍しく真剣な表情でヨハンをじっと見つめていた。
どことなく切なげな表情。
何事だ、とヨハンは居住まいを正した。
「いつ帰国するんだ」
ずきりとヨハンの胸が痛む。
それはヨハンにとって最も考えたくないことだった。
できれば、見ないふりをしていたい。
「そんなこと訊いてどうする」
「どうもしないけど」
十代は辛そうに目を伏せた。
「俺、もう帰るな」
ヨハンは立ち上がった。
今デュエルしても、とても集中できそうにない。
心が、乱れすぎていて。