GX女性向小説
□同じ思い
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Simpayhy
「ネオスでヨハンにダイレクト・アタック!俺の勝ちだ!」
「うわっ!」
十代の容赦ない攻撃を受け、ヨハンは後ろにひっくり返った
「へへん、これで俺の3勝2敗、約束通り、今日のドローパンはヨハンの奢りな!」
「ったく、世界は広いよなあ」
「ん?どういう意味だ、ヨハン?」
「俺、アークティックではずっと負けなしなったんだぜ。それが負け越しとはな、でも、勝ったり負けたり、こういう関係を俺はずっと望んでいたのかもな。」
ヨハンは十代を見つめにっこり微笑んだ。
どきっとする。
いつからだろう?ヨハンから笑いかけられると心臓の鼓動が速くなることに気付いたのは。
「か、片付けも頼むぜ。」
十代はなるべくヨハンの顔を見ないですむように視線を落とした。
「わかってるよ」
ヨハンがカードを集め、シャッフルする。白くて長いその指。十代の目がそこに釘付けになる。
「はい、こっちが十代の分」
すっとこちらに伸びてきたヨハンの手首をつかんで、十代はすらりとしたヨハンの指をまじまじと見つめた。
「じゅう、だい?」
「ほんとにきれいだよな、ヨハンの指」
何でそんなことをしたのか、自分でもわからないまま十代はヨハンの指に唇を寄せた。
愛おしむように1本、1本の指先に口付ける。
「十代!」
ヨハンの言葉に我に帰った十代は、その手を離して飛びのいた。
「ごめん、ヨハン」
「何で、あやまるんだ?」
「だって」
言葉がみつからない。
ヨハンは真剣なまなざしで十代を見つめ、その手を取って、指に口付けた。十代と同じようにすべての指を愛おしみながら。
「ヨハン」
「俺も、同じ気持ちだから」
言葉は、いらない。
二人はどちらからともなく抱き合い、唇を合わせた。
(コメント)
初めて書いた絵茶文です。そのときみたお題で何か書くというのはほんとに初めての経験であせりました。
最後、非常に恥ずかしい超展開ですみません、たぶんこうでもしないと終わらせ方がわからなかったからに違いない。