GX一般向け小説

□赤い流星
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赤い流星 The Red Shooting Star   




翔たちが異世界から二度目の帰還を果たしてから1週間。
少しづつデュエルアカデミアは平穏を取り戻しつつあった。

レッド寮の食堂で皆が十代との思い出を語り合うなか、翔は一人岸壁へ向かった。十代は死んだ、みんなそう思ってる、そのことが翔には耐えられなかった。

「違う、アニキは死んでない、だってぼくと約束したんだ。犠牲になるんじゃない、大人になるために旅に出るって。だから必ず戻ってくる。」



自分はこの3年近く、十代の何を見てきたんだろう、と翔は思う。十代の強さに憧れてずっと兄貴分と慕い、その背を追ってきた。でも、最後まで十代を信じきることが出来なかった。疑って、ひどいことを言って、なのに十代はぼくやみんなのために命がけで戦ってくれた。

涙に濡れた瞳で空を見上げると、そこに赤い流星が現われた。

「お願い、アニキを戻してくれ。アニキにもう一度会って、伝えたいんだ、今の気持ちを」

翔は流星に祈った。翔の願いが通じたのか流星はなかなか消えず、どんどん近づいてくる、どんどんどんどん、ええっ!!!


「ふぇぇっ!!」

このままじゃ激突する、翔はあわてて逃げ出した。
次の瞬間、轟音とともに流星は墜落した

「あ、あれって?!」

方向は森のほうだ。翔は急いで森へ向かった。予感があった。もし、流れ星が翔の願いをききとどけてくれたなら。


そして、翔がそこで見たものは、
懐かしい赤い背中。

「アニキ!!」
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