GX一般向け小説
□ぼくのもの
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ぼくのもの He's Mine
「レインボードラゴン、飛べ!みんなの架け橋に!!」
異世界の空に虹色の輝きを振りまきながら、美しい白竜が飛翔する。
それは、この世のものとも思えぬ幻想的で美しい光景だった。
最初で最後になるかもしれない、ヨハンはその姿を瞳に焼き付けた。
まばゆい輝きの中、デュエルアカデミアは、生徒たちとともに異世界から姿を消した。
「あとは頼んだぜ、十代」
そして、その後には、ヨハンとがっくりと膝をついたユベルだけが残された。
「じゅうだい、じゅうだい、ぼくの十代、なぜ?」
うわごとのようにユベルは何度も十代の名を呼んでいた。
「ユベル」
悲嘆にくれる今のユベルがあまりに辛そうでヨハンは思わずその名を呼んだ。
「気安く呼ぶな、お前なんか大嫌いだ。どうして十代は」
ユベルはヨハンを睨みつけた。
「どうして十代はお前なんかが好きなんだ。この世で十代を一番愛してるのはぼくなのに。こんなに醜い姿になっても十代だけを愛して守り続けてきたのに。」
こんなに醜い姿になって?ヨハンはその言葉を聞きとがめた。