GX一般向け小説
□幸せなお茶会
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幸せなお茶会 Happy Time
「このケーキ、明日香が焼いたのか?」
「ああ、そう言ってたな」
「その辺のケーキ屋のよりよほどうまいぜ」
「そうだな、そういえば、アカデミアのときにもよく弁当作ってくれたけど、あれもすげえうまかった」
「十代、いいのかお前、そんなに暢気で」
「いいって何が?」
「何がってそりゃ、心配じゃないのか?」
「だから、何が?」
「全然気づいてないな。」
「何に?」
「ああ、もういい!後で後悔しても知らないからな。」
「後悔?」
「とにかく、明日香に礼言っとけよ!」
「礼ならもらったときに言ったけど」
「それだけじゃなくて、ちゃんとうまかったって感想言え!これ食ったら電話しろ!」
「わかった」
変な奴、何怒ってるんだ?
十代、お前いいかげん気づけよ。
明日香ほどいい女は滅多にいないぜ。
お前だって満更でもないんだろう。
他の奴に取られても知らないからな。
ひそかに親友の恋路に気を揉む、苦労性のヨハンであった。
ヨハンはたぶん明日香の気持ちに気づいていると思います。
でも、自分のこととなると、ヨハンもとことん鈍いんですけどね。
鏡に映った自分ははっきり見えるけど、自分自身の姿は見えない、ヨハンと十代ってそんな感じかな?