GX十代女体小説

□恋人たちの時間 Green Storm
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恋人たちの時間



待ち合わせ場所は公園の赤いベンチ。
いつも通りに十代はそこへ向かった。
次の角を曲がると、すぐに公園が見えてくる。
ヨハンはまだ来ていなかった。


十代とヨハンの通う「聖パトリック学園」は特殊な環境の学校だ。
全校生徒の3分の1が外国籍、とくにヨーロッパと北米系の生徒が多い。スウェーデン国籍のヨハン・アンデルセンもそのひとりだ。

欧米の学校はたいてい9月に新学期が始まり、6月に修了する。
パトリックの外国人生徒は、自分の母国の大学への進学を希望するものが多い。しかし、3月に卒業したのでは、向こうの新学期に間に合わない。
ゆえに、パトリック高等部の生徒は、二年間で三年分の単位を修得する。
三年になれば、それぞれの進路に従ってクラス分けが行われ、海外進学組は、7月のはじめには一足先に卒業し、秋の新学期に備えてそれぞれの国に旅立つのだ。
母国の大学ではないが、ボストンの総合大学に留学予定の天上院明日香も7月にはアメリカに出発する。

付属の大学ではなく、日本国内の他の大学に進学する生徒は一年間みっちり受験のための勉強をする。通常の授業をうける必要がないので、受験勉強に集中出来る。そのため、大学合格率は非常に高い。
万丈目準、三沢大地はこのクラスだ。

そして、付属のパトリック大に進学するもの。
ここは最も気楽といっていい。
もちろん落第点を取ってはならないが、普通に勉強していれば進学できるので、通常の学校と違い、三年は一番時間に余裕がある。
まあ、はっきり言ってヒマなのだ。
遊城十代、丸藤翔、そして明日香の取り巻きである枕田ジュンコと浜口ももえ。このあたりがここに入る。
パトリック大経済学部へ進学予定のヨハン・アンデルセンもここのクラスである。
だが、ヨハンの場合は少々事情が違った。
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