GX一般向け小説

□白夜 Midnight Sun
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白夜 Midnight Sun

この間書いた小説「きみがいる場所」の続きです。


Part1


「何か、なつかしい」

十代は呟いた。

「懐かしいって何で?」

ヨハンが問い返す。無理もない、ここはスウェーデンの首都、ストックホルム。「北欧決闘者杯」に出場するため、ヨハンが長期滞在しているホテルだ。
十代は、スウェーデンはもちろん、ヨーロッパ自体が初めてのはずだから、「懐かしい」などと思うはずはないのだが。

「童実野町のホテルを思い出した」
「そうか」


何のあてもないまま、十代を探しに日本へ旅立った。

どうしても十代を見つけて、タッグを組みたい。いや、それよりも何より、どうしても十代に会いたかった。

確かに部屋のつくりはあのとき滞在していたホテルに似ている。


あの時の十代はどこか、何かを諦めてしまったような、絶望を宿した目をしていた。
自分はもう幸福など求めてはならない、誰のことも求めてはならないのだと、そう思い込んでいるように見えた。
十代のせいではないのに・・・。

いや、むしろ発端は俺だ。俺を救うために、十代は異世界に飛び込み、多くの仲間を巻きこんだ。

その中には、少数ではあるが、まだこの世界に戻れずにいるものもいる。だが、それは彼らが自ら望んだことだ。そのことで十代が思い煩う必要はない。


それとも、まだ何かあるのだろうか、十代が自ら幸せを求めることを諦めなければならないようなことが。
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