GX一般向け小説
□決闘者の魂
1ページ/7ページ
決闘者の魂
The Sprits of Duelist
「ええっと、何から話そう」
ヨハンは一瞬考える素振りを見せたが、十代の方をちらりと見るとかぶりを振った。
「まあ、それよりもまず食事だな、十代、腹減ってるだろ。」
「何でわかるんだよ!」
「そりゃ、十代はDAでも食後すぐ以外はいつも”腹減った”って言ってたし、それに、やたらと風呂好きなお前が何日も風呂入ってないってことは、そこに回す金がないってことだろ。当然、充分食べてないだろうと思ってさ。」
「うっ、」
いちいち図星なのが十代にとっては悔しいし、情けない。だが、
「そこまでわかってんなら早く食わせろよ!」
赤面しつつも思わず叫ぶとヨハンが吹き出した。
「わかった、わかった。」
ヨハンはテーブルに次々と買ってきたものを並べていく。
おにぎり、サンドイッチ、サラダ、コロッケ、スモークサーモン、ローストビーフ。すげーうまそう、と十代が思った時だった。
「フギャーッ!!」
鳴き声と同時に、一陣の風とともにローストビーフが消えた。
突然の出来事に呆然とする二人の前で悠然とローストビーフにかじりついているのは
「ファラオ!?」
ヨハンが叫ぶ。
「いけね、すっかり忘れてた。つーかファラオ、ローストビーフ返せよ!」
十代の抗議もむなしく、最も値の張りそうなローストビーフはあっという間にファラオの胃袋の中に消えていった。
「ああ、俺のローストビーフが」
「十代、大人気ないぞ。ファラオだって腹減ってんだろ、って、何でここにファラオがいるんだよ!」
いろいろと解決すべき問題が山積しております。一つ一つ処理していかねば。
まずはファラオ、どうしましょうね。