Story
□SWEET TIME
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「帝様、何をしておいでですか?」
「なんだ、神崎か」
一旦作業していた手を止める。が、顔は声の主の方に向けないままだ。ただ素っ気なく、それだけ答えると、彼は再び休めた手を動かし始めた。
「手紙…誰宛てですか?」
「っさいな。いいだろーが、別に何でも」
そう言うと彼は書いていたものを隠すように机に突っ伏してしまった。
私はくすっと笑って
「申し訳ありません。お邪魔でしたか。」
とだけ言い部屋を後にした。扉を閉めた時、あぁ邪魔だよという声が聞こえた気がしたが、気にせず長い廊下を歩いて行った。