キリリク小説
□大妖怪の笑顔にはご注意を
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「それじゃあお願いね♪」
「は、はい!わかりました!」
「あ、ちなみに言っとくけど」
「何ですか?」
「一秒でも遅れてきたらその触角残して他は消し飛ばすから(ニッコリ)」
「触角限定!?」
【向日葵の笑顔と蛍の災難】
「はぁ〜、何で私がこんな目に…」
妖怪の山の麓をガックリとうなだれて飛ぶのは、頭に触角の生えた妖怪少女G…もといリグル・ナイトバグである。
つい今しがた、私は向日葵畑で花の妖怪さんから脅迫まがいの頼みごとをされました。
その内容は“里に行って花の肥料を買ってきてほしい”というもの。
「でも、あんまり里には行かないし…」
しかしそう言う訳にもいかないのです。
なぜなら…
チルノ(以下チ)「今日は何して遊ぶ〜?」
ルーミア(以下ル)「弾幕ごっこ!」
チ「それは昨日やったじゃん。しかも大ちゃんかみすちーしか勝ってないし」
ミスティア(以下ry)「鬼ごっこ!」
大「ルーミアちゃんが鬼だと本気で食べられそうで怖い…」
チ「札○雪祭り!」
全「常識の範囲内で考えろ、このHが!」
Hじゃないもん!
リ「う〜ん、かくれんぼでいいんじゃないかなぁ?」
チ「それいいじゃない!」
大「隠れる場所はどうするの?この湖だけじゃ狭いよ」
ミ「ねぇ、だったら幻想郷全部を隠れる場所にしない?」
全「えっ!?」
ミ「神社でも、里でも、森だろうと隠れ場所!全員見つけるか夕刻になるかが先の遊びよ!どう?やってみない?」
…というわけでもれなく鬼になってしまった私はさっきの向日葵畑に皆を探しに行きました。
そして文字通り向日葵をかき分けて探していたところ、運悪く幽香さんと出くわしてしまい、その拍子に手に触れていた向日葵を一本、折ってしまいました。
本来ならそれだけで消しずみになる筈だったんですが、「頼みごとを聞いてくれるなら許してやってもいい」と言われ今に至る訳なのです。
「…あ、そういえば私お金持ってないやwww」
そんな風に一人で考え事をしてる間に里に到着していました。
久し振りの人間の里はやはり賑わっていて、あちらこちらから楽しそうな声が聞こえてきます。
私もそんな賑わいの中、幽香さんが指定した花屋さんへ到着。
店の外にも綺麗に手入れされた菊や牡丹が置かれておりついつい和んでいましたが、急ぎのようだという事を思い出して中へ一歩足を踏み入れました。
「すみませ〜ん。どなたかいらっしゃいませんか?」
躊躇いがちに出した小さな声に現れたのは恰幅の良いおばあさんでした。
おばあさんは私を見るなり驚いた表情をした後にニッコリと笑ってこう言いました。
「はいはい…と、ああいらっしゃい。幽香さんのおつかいだね」
「えっ…どうしてその事を?!」
「幽香さんから聞いたのさ。『最近面白い子を見つけたのよ』」
自分を見られていたという気恥かしさに顔を真っ赤にしながら思いました。
面白いってどういう…
「『虐め甲斐のある蟲少年だって』ねwww」
「私は男の子じゃありません!!!」
「おや、違うのかい?てっきりわたしゃ女装趣味のある女の子のふりをした女の子らしい女の子の心を持った女の子みたいな男の子かと…」
「どんな男子ですか!よく意味が分からないし!」
私の突っ込みにおばあさんは「ハッハッハ!」と豪快に笑うと店の奥に戻って行きました。
そして少しして戻ってくると手には小さめの袋を二つ持っていました。
「はい、頼まれていた特製肥料!しっかり届けておくれよ?」
「あ、はい、わかりました」
私はおばさん(もうおばさんでいいよね?おばあさんだとパワフルすぎるしお姉さんと呼ぶにはもう歳が…)にお辞儀をすると大事なことを思い出しました。
「あ、でも私…お金、持ってないんです…」
「ああ、それだったら気にしないで。前金でもう貰ってるからさ」
おばさんはそう言ってお金が入っているのかジャラジャラと音がする袋を出しました。
幽香さんって意外とお金持ってるんだなぁなどと思ったのはここだけの話。
「それじゃあ私はこれで」
「ああ、幽香さんにもよろしく言っておいてね!」