キリリク小説
□東の神社の眠れない祭り
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頻繁に行われる博麗神社での宴会。いつもの様に賑やかなそれはいつもよりは少しだけ違っており…
神奈子「さ〜飲め飲め!私の酒が飲めないってのかい!?」
椛「も、もう勘弁してくだしゃいよ〜これ以上は無理ですってばぁ〜」
文「何言ってるのよ椛!天狗はお酒に強くなくちゃダメでしょうが!」
にとり「いや、神様相手にそれを言うのは…」
早苗「…私達は普通に飲んでましょうか」
諏訪子「お祭りだ〜!!!」
いつものメンバーに加えて山の神様や天狗に河童。さらには。
お燐「ニャ〜ん♪」
さとり「あらあら、お燐にはまだ早かったかしら?」
こいし「そんなこと無いよお姉ちゃん♪ほら、お空だって」
お空「お酒もっと追加で〜!ヒック」
勇儀「お、お前さん中々イケる口だねぇ。私と飲み比べでもしてみるかい?」
地霊殿から来た四人に加え何故か鬼が一匹混じっていた。
それを見てお酒とつまみを持ってきた霊夢は呆れた様子で言った。
霊夢「…あんたら飲み過ぎじゃないの?」
魔理沙「まぁまぁ、これくらい飲んだ方が楽しめるってもんだぜ。なぁ常闇?」
常闇「いや、私もこれは飲み過ぎじゃないのかと…」
楽しそうに笑う魔理沙に若干頬を引きつらせながら常闇は言う。
今日は萃香に「いつもより人が萃まるから場所の確保お願いね!」と言われ、霊夢と常闇は普段は使わないこの大間を掃除して準備をしていたのだが、まさか地底からも萃めるとは思わなかったようで人数的には入りきらないこの大間を咲夜の能力で広げてもらったのだ。
咲夜「もっとも、ここまで萃めたあの子鬼にも驚きますが」
咲夜がそう言いながら見つめた先には紫や永琳と共に酒を酌み交わしている萃香の姿があった。
霊夢「…ってあんたは自分の主人をほおっておいて良いの?」
霊夢が指差した先には酔っ払った美鈴に無理矢理一気飲みさせられているレミリアの姿が。
咲夜「必死に抵抗しているお嬢様…萌えますわね」
霊夢(だめだこいつ…早く何とかしないと)
そんな駄メイドと会話をしていた霊夢はいつの間にか常闇がいなくなっている事に気付いた。
霊夢「あら?どこにいったのかしら…?」
そう呟きふと横を見れば。
小悪魔と鈴仙に押し倒されている常闇の姿があった。
常闇「…え〜と、これは一体どういう状況なのかな?」
鈴仙「すいません常闇さん。でも…もう我慢できないんです!!!」
こぁ「わ…私も限界です!」
頬を紅潮させながらモジモジとする鈴仙と、恥じらいながらも顔を近づけようとする小悪魔に常闇は笑顔で対応しようとしたが、もはやなす術が無かった。
鈴・小「常闇さ〜ん!」
霊夢「『夢想天生』(7回攻撃済み)!」
だが一気に飛びかかった二人に向けて霊夢はスペルを撃ちこんだ。
綺麗な満月の夜、空を舞う二つの影があったと後の目撃者は語った。
幸い外に向けて放たれたため大した損害は出なかった…のだが。
妖夢「な、何でしょうかこの火照りは…?酔ったわけでもないのに」
お酒を飲んでいた数人からも切なげな声が上がる。その様子を見ていた永琳は思い出したようにポンっと手を打つと。
永琳「…あ!ごめんなさいね。何人かのお酒に薬を入れておいたの」
幽々子「一体何の薬かしら?」
アリス「どうせまた媚薬か何かでしょうよ。でなきゃあんな風に迫ったりしないわ」
永琳「いいえ。私がいれたのは活力栄養剤。まぁストレス発散が出来る薬だと思えば良いわ」
アリスの予想に首を横に振った永琳はポケットから小さな小ビンを取り出した。そして中身を説明すると異変は起こった。
お空「な、何か無性にうずうずしてきたんだけど」
永琳の説明中に空はそう言いながらきょろきょろと周りを見回す。そしてある人物と目が合うと。
お空「闇〜!私とフュージョンしよ〜!!!」
常闇「…はいぃぃぃぃぃ!?」
鈴仙と小悪魔からの束縛から解放された常闇に今度はお空が突っ込んでいく。
常闇はまたもやその勢いに畳の上に倒されてしまった。
藍「…紫様。もしや私の飲んでるのにも…?!」
紫「ごめんなさいね藍。でも、ストレス解消の良い機会じゃない?存分に楽しんできなさい」
妖夢「…もう、我慢がっ…!」
幽々子「あらあら妖夢もなの?それほど疲れているのねぇ」
今まで何ともなかった藍やかろうじて踏みとどまっていた妖夢も徐々に常闇の方へとその歩を進めていく。
輝夜「…やっぱり『あれ』を加えたのがまずかったんじゃないの?」
永琳「そんなはずはないんですけどねぇ…どこで作り間違えたのかしら?」
輝夜の耳打ちに首を傾げて言う永琳の元へ霊夢はゆっくりと歩み寄った。
霊夢「…ちなみに何を入れたの?」
永琳「媚薬」
霊夢「それが原因じゃん!!!」