東方時流伝

□八雲家の朝
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マヨヒガ。
そこは道に迷ったり、人ならざるものが辿り着く地。
そこに八雲家の住処があった。

「うぅ〜ん…」
「ほら、橙、もう起きないと」

八雲家は主として八雲紫、その式神に八雲藍。さらにその藍の式神として橙がいるわけなのだが、紫は一日のほぼ半日を寝て過ごしているので実際はいつもこの二人が八雲家の家事などを担当している。
(まぁ式神だから当然と言えば当然なんだけどね…)

「あと五分…」
「ほら、そんな甘いこと言ってもだめだぞ!早く起き…」
ぐずる橙に藍は何とか起こそうと橙の寝ている掛け布団を取り払った。
しかしその下には寝返りを打った際にできた肌蹴た橙の寝巻とすこしはみ出ているきれいな肌が見え、藍の思考は一時真っ白になった。
「う〜ん…わかりましたよぉ〜藍様ぁ…藍様?」
そんなことに気付かず、橙は眠そうに目をこすりながら甘ったるい声で了解の意を言った。…のだが、それすらも藍の真っ白な頭をさらに純白に染め上げ、鼻からはぼたぼたと鼻血が流れてきた。
そんな藍の様子にやっと気付いたのか、橙は慌てて様子でティッシュを持ってきた。
「藍様、鼻血が!」
「…ん?…あ!す、すまないな橙」
「いえいえ♪」
慌ててティッシュで鼻血をふき取った藍が謝ると、橙は笑顔で胸を張った。
その可愛さにふたたび藍の鼻からは血が漏れ出してきた。
「ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
「藍様!また鼻血が!!」



〜以下数回繰り返し〜
 

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