東方時流伝

□門番の日常
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紅魔館。
そこの門番である美鈴は、いつものように立ったまま熟睡していた。
まぁ彼女の勤務時間は二十時間と、想像以上に大変なので無理もないとは言えるが。
そこに近寄る二つの影。
「…なぁ、本当にスルーしていいのか?」
「まったく問題ないぜ!」
眠っている門番を覗き込む魔理沙に、呆れた風に尋ねる凪沙はその門番の器用さに心の中で称賛の拍手を送った。
「んで?このデカイ門は普通に通れるとして、屋敷の中にはどうやって入るんだ?」
「こっちこっち」
魔理沙が手招きする方へ向かうと、そこには正面の大扉とは打って変わって、質素な造りの扉があった。
「ここから入るんだ」
「なるほど、立派な侵入者の入り口ってわけだ」
「飛び入りゲストと言ってくれ♪」
そんなやり取りをしながら凪沙と魔理沙は扉を開けて、中へと入っていった。

数分後
「まったく…美鈴ったら」
買い物に出かけていたこの屋敷のメイド長―――十六夜 咲夜は、先程までと変わらずに器用に寝ている美鈴を見ると、
「お仕置きが必要かしら?」
手に持っていた買い物袋がナイフへと変わっており、その数分後、門番の悲鳴が紅魔館に響き渡った。

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