東方時流伝
□ネタの予感
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夜 博麗神社
「もう、なんなのこの妖気は?」
この神社の巫女である博麗の巫女こと博麗霊夢は、先程から感じるとてつもない妖気に顔を曇らせた。
(また面倒事か…。確か、二週間前に紫が人間を連れて来たって言ってたわね…そいつの仕業かしら?)
「とにかく、妖気は里から出ているようだし、やっぱり私が行かなきゃだめか。」
霊夢はひとつ溜め息をつくと、わざわざ妖怪退治の準備を始めた。
(まぁ、もしもっていうこともあるしね。一応準備しておこうっと。)
そうしてさっさと準備を済ませた霊夢は、異変解決のために里に向かって飛び立った。
人がいなくなった神社には一人の人影。その影は、霊夢がとびたったのを見るとその漆黒の翼をはためかせ、空中に飛び上がった。
「まさかこの幻想郷に外の世界から来た人間がいたとは……私ともあろうものがみすみすネタを逃すわけにはいきません!!!」
小さく呟いていた声はだんだん大きくなり、もはや選手宣誓のように高らかに声を張り上げながらいった。
「この射命丸 文!たとえ夜だろうと新聞のためには頑張ります!!」
もはや新聞記者というより野次馬とよべるのだろうか?
烏天狗で新聞記者の射命丸 文は
そう言うと翼をはばたかせながら霊夢の後を追って行った。