勿忘草を君に

GAME.04
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「あらあら、すごい汗ね……二人とも」


昼食も終え、ランキング戦も午後の部が始まっていた。

海堂のスネイクに食らいつき、あろうことかそれを利用して試合を押し始めたリョーマに、ふと碧依はドリンクを運んでいた足を止めた。


「疲れている量は同じでも、精神的ダメージの差は大きいわね」


湧き上がるDコートを眺めながら、海堂の過信しがちな傾向は要注意だと記憶に刻む碧依。

滴る汗にかまうことなく、試合は続行される。


「策に溺れたな、海堂……」

「あら、やっぱり気になっていたんじゃない」


不意に隣から聞こえた厳しい言葉に、碧依は笑みを浮かべた。


「ちょうど空き時間だからな」

「部員の試合を見るのも仕事、でしょ?」


わかっていると言わんばかりの碧依の返答に、手塚も少し表情を緩めた。


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